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第八章 真実の告白
ステリアは王城の前に立った。
赤い雨の中、血を流しながら。
「私は悪役なんかじゃない! 私はこの国を守るために三百年も続く呪いを背負ってきた! 貴方達
が憎んだこの手はずっと、貴方達の命を守ってきた!」
彼女の言葉は風に消えたように聞こえなかった。
だがオーギャストだけはその言葉を聞き届け、信じていた。
彼は古文書を持ち出し、民に真実を叫ぶ。
「彼女は聖女だ! 彼女がいなければこの国はとっくに滅んでいた!」
人々は戸惑った。
クララも目を見開く。
「……私……彼女の犠牲の上に、崇められていたの?」