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15:ウェイティングメイドのお役目って

マリエルに

「ところで私はまだ“そういうこと(男の子とエッチ)”をしたことはありませんからマリエルに身代わりをしてもらわなくても大丈夫だと思いますけど、結婚前にそういうことをしてしまう娘って多いのかしら?」

と聞いてみたら、

「貴族家ですと大抵のお嬢様は結婚まで純潔を守られるようですが、”時折うわさとしては聞こえてくる”程度にはいらっしゃるようですね。純潔を投げ捨ててしまうような悪い遊びをされる方は滅多にいらっしゃらないようですが、真面目なお嬢様でも年頃の娘ですから実際に決まった殿方が出来るとつい箍が緩んでしまう方はいらっしゃるようですよ。私たちは”そのためにも”いるのですからご安心ください」と意味深な笑顔を向けられてしまった。

いまのところそういうつもりは無いんだけど....。

私が「でも、そういうことになって私の身代わりで私の旦那様になった方に純潔を散らされてしまうなんて思うところはありませんの?」と訊くと、

マリエルは「いえ、私たち貴族家のメイドはメイドに採用していただく時点で生娘であったとしてもメイドの仕事の中にはそういう仕事(・・・・・・)も含まれていることは承知でお仕えしていますから。それに平民の女子は結婚前に殿方に体を許した経験の無い娘は滅多にいませんしそもそも結婚相手が初めてを捧げた相手と同じというのは少ないですから特に気にされる必要はありません。ただ、折角ですから私の初めてを奪ってくださるお嬢様の旦那様が素敵なイケメンだといいなとは思いますけど。」と前半は真面目な顔で、最後のほうはちょっとニヤッとしてウインクした。

私が「なんだか私の旦那様になる方がマリエルの純潔も奪うのが確定みたいな言い方ね。私、結婚するまでそういうことはしないつもりだから身代わり確定みたいなことを言われるとちょっと心外だわ。」と言い返したらマリエルの爆弾発言が出た。

「お嬢様、順番の問題があるので最初のお子様には間に合わせるのは難しいのですが、正妻様にとって気のおけない実家から付いてきた侍女を乳母にするために正妻様がお子様を出産されるのに先駆けて侍女を母乳の出る体(・・・・・・)にしておくことは普通に行われておりますもの。貴族家の嫡男はそのために正妻として娶った新妻が家に慣れてきた頃合いを見計らって妻の承諾を得た上で付いてきた侍女にもお種を注ぐのが普通ですよ。ですから仮に私が侍女として付いていけば私はお嬢様の初夜の身代わりにならなくても遠からずお嬢様の旦那様に純潔を捧げることになりますし、お嬢様のお子に授乳できるように侍女兼乳母兼妾としてお種をいただいてお嬢様のお子様の異母兄弟を産むことになります。ですのでお家によっては長女の嫁入りにあたってはメイドではなく年のあまり離れていない次女か三女を侍女に付けることもあると伺っております。もし乳母としてお嬢様のお子様の兄弟を産むことになるのならメイドの誰かよりもご自身の妹の方が良いとお考えになるようでしたらご婚約者候補を紹介頂いたら早々に奥様とご相談されるべきかと存じます。」ですって。私は思わす心の中でエーって叫んでしまった。

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