10:お友達のデート
先日、学園でのお友達の一人であるアンヌさんが殿方とデートされたそうだ。
やっぱり年頃の女の子としてはみんな興味深々。今日の授業の後の軽食の時間は専らそのお話だった。どんな方なのかとか、いつからお付き合いされているのかとか、デートはどちらへいらしたのとか、お食事はどこで何をとか、話題は尽きない。
そして最後の方で決定的な質問をした友達がいた。「デートでは『ご休憩』されたのですか?」って。
うん、たしかにアンヌさんってご用足しの頻度も低いし滅多にお漏らしもされないからそういう疑惑はあったのよね、殿方との経験があるんじゃないかって。
みんな一瞬息をのんでどんな答えが返ってくるのかを待った。
アンヌさんは特に気を悪くされた様子もなく「いいえ、デートは純粋に二人で出歩くことを楽しみましたのでそこまでは。それにどちらにも執事やメイドが付いてきておりますし。」とおっしゃった。
別の娘が「そうですわよね。御付きの方がいますものね。」と相槌をうつとアンヌさんはちょっとだけ真顔になって「御付きはいますけれど、そういうところに向かっても何も言われませんわよ。」と返した。
決定的質問をした娘が「それではやはりアンヌ様はやはりお相手の殿方とそういった所を使われたことがございますの?」と訊くとアンヌさんは「いいえ、女の子として私もそういうことにすごく興味があるのは否定しませんけれど、殿方と御付きが付いてくるようなデートをするということは両家の間では私達を遠からず結婚させるということで合意が出来ているはずですもの。焦らずともそう遠くない将来には彼と誰憚ることなくそういうことが出来るのに焦ってする必要なんてありませんわ。お腹が大きくなってしまってはウエディングドレスを合わせるのに支障がありますし。」と答えた。
同席していた女の子達から一斉にキャーという歓声が上がった。
さらにアンヌさんは「お友達の期待に反するようではいけませんわよね。どんな事をされたとか、どのくらい痛かったかとか、どのくらい気持ちよかったかとか、みんな興味ありますものね。そういう事を済ませたらみなさんをお茶会に招待しますわ。ですからどなたか私より先に経験されたらやはりちゃんとみんなに話してくださいね、お友達なんですから。」と切り返してきた。
ふむふむ、ということは私くらいの歳のそれなりの格の家の娘でも両家が認めてる男の子となら健全デートはOKだしそういう間柄なら結婚前にすることしちゃっても黙認なのね。
R18に引っかからずに済みそうな下書きの書き貯め分が尽きてしまったので、次回あたりから先は更新間隔が開くとおもいます。