表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
後ろのメリーさん  作者: 10.bi
Life
31/34

2.13

 早苗は、相手を誰かと問う言葉ばかり向けられると構えていたが、風呂から出たときに彼女に問いが向けられることはなく、どころか言葉を掛けられることさえない。何故か。尋ねられないことに越したことはないが、その理由を不思議に思う。待っている間に熱が冷めたかと部屋に入ったとき、その理由に納得し頷いた。


 友は部屋の壁にもたれ掛る様に眠っている。不安定に頭はこくり、こくりと揺れており、旅の中で抱いただろう疲れを感じさせる。車に乗っていただけとはいえ、長い間揺られたことで疲労がたまっていたのだろう。

 手に携帯、筆記用具は握られていない。寝落ちと言うわけではないのだろう。判断するや否や早苗は従妹の目の前に立ち、こつと額を叩く。

「何をしている」

 その言葉に直ぐに反応はない。友は眠たげに目蓋を擦り、そしてこくりこくりと頭を揺らしながらうわ言のように言葉を繰り返し、終いには理解することなく、早苗の言葉に首を傾げた。


「何してたって。えー。寝てた、かな?」

 求められる答えを示しているだろうか。友は不安げだ。


「寝ていた? そんなところでか?」

 友はその言葉こそおかしな物と思う。

 彼女から見た部屋には他に眠る所はない。

 早苗の敷いた布団。枕代わりになるか怪しいクッション。テーブル含む幾つかの家具。選ぶとすれば床に寝転がることと壁にもたれ掛ることで、そのうちの一つを選んだに過ぎない。

 そして責めるように物を言われるとなると――。


「まさか寝ちゃダメ?」

「布団を使えよ」

「それはお姉さんに悪いよ」

「どうして? まさか寝相が悪いのか?」


 違うけど。否定する言葉に、ならばと言う。


「ほら、さっさと寝よう」

 早苗は布団に入り、手を招く。


「あー。そうですね」

 姿は変われど中身に変化はないことを感じ、友はこくりと頷いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ