2.14
翌朝、目を覚ましたとき、早苗の開いた視界に入ったひとは昨日と違う。
昨日はメリー。今日は友。それならば明日は誰になるのか。寝起きのどこか浮ついた思考は、明日もまた友が泊まると言う事実をぼかしているのか、答えを出さない。
欠伸を一つ。そして起こした身体は腕を伸ばし、時計を掴む。
――5時32分。いつもより早い目覚めに再度身体を倒し、意識に別れを告げることはしない。ぐうたらと怠惰に過ごす彼女にしては珍しいことに、素直に起きることを決めた。
「はぁ……」
欠伸を更に一つ。涙を浮かべながらカーテンへと向かい、いや待てと足を止める。起こさない方が良いだろう、ときっとアラームを掛けているだろう友の寝顔を伺い、早苗は台所を目指した。
冷蔵庫を開き、コップに麦茶を注ぐ。良く冷えたそれは、僅かに眠気を飛ばす。しかし、そうして一息つけばすることが終わる。起きたからと言ってすることはなく、それならば二度寝したところで問題はないことに気付く。
「うーん」
どうした物か。考えた結果、早苗は上着を羽織り、目的なく外へ出る。日差しに迎えられる。これにより眠気のほとんどはこれによって飛ばされた。
外へ出たところで掛けられる言葉はなく、そしてすることもない。散歩でもしようか。適当にブラブラと歩き、時間を潰そうと考えるも友が起きるまでには部屋に戻っておきたい気持ちがあった。友に対する不信からではない。他人を部屋に置いたまま出かけると言うことは、早苗にとってあまり良いこととは思えなかったのだ。
「外へ出たは良いが、出来ることは少ないな」
ぼやき、階段を下りる。
せめて眠気を飛ばしきってから部屋に戻ろうか。コンビニへ行き、朝食を買おうかと思いつきに行動を任せる。
そうしたところで先輩と会うことはないし、他の誰かと会うことはない。メリー、と口にするも反応はない。




