星の涙と、神話のない星座
星の涙が
空からキラキラ
舞い降りて
その行く先には
冬の大三角
夢へと誘う窓のように
時計仕掛けの街で
進みゆく針に追われて
気付けば夕闇に包まれ
厚手のマフラーに
首をうずめながら
見上げた凍空に
広がる星たちは
氷晶のようにさんざめく
星の涙が
空からキラキラ
舞い降りて
南の空に浮かぶ
こいぬ座の二つ星
プロキオンの隣には
涙ぐむ瞳
ゴメイサが煌めいて
それは
たった二つの輝き
そこから幾つもの
物語が紡がれて
星の涙が
空からキラキラ
舞い降りて
その涙の雫が
空にできた三角窓へ
はらはら零れ落ち
夢の世界から
ユニコーンが窓辺に
姿を現して
冬の大三角の中に
描かれた
いっかくじゅう座
まだ星の名もなく
神話もない星座
そこにあると
分かっていても
見えないものもある
けれど幻ではなく
ユニコーンの星座が
確かにそこに
星の涙が
空からキラキラ
舞い降りて
空が昏いほど
星は輝くように
まぶしい夢ほど
辿り着く道のりは
見えにくいけれど
叶うか叶わないかの前に
願う気持ちがあることが
届くか届かないかの前に
目指す光があることが
きっと大切だから
目指す光がある限り
星も夢も
何度でも
見上げることが
きっとできるから
見た人に幸せを呼ぶ
ユニコーンの夢
冬の大三角の中に
その姿を描きながら
それは
まだ星の名もなく
神話もない星座
物語は、これから創るから
未来は、これから創るから
星の涙が
空からキラキラ
舞い降りて
星の涙が
空からキラキラ
舞い降りて
星の涙が
空からキラキラ
舞い降りて
星の涙が
空からキラ
キラ
舞い降りて
星の
涙が空から
キラキラ
舞い降り
て
星の
涙が空
から
キラキラ
舞い降り
て
星
の
涙が空
からキラキ
ラ舞い降り
て
星
涙
星の涙
星の涙 涙
星 星の涙
星の涙
星
涙
星の涙
星 星の涙
星の涙 涙
星の涙
涙
星
涙
星の涙
星の涙 涙
星 星の涙
星の涙
星
。 。
。 。
。 。
。 。
。 。
。 。
。 。
星。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。星
光。。。光。。。。光。。。。。光。。光。。。光。
。。。光。。光。。光。。光。。。。光。。光。。。
。。光。。。。。光。。。。。。。。光。。。。。光
光 光 光
光 光 光 光
光 光
光
光 光
光
光
光 光
光
光 星
の 光
涙
光 が
空から今宵
光 舞い降りてきて 夢
彼方には天の三角窓
そこに雫が舞い降りるとき
光 夢の世界と現実とが繋がり
人は幸せを探す 一角獣は
見えるものと 現れて
見えないものと
夢 どちらもある世界
広い夜空にも見える星と
見えない星とがさんざめいて
星は教えてくれる見えるかどうかでなく
信じるかどうかその光があるか 大切な事が
たとえ夜空にたった二つの光でも 他に
たとえ神話のない そこに素敵な ある
星座だとしても 物語は紡が はず
未来とはこれから れて
創られ 創り上げ いく
ていく ていく から
もの もの
こいぬ座は、見える星はプロキオンとゴメイサの二つ(それぞれ「犬の前」「涙ぐむ目」の意味)だけで、結べば直線一つですが、古の人々はそこに様々な神話を紡ぎました。
一方、プロキオンを含む冬の大三角の中にある「いっかくじゅう座」は、17世紀に考案されたため神話はなく、星にプロキオンのような固有の名もありません。光はささやかで見えにくいですが、夢に見ると幸せになるとされるユニコーンの形をしています。
星の涙が舞い降りて、見る人に幸せをもたらすユニコーンへと変わる物語として描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。