3:学校
結論で言えば私はぎりぎり学生だった。弟や妹はガヴァネスが来て指導してくださる。私はというと、学校に行く車のご用意が出来ましたと言われ連れていかれた先は女子学園での教養教育だった。女子学園といっても前の世界で私が通った学校のようなスタイルではなく、欧米の大学紹介の雑誌記事とかテレビ番組で出てくるような数名の学生が講師の先生を囲んでお話を聞いたり質問するスタイルだった。ちょっとサロンみたいな感じ。
椅子は小振りで少し高い座面がメッシュで背もたれの無いものだった。スカートの後ろを被せるように座るみたい。
みんなよく知ってるお友達同士みたいでこれはヤバイかなって思ったけど、無難な受け答えをしているうちに小半時もかからずにお名前やお互いの関係が把握できたので助かった。
いきなりちょっと困っちゃったのは学園でおトイレの場所が判らなかったこと。結論から言えば実質的に無かったというか、どこでもトイレというか・・・。
休憩時間に誰か行くだろうから付いて行こうと思ってたんだけど。授業の合間の休憩時間はティータイムでみんなで庭先のテーブルを囲んでお茶を楽しむ時間だった。最初、誰もおトイレに行かないからどうしようと思っちゃった。そしたら授業への戻りがけにお一人が「ちょっと失礼」といって脇へ寄られた。そしたらもうお一方も「では私も」と。うん、中世フランスのベルサイユ宮殿方式なのね。前世(?)でそういう趣味だったから、いろんな土地や時代の用足しのスタイルにはそこそこ詳しくなってて、すぐに判ったしあんまり驚かなかった。でも私は用を足すタイミングを失しちゃった。だって、どなたも下穿きを脱ぐ様子がなかったんだもん。お二人とも戻ってこられたら先ほど佇まれたところに先ほどまで無かった水たまりが出来ていたからわかっちゃったけど。
休憩後の授業の時間の終わり近くになるといつのまにか先ほど脇に寄られなかったうちのお一人の椅子の下に水たまりが出来ていた。誰も騒がないしご本人も平然としている。
私もちょっとピンチだったんだけど頑張って我慢しちゃった。常識とされている範囲がまだわからないのに教室で平然とお漏らししちゃうには度胸が足りませんでした。我慢の限界がきちゃったらしょうがないと思うけど。
授業は2コマで終わりで、後はみんなでお庭で軽食とって帰宅だったので、軽食のテーブルに向かう途中で脇に寄らせていただいた。もう一人の子も同じタイミングで用を足された。
よし、そういうことなら安心。明日からは学園で催したらさっさとお庭に行こう。今朝は用心してあんまりお茶飲まないで登校したけど、事情が分かれば安心だ。
ファンブルしちゃうとまずいので、学園を離れる前に図書室に寄って、マナーや習慣に関する本と、若い女の子向けの物語本を何冊か借り出してきた。家にもあるかもしれないけど学園の方が充実してるだろうし。ちゃんと把握しておかないと想定外に自分の商品価値下げちゃって人生ハードモードになっちゃうもんね。
ためしに一度R18前提の下書き書いて、そこからR15に収まるくらいに修正してみました。
もう一回くらいそういうやり方して話の繋がりが破綻しないようならR15で続けるかも。




