表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/20

005.

ルルの住むルガウヌ王国は、主に大小三つからなる島国である。


長く続いた戦乱の時代を経て、建国から三百年余りの歴史を持つ。現在はマルカス二世の治世の下、平和が続いている。


この国は鉱山資源が豊富で、国中で採れる宝石の産出は世界一を誇る。それにより貿易が活発に行われ、産業も発展した豊かな国だった。


多種多様の宝石は研磨され、一部は宝飾品として加工されるが、これは魔術の使用時にはかかせないものである。


このため、宝石のよく採れる地域には、魔法使いが多く集まるのが常だった。


特にルガウヌ王国のものは品質が高く、世界中から商人が買い付けに来て、主要な都市はいつも彼らの元気な声にあふれていた。


ルルの生まれ育ったリバールは、海を持つ街の定め通り大きな港があり、多くの商船が入っては宝石を積んで出て行った。


海岸から離れた高台にある家から、ルルはよくその光景を眺めていた。


濃い藍色をした海面が、穏やかに上下左右に揺れては光を返す。その上を様々な大きさ、種類の船がゆったりとした速度で水平線の彼方へ現れては消えていくのだった。


この海に続く異国に想いを馳せ、


「いつか行ってみたい」


と小さな少女はささやかな夢をみるのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ