6:2日目
うん、油断してました。やっぱりあるのね、淑女教育。マナーとかダンスとか。
あと、何故か淑女教育の一部としてそれぞれの家でそれぞれのお母さまに教わる時間も別建てであるんだ。
淑女教育って意外と体育会系だ。
前半の授業はお茶の時間。休憩時間じゃなくて授業としてのお茶の時間だった。綺麗な所作でティーカップを持ち、優雅に見えるように飲まなきゃいけないの。カップのお茶の残り具合で重さが変わっても最後まで変わらず綺麗に見えるように出来なきゃダメと言われて繰り返しの練習。なので何杯もお茶を飲まなきゃいけなかった。何かの花茶のようだけど、香りのよいお茶って素敵。さすがにお庭でもないのにお茶しながら足元に水たまりを作っちゃうのは憚られるから休憩時間になったらみんなすぐにお庭に行ったわ。もちろん私も。でも、あれだけ飲まされちゃったから後半の授業ではきっと授業中に我慢できなくなっちゃうだろうな。
後半の授業は歩き方や座り方。椅子の種類や高さごとに優雅に見える座る姿勢とか綺麗に見える歩き方とか、そんなのの実技。頭の上に本を乗せて落とさずに滑らかに歩くのだって結構難しいのに、本じゃなくて水を入れたお皿を乗せて零さず歩けるようにならなきゃいけないの??そんなの無理だよ、河童じゃないんだから。座り方だってそう。立ったり座ったり、その遷移までもが綺麗に見えなきゃいけないって何度も繰り返しで太ももが攣りそう。かつ座った状態でスカートが、その、お漏らししちゃってもみっともない濡れ方しない形になるように座れてないといけないなんて。お漏らしは咎められなくてもそういうとこは厳しいんだ。でもリリーの体はそういうのがある程度叩きこまれているみたいで、中身が私になっちゃってても条件反射的に最低限形になるくらいには出来るんだね。ありがと、もとのリリー。
さすがに前半の授業でたっぷりお茶のんだせいかおしっこが近い。昨日の授業中はお漏らしした娘がいても誰も気にもしてなかったけど、この授業中はお漏らししたら先生にスカートの濡れ具合をチェックされちゃった。私だけじゃないけどね。
昨日もそうだったけど、おうちに着いたらメイドさん達が朝と同じようにお湯と濡れタオルで拭いて新しい下着に穿き替えさせてくれた。