2.6
「ところで、何の用があってここに?」
「あれ、お母さんから聞きませんでしたか?」
「聞いていないね」
「それじゃあ忘れていたのかな」
友は不思議気に言う。
聞かされる早苗の表情は、不安げだ。
「今年は受験があるの」
「へえ、もうそんな年齢か」
「そうは言っても二つしか変わらないよ」
「会っていないと自分だけが歳をとったように感じてね。それで、どこを受けるつもりなのかな」
「お姉さんと同じですよ」
「それはまた。同じ学年にならないように、気を付けなければなあ」
呑気に言う早苗に、友は言葉を続けた。
だからですね、そう言って続けられる言葉により、此処に来た理由が説明される。
「オープンキャンパスとか、そうした物の間、泊まらせて貰うことなっていたんだけどね」
「母さんから、と云うのはこのことか。……それは、今日からかな?」
「そうですね」
「そう」
どうした物か。早苗は天井を見上げ、メリーについて悩む。
友を泊めている間、メリーとどう接した物だろうか。まさか構わないわけにもいくまい。なにをされるかなどわかった物ではないし、だからと云って簡単に構うと決めることは出来ない。
となれば、友を泊めないことになる。が、断るだけの理由を説明することは出来ない。
結果早苗は了承する。
「ただ、準備をしていないから少し待って貰えるかな?」
「ええ、構いませんよ」
外で待っている、と友は言う。
友は母親と来ていた。町の様子を見て回ることを兼ねて来たということだが、ホテルに泊まることはせず、友は早苗の部屋へと泊まって行く。すると母親はどうするのか、家に帰ると言う。
「どうして?」
「久しぶりにお姉さんに会いたいなって」
そうして、恥ずかしそうに言う。




