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14:メイドさんはどうしてる

私や妹は貴族家の女の子だから夜のおねしょはあたりまえのことだと思われてるし、昼間もあまり長い時間おしっこを我慢できないのが普通と思われている。だからお外の道端以外、たとえば学校や家での授業中でもかなりおしっこしたくなったら無理に我慢せずにお漏らししちゃうけど、平民の女の子や貴族の娘でも下位貴族の三女以下でどこかの家に奉公とかに出ている子はどうなんだろう?そう思って私の世話をしてくれているメイドの一人、一つ年上のマリエルに訊いてみた。

マリエルは「そうですね~、私達は女の腕力でできる範囲とはいえ多少は力仕事しますからお嬢様たちよりは我慢できると思いますよ。でも仕事時間中全然しないなんて無理ですから。朝起きた直後はお通じもあるのでお庭の傍らにある使用人用の厠に行きますけど昼間の仕事中は3~4回は下穿きを濡らしますね。」と教えてくれた。

「でも、私、外出先で馬車待ちのときに道端で足元を濡らされる以外ではメイドの皆さんの足元が濡れるのを見たことがありませんけど?」と疑問を口にしたら、マリエルは「それは私達が勤め先のお屋敷の中でお漏らしして床や敷物を汚してしまったら叱られますもの。はっきり催してきたら手近な勝手口を出た軒先、当家ですとお屋敷の周囲は壁際から人の背丈ほどの幅で一面にレンゲソウが植えられていますでしょう。あのレンゲソウの上に出て足元を濡らしますの。あそこは土に蚕の糞と大量の蒸してから干したヨモギと蕎麦の茎を鋤き込んであるそうです。その土に適度に小水をしみこませつつ毎年レンゲソウを育てては鋤きこむのを数年繰り返すととても土が肥えるので昼間下穿きを濡らすときはなるべくあそこのレンゲソウの上でと言いつけられています。それで昨年は北面、今年は東面に来年は南面と毎年順番に肥えた土を荷出しして新しい土に入れ替えるんです。」と説明してくれた。

んん?蚕の糞にヨモギにお小水?なんか前の世界で歴女の友達が何か蘊蓄を垂れていたような?それって土を肥やすため?お父様に訊いてみたいけど将来他家にお嫁に行くだろう私が聞いちゃいけなさそう。

「夜はどうしてますの?」と訊くとマリエルの答えは「若いメイドはお嬢様たちと変わりません。深夜に軒先に出るのは憚られるので、お嬢様たちよりも頻度は低いと思いますが毎朝誰かしらは濡れた夜具の上で目を覚ましていますもの。特に私を含めお嬢様たちのお世話をしているお嬢様たちと同じくらいの歳の生娘のメイドは純潔を危険に晒さないためにも夜に不用意に寝室の外に出るくらいなら夜具を濡らすように言われてます。」

「あら、私達のお世話をしてくださっているメイドは夜は夜具を濡らすように言われているんですの?」と聞き返したらマリエルに「生娘だったら、ですけれど。お嬢様のお世話をするメイドはお嬢様がお嫁に行かれる際に側付きとして付いて行く候補でもありますから。そして〝お嬢様の嫁入に付いて行くお嬢様と年恰好の近い側仕えメイド”はお嬢様の予備の乙女の証でもあります。万一お嬢様が旦那様との初夜で夜具に純潔を捧げた証を残せないのが確実な時はお嬢様の名誉のために身代わりで初夜の床をこっそり入れ替わって夜具に破瓜の証拠を残すお役目がありますから生娘でないとお役目を果たせませんもの。大事なお役目です。」と真顔で言われてしまった。

うーん、やっぱりお嫁入前に”遊んじゃう(・・・・・)”といろいろまずいのね。

投稿間隔が開いてしまいすみません。しばらくは時折思い出したように・・・というかんじでいきます。

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