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とにかく色々やってみた  作者: 玉屋モトク
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mission 1-2 コックリさんが帰らない

コックリさん。

この名前の由来であるが諸説あってはっきりしない。


それぞれに人を化かしたりする動物の名前をあてがい狐狗狸(こくり)と呼んだのが元だとか、またはテーブルターニング時の机もしくは道具の動きがコックリコックリと動くから、その擬音からとったものだとか、色々と言われている。


では例えば上の二者の場合、どちらが今お帰りにならない困ったちゃんなのだろうか。


動物霊?

(きつね)(いぬ)(たぬき)。およそ低俗な獣の霊で、人に取り憑くと言われているモノといったらこれらである。

そもそも日本全国には憑き物筋というのがあって、狐憑きの家系だとか言われる所が少なからずあった。

いくらか統計もされており、出雲近辺には狐憑き、四国あたりでは狸憑きが多かった気がする。

狸や狐というのは昔話にありがちな人を化かすイメージもあるし、動物霊といえば何かないかな?とか探してみたらすぐに思いつく筆頭ではないだろうか。


いや、それじゃ狗は?


狗……犬……イヌ。

しかしイヌを

「低俗霊の類いですね、1週間分のお札出しておきますので受付でお取り下さい」

などと内科医ぶって言おうものなら、愛犬家からどんなバッシングを受けるか分かったものじゃない。

そもそも縄文時代から人間のパートナーだった動物が、エキノコックスの媒介主(キツネ)や風もないのにブラブラする不審者(タヌキ)と同列に扱われるのは何故だろうか?


これも考え出すとキリがないのだが、イヌに関する有名なものには天狗と犬神がある。

今日では天狗といえば赤い面に長い鼻、修験者のような格好をした、神なのか妖怪なのか得体の知れないイメージを持たれているモノだ。

しかし、例えば古代中国の山海経では白い首をした狸のような生き物として天狗が登場する。たった一行であるが、天狗という名の歴史は古いことがわかる。

また、流星のことを天狗と呼んでいたりもしたそうだ。


次に犬神だが、コックリさんにしっくり来るのは恐らくこちらのイヌではないだろうか。


犬神というのは呪術で使われるもので、簡単に説明すれば可愛がっている犬の首を刎ねてしまい、それを人通りのある辻に埋めるのである。

踏まれ続けることで怨嗟の念を溜め込み、呪術的な力を増幅させて使役される。

とある絵で見たが、この犬神の姿はイヌとは似ても似つかず、むしろ長細いイタチのような形状だった。

和風の使い魔として管狐や飯綱などがあるが、あれらに近い。


そして犬神も憑く。

これも西日本に多いのだが、犬神憑きの家系というのも少なくない。

犬神憑きの家系は繁盛するだとか、はたまた近所からは忌避される存在だとか、ほとんど狐憑きの家系と同じような扱いが多い。


よって狐狗狸という当て字もそこまでおかしくはないのである。

むしろ、狸憑きは少ないので代わりにトウビョウ、蛇の字を入れた方が良い気もする。

狐狗蛇(こくだ)……日本トップスリーの憑き物といった感じで意味は伝わりやすいと思うが、なんだか語感は悪い。

やはりコックリさんという名前はその語感も含めて人気なのかもしれない。

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