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002.

ルルがこの寮へ来て、三ヶ月になる。


自然豊かで美しい地方都市リバールから、近代的な首都ロシヌまで、魔法大学校を目指して八時間をかけ、大好きな故郷を離れたのだった。


魔法大学校へ入るには、予備学校で三年間就学するのが一般的であり、毎年全国から志望生徒が集まってくる。


魔法を学ぶ資格は、〈導士石〔どうしせき〕〉を見つけることができて得られる。


〈導士石〉は、多くの場合宝石である。これは、魔法を使うために必要なもので、その力はこの石から発揮されるのだった。


そして、〈導士石〉は、自分に合う魔法使いを呼び寄せると言われている。魔法使いを志して初めて感応しあうという。


遠く旅をして出合う者や身近にあって簡単に見つける者など様々いたが、ルルは実家近くの海岸で〈導士石〉であるサファイアの原石を拾った。


それは海を渡って流れ着いたらしかった。自ら探しに行かず、向こうからルルのもとへとやってきたようにもみえた。


その原石は予備学校入学の際の入学資格証明になり、教師によって加工される。たいていは、指輪になるが、手や腕のない者はネックレスなどにされる。


ルルのサファイアは、小指のつけ根から第二関節を覆うほどの楕円形で、金で出来た星と、銀で出来た雪の結晶が装飾された指輪に出来上がった。右手の小指につけ、光にかざすと深い濃紺が奥の方できらめく。


皆がそうするように、ルルもこれに「ルメロ」と名前を付けた。これからの魔法生活を支えあうパートナーとなった瞬間だった。

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