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天照のラグナロク  作者: 須菜 洋
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02 女神ネラ

転生モノって面白いですよね!

僕も面白い転生モノ書けるように頑張ります!





"あれ…真っ暗だ…あぁ…俺は死んだんだもんな…"


「まあそりゃ目閉じてたら見えないよ」


"まぁ…ゆりちゃん守れて死んだんなら…こんな最後も悪くないかな…"


「いや〜あれはかっこよかったねぇ、まさに漢!て感じだったよ」


"唯一心残りがあるとすれば、結局ゆりちゃんには好きって伝えられなかったな……"


「あれ?もしもーーし、聞こえてるんでしょー?無視って酷くない?泣いちゃうよ?いい歳こいて恥も外聞も何もかもかなぐり捨てて泣いちゃうよ?」


"あぁ…次の人生は何に生まれ変わるんだろ…シロアリとかだったら嫌だな…"


「ねえ聞こえてるんでしょ?ねえねえねえ!頼むから反応してよ!もう泣く3秒前くらいだよわたし?」


"うるさいな…人が眠ろうとしてる時に、ん?うるさい?俺に話しかけてるのは誰なんだ??え?死んだんだよな?"


「うん、たしかに死んだね、そりゃーもう背中からドバドバ血出てたからあれで死んでなかったら君もう人間じゃないよ、て言うかさ、1回目開けてみ?1回でいいから」


"目?そういえば何故か感覚があるな…"


雄輝が目を開けるとそこは何もかもが白い世界だった、床も白、空も白、地平線の果てまで続くかのような目が眩むほどの白に雄輝は思わず目を抑える。


「やぁっと目開けてくれたね、ずっと開けてくれなかったらどうしようかと思ったよ、いやほんと」


先程から聞こえていた声の方を見ると、そこには端正に作られたバービー人形のような、言葉などでは言い表せないほど完璧な女性が呆れ顔でこっちを見ていた。


「ここはどこだ…?それに俺何で生きてるんだ?!死んだはずなのに!ていうか君は誰だ?」


「も〜〜質問が多いなぁ、順序追って説明するから少し落ち着いて!」


謎の女性は雄輝の質問にやれやれと言った様子で肩をすくめ、咳払いをすると両手を左右に広げ、


「パンパカパーン!あなたは百億人に一人の異世界に転生する権利を得ました!ぱちぱちぱちぃ〜!!」


「!?え、転生する権利?てか俺やっぱ死んだの?マジ?え、全然理解できないんだけど!!!!!」


謎の女性の突然の告白に雄輝は理解出来ずに目を白黒させる。


「自己紹介が遅れたね!私は君のいた世界とは別次元に存在する世界の愛と調和を司る女神、ネラちゃんなのだ!いえーい!」


「え、女神!?もう何がなんやらよくわからんぞ!!それに何だこの人ハイテンションすぎてうぜえ!」


自称女神のハイテンションぶりに、普段は負けず劣らずのハイテンションなはずの雄輝も、鬱陶しさ禁じえられず渋い顔になる。


「それでそれでぇ!君はあのおじさんに刺されて死んじゃったけど、百億人に一人のそのまんま転生できる権利をゲットしちゃったわけです!」


「転生ってどういう事?まさか生き返れるとか!?」


生き返ることが出来る!?と思わず雄輝も興奮して質問する。


「あ〜それは無理無理、それをしちゃうと世界の理に背くことになっちゃうから、転生の権利っていうのは〜君の世界からわたしの世界に転生できちゃうって話!」


「転生は出来るけど生き返ることは出来ない???意味がわからないけどなんとなくもうみんなと会えないって言うのはわかった、そうか…死んじゃったんだもんな…」


当てが外れた雄輝はガックリと肩を落としてため息を吐いた、実際自分が死んでしまったという現実でさえもまだ受け入れられていないのだ、いきなり転生できますと言われても、はいそうですかと納得する方が難しい話だろう。


当のネラは転生できるんだよ?凄いんだよ?と言った様子で頭からはてなマークを飛び交わせており、全然理解出来ていない様子、女神ネラは完璧な美貌を誇り、信者も多いかなり上位の神なのだが、テンションが高くウザがられるのとだいぶ抜けているところがあり、神々の間では[残念女神]と呼ばれていた、いわゆる残念美人である。


「それで、何で転生なんてものがあるんですか?」


「んーそれはですねぇ、わたし達の世界では亜人と人類が存在しているんですけど、もー双方仲悪くって悪くってすぐに戦争になるんですよ、ほんとに何ですぐに争うんですかねぇ…いっそ滅亡させてしまえばいいのに」


「いやあんたさっき愛を司るって言ってたのにそんなこと言って良いんかい!」


ネラのあまりの女神らしからなさに雄輝は思わずツッコミを入れてしまう。


「まあまあ、それでー、もうあまりに死にまくるからさ、まあ詳しく話すと長くなるから割愛させてもらうけど、簡単に言うと魂の調節のためにちょいちょい別の世界から送り込んでるわけ!」


「なるほど…」


理解出来なくもない理由だったため、雄輝は生き返れることはまあ出来るんだな、と無理矢理な感じはするが納得した。


「それでー、何もなしにあっちの世界に送り出すのは可哀想だし、何か能力を上げようと思います!何か欲しい能力とかある?わたしのオススメは攻撃系だなー、あっちの世界は戦争とかあるしなかなか役に立つと思うよ?どうどう?」


「いや、前の人生では早死しちゃったわけだし、なんか生活に役立つものとかが欲しいな!」


「まあ選ぶことは出来ないんだけどね」


「ちくしょうなんだってんだ!」


女神の自由奔放っぷりに振り回されっぱなしの雄輝があれ?実は俺死んでなくてこの変人にからかわれてるだけなんじゃね?などと薄々思い始めていた。


最もこの明らかに異常な真っ白な世界、それに背中を刺された傷がもう塞がっていて何も感じないところから、言っていることは正しいのだろうとは思うのだが、女神が女神なのでどうしても信じ切ることが出来ないのだ。


「渡す能力はこのガチャで決めます!人間て大好きでしょ?ガチャ!10連とか!」


「まあ嫌いではないけども、てかそれってアプリな!」


雄輝は部活一筋で、学校が終われば部活の練習帰ればご飯を食べて寝るだけの生活で、携帯なども必要最低限しか使っていなかったのであまりガチャなどはやっていない。


唯斗がちくしょう出ねえ出ねえと言いながら昼休みなどにやっているのはよく見ていたが、何をそんなに躍起になってやっているのかは雄輝にはあまり理解できなかった。


「はいこれ、これでガチャ引いてね」


「うわぁ、思いっきりスマホだよ…」


なんで女神がスマホ持ってるんだとか色々疑問はあったが、ネラの「なるべく人間にわかりやすくしたからねぇ」と言うドヤ顔混じりの説明にイラッと来つつも、何となく納得がいったので素直にこの[能力ガチャ]を回すことにした。


「とは言っても君には必要ないような気もするけども…」


「ん?なんか言った?」


「あ、いいのいいの、今は知らなくて」


「?なんだよ気になるじゃん」


「いいからいいから!さ!引きなって!」


女神の言い方に違和感を覚えつつも教える気がないようなのでガチャに手をかける。


「さあ来い!俺の能力!」


若干恥ずかしいセリフを吐きながらスマホでガチャを引くと、画面ではなく目の前にいきなり能力名が浮かび上がった。



SSランク

:アトモスフィア

大気中の空気に干渉できる



「うわ、君これ化け物だよ、とんでもないの引き当てたね〜」


「え?いやいや空気だよ?全然でしょ!良かった〜強いのとかじゃなくて」


「うーん、この子にこんな強い能力は、ちょっとまずいかなー、でも引き当てちゃったしな〜…まいっか!なんとでもなるっしょ!」


「ん?何か言った?」


ネラが独り言を呟いているのを見て、雄輝が訝しげに見ている。


「なんでもないよ〜!じゃあじゃあ?能力も渡したし、そろそろ時間もないみたいだからお別れの時間です!寂しいかい?そうか寂しいか!でもでも〜、ネラちゃんとの楽しいお話タイムはもう終わりです!いやいや〜わたしも寂しいんだよ?こんなに沢山話したのなんて何百年ぶりか分からないからねえ!」


「う、今までで1番ハイテンションだ…」


「さあさあ前途ある若者よ!旅立つのだ!あ、ついでに少しのおまけとわたしの祝福もあげちゃうから、頑張ってね〜」


「ちょっと待ってまだ聞きたいこととか色々ある…おわ!!」


話を切り上げようとするネラにまだ話すことはある!と近づいた瞬間、雄輝はいつの間にか後ろに出来ていた扉にに吸い込まれるように引っ張られ始めた。


「本当は君の中の子とも話しをしてみたかったんだけどね、それは無理みたいだしね〜」


「何を言って……!」


言っている意味が分からず聞こうとした雄輝だったが、途端に強くなった扉からの吸い込む力には抗えずに扉に吸い込まれて行った。


「さてさて、あの子はこの先どうなることやら、正直随分ヤバいの連れてたし、心配だな〜……」


自分以外誰もいなくなった空間で、ネラは心配そうに雄輝が吸い込まれて行った扉を見つめていた。


まだ異世界に行きませんでした、

次こそ行きます!行くったら行きます!!

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