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第七章 追放と反乱
とうとうステリアは王都から追われる事となる。
民は喜び、クララは悲しみながらも『仕方ない』と言った。
しかし、彼女が去ったその夜──赤い月が再び現れ、赤い雨が降り始める。
「黒蝕病が……再発した!」
人々は狂い、街は混乱に陥った。
クララは必死に祈るが神の力は彼女の光を跳ね返す。
「なぜ……私の祈りが届かないの?」
一方、追放されたステリアは荒野の廃墟で倒れていた。
体中が裂けるように痛む。
神が封印の喪失に怒っている。
「……まだ、終わりじゃない」
彼女は最後の力を振り絞り、王都へと歩き出した。