2.9
先輩の元へいつ行くことになるだろうか。
考え始めたとき、そもそも暇はいつ来るだろうかと早苗は首を傾げる。
友は用事を済ませ次第帰って行くだろう。
見当つかないのはメリーの方だ。早苗には分かりようもない。
かと言って、何もメリーがいることを理由に断ることはない。
メリーと四六時中を共にしなければいけない理由はない。どこか空いている時間を見つけさえすれば用事は済ませることが出来る。友が帰った後であれば時間は空き、早苗は先輩のもとへ行くことが出来る。
臨時収入をいち早く得たいと言う思いがある。
しかし早苗には心配に思うことがあった。
「……どう言うわけか、先輩を嫌っているようだからなあ」
個人を嫌っていたのか、そこに現れたことを理由に嫌われたかは定かではない。
ただ、仮に個人として嫌われていたとしたらどうだろう。都市伝説を相手に嫌われる。そうと考えたとき、明るい方面に想像が向かうことはない。
「どうした物か」
考えが杞憂であればと思う。
そうして出した結論は、面倒を嫌う彼女らしい。
「……まあ、直接聞けば良いか」
メリーにしても嘘をつくことはないだろう。
一先ず結論を付ける。そして首を左右に振るう。
友の乗ってきた車はどこだろう。
早苗の暮らす部屋から駐車場は離れている。早苗が立つのは、学生向けのマンションである建物の裏だ。近隣にはもう幾つかがあるが、これが一番近い。
しかしあろうことか車が分からない。
どこに停めてあるかさえ定かではなく、それは友が伝える役であっただろうと早苗は嘆息する。辺りを見回し、それらしき人を見つけようとする。
「お姉さん、何をしているんですか?」
そして見つけられた。




