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バツライフ a.k.a【STAY・セント】  作者: The kid 王
第二章:ジケイ大戦編
30/42

EP18:〈1回戦第五試合〉ステイ・セント対メイン・ミント 上

 選手紹介


[ステイ・セント]

・純人間族(純潔)?

・男

・ステゴロ部


[メイン・ミント]

・猫の獣人と純潔のハーフ(半獣人)

・男

・剣術部

・使用する剣は日本刀に似ている

・暇があれば刀を研いでいる

・体が柔らかく、男の夢であるセルフフェラができる

・好物は肉、特にガチガエルが好き

・お姉ちゃんっ子

・つまりシスコン


 約2年前……ステゴロ部修練場にて…。


 「オラオラ!そんなんじゃおっ()ぬぞステイ!」


 「ちょっリリスさんッ!マジで死ぬってこれ!」


 俺はリリスさんに殺されかけていた……。

 

 もちろん普通に殺されかけている訳では無く、修行の一環である。

 リリスさんは右手に剣、左手には斧を構え襲ってくる、対する俺はもちろん素手だ。


 武器持ちの相手に対するステゴロの修行としては普通の事なのだろうが……相手が相手だった。


 リリスさんは加減というものを知らない。

 知らない故にいつも殺しにかかってきた。

 もちろん何度も死にかけた……数えきれない程。

 

 全身くまなく斬られているだろう。


 そんな、避けきれずリリスさんから受けた傷はいつもキリコさん特製の薬で治してもらっていた。


 話は逸れるのだが、そのキリコさんがくれる薬は実家の薬屋でも見た事も聞いた事もなく、なんと傷口に塗るだけで出血を止めるのはもちろんの事、傷痕まで綺麗サッパリなくしてくれるのだ。

 一度キリコさんに薬の作り方を聞いてみた事がある。だがキリコさんは「私は買っているだけなので…」と言い、ならと売っている場所を聞いたら「別にー……」と、沢尻エリカ返しを食らってしまった。

 今考えると絶対何か隠していそうだったな。


 話を戻そう。


 リリスさんは武器の扱いこそ無茶苦茶だが、それでも無茶苦茶強い。

 天性の身体能力と天性の戦闘センスで無茶苦茶なりにも理にかなっていたのだ。


 もちろん勝てた事など無い。

 だが、意味が無かった訳じゃ決してない。


 何故なら人は慣れるのだ、何回、何十回、何百回と戦いを繰り返す内に、俺はリリスさんの動きの癖、思考、スピードに慣れて行った。


 そして、つい2ヶ月前には武器持ちのリリスさんにならそれなりに戦う事が出来る様になっていたのだ。



 回想終わり。



 場面は戻り、1回戦第五試合……俺対メイン・ミント。


 メイン・ミントが肩から胴体にかけて全力の袈裟斬り。俺は避けれこそしたが理解してしまったのだ。



 弱すぎる………と。



 リリスさんと比べたらスピードも威力も屁でもない。


 「……ハハっ」


 俺はつい笑ってしまっていた。


 おいおい、マジか、マジなのか?

 気魄こそ凄まじかったが、その割に剣速は至って普通だぞ。

 その凄まじい気魄から憶測するに、今の袈裟斬りがこいつ(メイン・ミント)の全力だとしたら底が浅過ぎる。


 俺は何かの間違いかと思った。

 なんだ?

 小手調べか?

 それともステゴロ相手ならこの程度で勝てると思ってわざと手を抜いたのか?

 にしても……舐めプは冷めるな。


 と、思っていたのだが会場は逆に物凄く盛り上がっていた。

 耳が痛くなる程の歓声と怒号が会場中に響き渡っていた。


 「いいじゃねーか!いいぞ!素手のガキ!」

 「おいゴラ!半獣人!何やってんだ!さっさと切れ!」

 「ステイ・セント!名前覚えたぞー!」

 「お前に賭けたんだぞ獣人!殺せー!」

 「今の避けれるのかよ!」

 「なぁ素手の方の動き見えたか?」

 「しねー!」

 などなど……俺への感嘆とメイン・ミントへの罵倒が混ざり合っている。

 

 だが、今のヤリトリにそこまでの価値があるのか?

 いや、無い。何も凄い事してないもん。

 ただ身を後ろにずらしただけだからね。

 

 と、そう思っているのは俺だけなのだろうか?

 いやでもこの会場の熱気は凄まじいものだ。


 「……………」


 ん?つまり………この状況と俺の今のマインドからして………メイン・セントの今の斬撃は一般人には目にも止まらない速度なのにも関わらず、俺はそんな斬撃を軽々避けてしまったって事なのか!


 んー!異世界主人公っぽい!すごくぽい!

 

 前にキリコさんが言っていた、「優勝できます」と。

 そして俺もパルフェクトとミロ・マーチの試合が終わった時に感じた『優勝出来そう』というマインドも俺がとても強くなったから出てきたものだったのか!



 んーあー………。


 「気持ちイィィィ……」


 気づいたら声に出ていた。


 今までの修行の全てが報われた気分だ。

 まさに最高潮。マスでもかきたい気分だ。


 「何が気持ちいいだ!一回避けたくらいで勝ったつもりか?ステイ・セント!」


 メイン・ミントの俺に対する左から右に、首への迷いの無い斬撃……もちろん避けれるから避ける。

 

 「なわけっ……無いだろ!」


 メイン・ミントの刀が空を斬った。

 

 よし、空振ったな。


 刀が引かれ終わった瞬間、俺は距離を詰める。出来るだけ近く、より近くへと潜り込む。


 メイン・ミントは空を切った刀の流れを利用し、そのまま下から刀を振り上げた。その動きは無駄が無く、まるで俺が距離を詰める事を予測していたかの様だった。

 

 だが、もう遅い。


 こいつの剣より俺の(ケン)の方が速い。


 俺のジケイ大戦初戦……開幕の一撃はメイン・ミントの左頬への右ストレート…一閃だった。


 「ウブッ!!」

 

 (ゴシャッ)と生々しい音を立て、メイン・ミントは後方へと吹き飛ぶ。

 そしてメイン・ミントの手からは刀が離れ、刀は地面に転がる。


 「ハハッ…マジか1発で終わりか?」


 「ぐぐ……まだだ、まだだぞステイ・セント!」


 ゆっくりと立ち上がるメイン・ミントの足は既にガクガクとふらついていた。

 口や鼻からも多量に血が流れている。


 見るからに満身創痍である。


 だが油断大敵……メイン・ミントだってやられっぱなしって訳にはいかないだろう…。


 メイン・ミントは落ちた刀を右手で拾い上げる、そして今度は刀を逆手に握り、腰を落とし体制を低くした。


 「…ん?」


 ………なんだあの構え?

 まるで今から突っ込んでいきますって言っている様なものだぞ。


 「ッ………ステイ・セント。俺は君を侮っていた。所詮は素手だってね………はぁはぁ………だけど違った。君は強い、恐らく()の俺よりも…………だから君にはこの技を捧げるよ……」


 「捧げる……?」


 

 〈メイン・ミント視点〉


 あぁそうだステイ・セント。

 俺は捧げるのだ………この技を出せる程の気力があるかはわからないが、俺にはもう…これくらいしか出来ないんだ。

 何せ……さっきの顔面への1発で既に視界が歪み、意識が飛びそうなんだ。

 立っているのももう精一杯なんだよ。


 「………お前、もう負けた気になってんのか?」


 ステイ・セントはよく分からない事を言った。


 「………は?」


 負けた気?俺が?いやいや……そんな気は無いぞ。


 「おいおいなに阿呆みたいな顔してんだよ。

 そりゃそうだろ、戦ってる相手に対して『捧げる』なんて下手に出て……お前、なんの為にジケイ会館入ったんだよ。

 本当に勝つ気があるならよぉ……足が折れても、腕が千切れても噛み付いてこいよ!クソ猫!!」


 「……ッー!」




 ………あぁそうだ……そうだった。

 忘れていた、忘れてしまっていた!…俺は……俺はッ………!!

 

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