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ぱーふぇくと・かばー  作者: 小出毬子
9/9

完全隠蔽〜娘視点〜

書き出すと色々出てきて止まらないので、一旦おしまいにします。文章の修正はしばらくしてから行います。

 はじめまして、瑞希です。


 最近は少なくなりましたが、時々嫌な夢を見ます。


 嫌な夢と言ってしまうのは、どこかの国の偉い人が瑞希の目の前で突然倒れてしまうからです。

 確かにパパと小さい頃に、色んな国の偉い人達と会った記憶はあります。一緒に遊んで貰ったり、お土産のお菓子を頂いた覚えもあります。

 いつの頃からかこの夢を見るようになり、パパは泣く泣く私を海外出張に連れて行くのをあきらめたそうです。

 …おっとりしているように見えても、パパはすごく強い人です。なんたってママと口ケンカ以外でも勝つことが出来る数少ない大人です。銃撃戦の中でも私を何度も守ってくれましたし、連れ去られそうになっても、あっという間に相手の男たちをやっつけていました。元自衛官の胆力は伊達じゃないと、ママもいつも感心しています。


 海外がダメじゃないのは、クリスの家に遊びにいって元大統領に会っても平気だったので間違いないです。

 ヒースが言うにはみんな身体が悪いのにいっぱい仕事をしてて、小さい女の子を見て気が抜けたんだよと言ってくれたので多分そうだと思いたいです。


 みんな偉い人だけあって、セキュリティが厳しく、パパですら同行を許されなかった人もいました。だけどさっきまでニコニコしていた大人が急にしゃがみ込んだのは私のせいじゃないかと、大好きだったパパとの旅行が怖くて泣き出すようになってしまいました。

 パパに聞いたら、確かにそういうことがあったけど、それはみーちゃんと会えた時間を有効に使えなかった相手が悪いと、なんだか斜め上の返事が返って来ました。

 渡したのはせいぜい花束やお菓子だけで、お菓子は瑞希も一緒に食べたので安全なものです。

 …少なくとも、私が手を下した訳じゃなさそうなのでホッとしました。


 あと銃とか兵器が好きなのはパパの影響です。パパの部屋には、ミリタリーショップかと思う位軍装やモデルガンなどが置いてあるので、扱い方も小さい時から教わってました。火薬の扱いや爆発の範囲の求め方を聞きに行っていたお陰で、理科の先生方と仲良くなりました。


 お話したら楽になる事ってあるんですね。こうして頭の中を整理していたらスッキリしました。


 瑞希も小さい頃より強くなったし、もう変な夢からバイバイ出来そうです。



 ◆◆◆


 瑞希の父の神農裕介です。蛇足かも知れませんが、妻や娘が話せなかった裏話にお付き合い下さい。


 ご存知かも知れませんが、報道番組などで海外情勢などを偉そうに話しております。

 時々、日本に住み着いた元A国大統領補佐官ヒースと共演する事もありますので、アラフォーのフリージャーナリストの仕事としては、大変いい仕事を頂いてます。


 それもこれも娘の瑞希のお陰です。


 本人は詳細覚えていないようですが、A国の依頼で色々と仕事をこなした見返りです。

 子供の記憶力なんて、毎日しない事ならすぐに忘れてしまうので、今更尋問にかけられても思い出せないでしょう。仮に薬を投与されても記憶がないのはどうしようもないでしょう…


 監視を兼ねて来日した筈のヒースも、そんなことを忘れたかの様に日本の生活を楽しんで、時々酔い潰れて自分の嫁と瑞穂さんに説教されてます。

 柔道が得意な息子のクリスも、護衛の仕事はどこへやら今ではただの瑞希のストーカー扱いです。本当に何しに来たんだ、この親子。

 きっとヒースの嫁は、この2人を野放しにできないからついてくる羽目になったのでしょう。ため息まじりに上の息子2人は真っ当でよかったとの愚痴を聞いた事があります。


 ヒースとクリスが見た目詐欺のおバカのおかげで、A国からの依頼の話は、ちっとも話題になりません。お互いの間でも、俺たちはラッキーだったと話す程度です。

 ただ、コードネーム:perfect (完全) cover(隠蔽)は年齢国籍一切不明の、伝説の工作員として、A国の諜報機関で語られているそうです。


 さすがにこれだけは、世界中で片手の指程しか知る人のない、トップシークレットです。

 墓の下に入っても、漏らせない最重要機密ですので、いざと言うときには、私はunder() cover()として名前が出る事になっています。

 その時は家族で某国の高級住宅地に逃げ込む事になっていますし、いつ引っ越してもいいように身辺整理だけは怠らないよう、瑞穂さんにも伝えています。


 私が身辺整理しろと言ったのに、詳細を一切聞かないって事は、瑞穂さんは事情を全て知っているのだとおもいます。


 言葉に困らないようにヒースの嫁(マム)に英会話を習ったり、生活習慣を習ったりしているようです。彼女(マム)は小さい頃から親の仕事で数カ国を転々とする生活だったので、いろんな国に詳しいとの事。瑞希にも以前も某国の生活習慣を教えて頂いてるので、まるで学校の先生のようです。

 剣道も毎日瑞穂さんが付き合って練習していますが、これは強くなる為よりも危険察知能力を上げる為らしいです。殺気のあるなしを見分けて打ち込めって、日本の小学生女子ににそんな鍛え方するのは瑞穂さん、いや神農家だけというべきでしょう。代々、子供に向かって本気で殺気を飛ばして修行してたらしいです。そりゃ修羅場なれもするでしょうね。一体、神農家のご先祖様はどんな生き方をしていたのでしょう?


 色々と考える事はありますが…ま、なんとかなるでしょう

瑞希「本当はね、私もっと悪どい子供らしいですよ。余りにも性格悪すぎてこれでもマイルドにしたらしいです」

瑞穂「元々私が主人公の小説を考えてたら、瑞希が暴れ出して止まらなくなったので、落ち着けるために書き出しました。ただ内容がR18になりそうなので、瑞希の活躍部分だけ抜いた結果がこの話です」

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