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やよい

〈答え合わせ〉


僕が飛び降りたら


君は笑ってくれるだろうか


それとも泣くだろうか


君の答えを僕は知り得ない


僕はいなくなることしか答え合わせの方法が分からない


僕は君に嘘をついた


君は真実に気づいていただろうか


きみがすき


届かない言葉が風に編まれた



〈体調不良〉


視界がぼやける


立っていられない


息が苦しくなる


はぁはぁはぁ


気持ち悪い頭いたいお腹いたいくらくらする吐きそう横になりたい頭が重いつらいつらいつらい



ーーはやく楽になれたらいいのに



〈日本画〉


ライトが当たるときらきらと光る


その絵の具には宝石が入ってるんだって


絵師さんがその人物を輝かせる


いのちを吹き込んでゆく


魔法みたいに何の迷いもなくおどる筆


唯一無二の色が無を彩る


僕も何かを輝かすことができるかな



〈生〉


採血の日


血が自分の身体を流れている感覚がきもちわるい


脈がうっているのもイライラする


僕は自分が大嫌いだ


早く死ねばいいと思う


だから生きている感覚がするものが嫌い


でも君の冷たい手を


僕が温めることができるのはうれしい


どうか君のいのちが僕より先につきませんように



〈灯台の守り人〉


君は優しい


泣きたくなるほど優しい


でも優しい人は守りがうすい


悪い人が攻撃してきたら


すぐに傷ついてしまう


僕は傷の絆創膏を貼れるようになりたい


涙を流しているならば涙を拭えるようになりたい


僕は君みたいに優しくないから


すごく不器用だけど


君が笑っていられるように


君が傷で立ち止まってしまわぬように


君の手を握って光のほうへと導きたい


君が君らしくいられますように



〈ブランケット症候群〉


君はタオルがないと寝られない


タオルを口元にぎゅっと持ってて離さない


子どもっぽくてかわいい


いじわるしたくなってタオルをちょっと引っ張る


すごい力で引っ張られた


やっぱりタオルがないと不安なのかな


僕に依存してくれたらいいのにと欲が出る


ないと寝られない


そんなタオルみたいな存在になれたら


僕は安心して寝られるのにな



〈低血圧〉


君は朝に弱い


起きあがろうとすると顔をしかめて


気持ち悪い


また倒れる


寝っ転がってると元気なのにねぇ


頭をなでなでする


気持ちよさそうに目を細める


君が元気なのが一番だから


まだ起きなくていいよ


怠けじゃないからね


君の個性だから


焦らなくていいんだよ



〈わたしの居場所〉


急にみんなと違う世界に行っちゃった


びっくりしてたらみんなが私の家に集まってきた


みんなで一緒にご飯を食べている


楽しそう


わたしもまぜてほしいな


でも私の言葉はみんなに聞こえない


夜になったら家族が何かを取り囲んで寝ていた


なんだろうと思ったけど寂しいから近くで寝た


翌朝になって家族についていくと


わたしは棺の中に入っていた


みんながわたしを見て泣いていた


わたしは、



わたしはしあわせだったのだろうか



〈お母さんの手〉


わたしが寝ていると


お母さんが頭をふわりふわりと撫でてくれる


わたしを安心させてくれる手


幸せな時間


泣きそうになる


明日この手がなくなってしまわないかな


この手がなくなってしまったら


ぼくはどうやって生きたらいいのだろう



〈僕の夢〉


自分の足で歩くこと


自分の手で食事をすること


自分の口で話すこと


薬なしで寝ること


自分で学校に行くこと


君の隣に立つための僕の夢



〈愛して〉


僕は時間を操る魔法を持ってる


みんながのどから手が出るほど欲しがる魔法


その上生まれつき戦闘魔法もうまく使いこなせた


大きくなるにつれて怖がられるようになった


だから僕はずっと()()()()()()()()()


いつになったら本当の年齢になれるのだろう


僕はこんな魔法いらなかった



〈足あとをたどって〉


僕はあなたみたいにはなれない


優しくて


仕事もできて


みんなから好かれて


あなたが僕の前から姿を消すとき


あなたは


ーくんならできるよ、がんばって


と言った


僕はずっとあなたが憧れだった


あなたみたいになりたかった


でもやっぱりできないや


あなたはあなたで


僕は僕にしかなれないんだ


何もない空白が頭に浮かぶ


僕はだれ?



〈偽笑〉


君が笑っていられるならそれでよかった


自分がどれだけいじめられようとも


世界で一番愛してる君が笑顔なら


それでよかったのに


のに


君は僕の前で泣いた


僕は今まで君を傷つけてしまっていたのだと悟った


僕はもう君に会うことは出来ない


だいきらい


そう言いながら君は抱きしめてくれる


僕は優しい君と一緒にいていいのだろうか



〈ゆっくり〉


無理に学校にいかなくてもいいよ


体育の試合で負けたっていいよ


数学の問題で一番に解けなくてもいいよ


今日はゆっくりな日だからね


相手が悪かっただけだよ


僕たちはゆっくり生きるんだよ



〈今日〉


明日があるって思い込まないほうがいいよ


いつも見ている景色は


今日で最後かもしれない


明日君と会えるかなんて


誰にもわからない


そんな中で


僕たちは寂しさを抱えながらも


嬉しさを噛み締めながら生きていこうね


明日も君に会えますように



〈不磨の忠誠〉


あなたが笑うのならば僕も笑いましょう


あなたが泣くのならば僕も泣きましょう


あなたが怒るのならば僕も怒りましょう


あなたを傷つける者がいれば消して参りましょう


僕はあなたに命を捧げます


それほどまでにあなたを愛しているのです


だからどうか、



どうか死なないでください



〈烏の涙〉


あなたの後ろに黒いものが広がってゆく


何だか嫌な予感がして


消そうと手で擦る


少し消えたがまた元に戻る


なんとか消そうと


擦って


擦って


擦った



ーーもういいよ


ぼくの手は真っ赤だった



〈祈りの(ことば)


神様


お願いします


君が元気に僕のもとへ帰ってきますように


神様


お願いします


君が傷つけられませんように


神様


どうか


どうか


祈りが溢れる



ーー「いってらっしゃい」



〈消えゆく灯火〉


車窓から見える


いつも見る景色


遠ざかってゆく


あぁわたしはいくのだな


わたしの過去の過ちに決着をつけなければ


わたしには守るものがある


結ばれた赤い糸をたち切らねば


君が自分を傷つけないように



〈彼岸花の花束〉


君の背中が遠ざかる


君と最後に話した言葉はなんだろう


君と最後に手を繋いだのはいつだろう


君がいなくなってしまうかもしれない恐怖に怯えながら


その背中を見送る



時計をちらちら見ながら


真逆の感情を抱え君からの返信を待つ


既読がついた


まだ君は生きている


既読がついた


まだ君は生きている


その繰り返し


いつ既読がつかなくなってしまうのだろう


既読がつかなくなったら


いつかまた君に会える



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