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006. 風変わりな生徒

その日は、国王即位二十周年の記念パレードが催される日だった。


十年の節目ごとに行われ、国内の主要な都市を巡る大規模なものであった。城下であるロシヌから始まるため、大勢の人が近隣から集まり、街はいつもより一層賑わっていた。


魔法予備学校の生徒達も、この日はいつもより浮き足立って、本当に地面から十センチくらい浮いている者もいた。


ルルも、もちろんそのパレードを見に行くつもりなのだった。


「あーあ、また失敗したぁ」


フラスコの底にたまる紫色の液体をルルはうらめしそうに見つめていた。


目の前の机上には教科書と乾燥した草や花、木の実などの他に何やら妖しげなものも転がっている。


そして、幾つかのすり鉢の中には濃淡様々な茶色の粉が出来上がっていた。


先ほど、それらを駆使して今日の課題である“眠り薬”を製作したのだったが、どうやら努力は報われなかったらしい。


「ルル、まだ終わってないの?」


廊下にいたシーナが、そばへ寄ってきた。気がつけば教室には、ルルひとりだけになっている。


「どうしても、透明にならないの。 ちゃんと教科書通りにしてるのに」


眉間にしわを寄せ、ルルはフラスコを睨んだ。

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