シーラカンス
テレビを付けてみると
こんなニュースが流れていた
××党が◯◯◯◯に
鋭いメスを入れてきた
コメンテーターは口を揃えて
愚かな行為と蔑んだ
続いて眺めて聞いてると
こんなニュースが流れていた
××国の内戦に◯◯国が
わざわざ首を突っ込んできた
コメンテーターは口を揃えて
哀れな行動と貶してた
いつだって誰だって見てるもんさ
どんなに偉そうに取り繕ったって
どれだけ厳しく諭そうたって
他人はあんたらのことを
冷ました瞳で見つめてる
おいらは後ろで泳ぐだけ
興味もないし飽きたから
部屋の明かりが突然点いた
何事なのかと振り向くと
どたどたと二つの足跡と
がやがやと二人の声
おいらはただただ泳いでいる
どうせいつものことだから
部屋の明かりが突然消えた
何時ものことだと興味もなし
どたどたと軋む音と
ぼそぼそと掠れた声
おいらはそろそろ泳ぎ出す
どうせ蚊帳の外だから
いつだってなんだって変わりないさ
どういう言葉を使ったって
どれほど身体を動かしたって
人は同じこと繰り返してる
まるで紋切り型を押すように
おいらは可笑しくて仕方がない
あんたらそれでも高等動物なの?
昔は良くって今は狂ってる
故きを温ねて新しきを知る
若者はクズで中年は良い
老害はごみで若者は良い
どの時代どの期間どの時間でも
みんな同じこと言ってるよ
女は産む機械で羊水腐ってる
男はATMで頭腐ってる
男なんて汚くて有害でキモい
女なんて醜くて迷惑でうざい
いつもいつでもいつまでも
みんなそう言っていくだろうさ
どうして分かるかって?
おいらはずっと見つつも聞いてきたからさ
よくも飽きずに繰り返してるなって
こっちじゃ伝説級の笑い話なのさ
ずっと同じ姿形を保ってるように
そっちもずっと同じなのさ
おいらは既にここが終着点
あんたらはまだまだ途中点
ただ、環状線を走り回るように
同じ点を回ってるだけだけど
そこから抜け出した時
おいらはそろそろお休みできるよ
愚かな行為を繰り返し見るのは
愚かな行為だからね
お久しぶりの水霧です。ぱっと思いついたのでささっと投稿しました。
風刺ものとはいうものの、ちょっと成分が足りなかったですね(汗)
過激な表現もありますが、あくまでも詩ですので、真に受けないようお願いします(笑)
お読みいただき、ありがとうございました!