プロローグ 出会い
あいつとの出会いは、高校2年生の春。
先生によってあいつの名前が書かれたことがそのはじまりだった。
『立花悠』
これを見た瞬間、クラス中の視線が一瞬にしてこっちに集中した。
3文字で済む名前の漢字がすごかったわけではない。問題は名前そのものにある。
「ハルカ!あんた、編入することにしたの!?」
「ってゆーか、なんで一緒の名前?」
次々と飛び交う質問に答えられずにいたのは、他ならぬ彼女だった。
なんせ彼女の名前は―――・・・
「まぁ似てるけど、新しい生徒は『たちばなゆう』って読むからな。『たちばなはるか』とは違うからな。いいぞー入れー」
先生の言葉と共に、教室に入ってきたのは・・・・・
「どもっ!大阪からやって来ました、立花悠です!なにコイツとか思わんといて、ぜひとも仲良うしたってください!よろしくぅ!」
とても元気で明るくて、それから中学生かと疑うほどの童顔男で、とにかくこの瞬間クラスの女子の一部のハートをゲットしたことだけは確かだ・・・たった1人の女子を除いての話だが。
この大阪から来た編入生は多くの注目を浴びて、なぜか彼女の隣に座った。
「おっ!立花コンビが並んだな」
「へっ!?」
それが初めてお互いに顔を合わせた瞬間だった。
立花悠と、立花悠の2人が――――・・・・・・
はじめまして。
こんな作品ですが、時々見てくれたら嬉しいです。