緊張と緩和
「お母さん、おはようー、話があるんだけどさ…」
起きてきて開口一番のこの言葉に一瞬でお母さんの顔が曇る。
そして朝ごはんの支度をしていた手を止めて、こちらをじっと見ている。
何年お母さんの息子をやってきたと思っているんだ。必ず凄い怒られる。怖い。
それでも言わなければならない
だってこれは人生を決めるかもしれない高校受験だ。
「お母さん。多分、桂木東高校行けないかもしれない。仮テストの結果がちょっと悪かったんだ」
怒られるのが怖く、目を瞑りながら一息で言い切った。
言ってしまった。後には戻れないという感情と共に、不思議と心の重みが取れた気がした。
でも涙は全く出なかった。思えば涙を流した記憶は覚えているかぎり1度もない気がする。
ここで涙を流せば優しくしてもらえるかな、と思ったその時お母さんが俺に言った。
「さっきお父さんにもその話してたみたいだけど、合格ラインまで本当に50点足りないだけなの?」
ありえない……地獄耳すぎるだろ...これはまずい50点ではなく、140点ほど足りない。
やばすぎる...50点の倍の100点ではなくほぼ3倍足りない。笑って誤魔化せる点数を超えている。
140点足りないと言われた時のお母さんの顔は想像もつかない。
もう誤魔化せない。全部言うしかない。家追い出されてもしょうがない。家出の準備は万全だ。
「実は合格ラインまで140点足りない。あと2日じゃどうにもならないと思う。ごめんなさい」
そう思ってすべてを話した。
すべてを話して最初に話したのはお父さんだ。
「優気!嘘をついていたのか。ダメだぞ!次からは気を付けるんだぞ!」
お父さん...とても優しいのは嬉しいけど次とかないんだよ...
次があるならこんな嘘つかないよダメな息子でごめんなさい
心の中でお父さんの優しさ感謝すると共にお母さんの顔が見れない自分がいる。
俺はその間ずっとリビングの床とにらめっこしている。
1分、2分と時間がたち沈黙が耐えきれないと思っている時にお母さんが泣きながら俺の顔を両手で上げた。
お母さんが泣いている姿なんて本当に久しぶりに見たなあー。
意外と冷静な自分がいるんだなって他人事のように思った。
そしてそう俺が思っている時にお母さんが重い口を開いた。
2019年1月より小説というものを書こうと思い、今回書かせて頂きました。
小説は1度も読んだことがありませんので
基本というものが全くわかりません。
後書きにこういうこと書くのもどうかと思いますが、
どんな感想でも至らない点などがありましたら
お待ちしておりますので感想を言って頂けたらと思います。
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