第五話 服
「ご、ごめん! クルーウェ…」
「アルトお兄さんの変態!!」
クルーウェルにぶたれた。ごめん、クルーウェル。
クルーウェルは俺をぶったあと、部屋を飛び出していった。アルマやほかに集まってきたやつらも、いつの間にか部屋からは出ていっていた。
ふたりきりになった。とりあえず俺はヴェルハに服の所在を聞いた。
「ヴェルハ、俺の服は?」
「ああ確かここに… って服がない!?」
服が… ないだと!?
「ふざけんなよ!! 俺、このままだと帰れないじゃないか!!」
「と、とりあえず俺様のマントを被っていろ。予備の服を持ってくる」
マント、とか言ってたけど、これマントじゃないよな? 布面積的にポンチョじゃん。
数分後、ばたばたとヴェルハは戻ってきた。戻ってきたんだが…
「手に持っているそれはなんだ?」
「あー、えっと… すまない。これしかなかったのだ…」
ヴェルハが手に持っていたのは、フリフリのドレスと、女物の下着だった。
「俺にどうしろっていうんだ!! こんなもの着れるか!! 第一、肩幅とかガタイとか考えたら入んないし、ぱ、パンツだって、そんなもの穿けねえぞ!!」
「あ!」
なにかを思い出したようにヴェルハは言う。
嫌な予感がする!!
「そうだアルト君、アルトちゃんになるってのはどうだ? なに、また少し目を瞑っているだけでいい。女の姿になれば、ドレスだって問題ないだろう?」
俺の想像と同じ答えが返ってきた。ふざけるなよ。
「嫌に決まってるだろ!!」
「それともこのまま裸でいるのか? 俺様のマントは布面積が少ないから、床に座り込んでる今のお前の身体はギリギリ隠されているが、一回立ってみろ。上を隠せば下がモロで見え、下を隠せば上が見える。そんな兄貴の姿を見たらアルマはどう思うだろうなあ?」
アルマを引き合いに出すとは、卑怯な奴め! …まあ、背に腹は代えられないか。
「…目を瞑っている。早くやれ」
「そうこなくっちゃな! 素早く終わらせてやる」
合図がされたのは数秒後だった。
「アルトちゃん、ピッタリだな」
「…最悪としか言えない」
「まあ、また同じセーラー服を探してきてやるから、それまで我慢してろ」
セーラー服と聞いて、訊いておかなければならないことを思い出した。
「それなんだが」
「なんだ?」
「今までとは違う系統の服も欲しい」
「わかったよ。これは俺様の責任だしな。よさそうなのを見繕ってこよう」
「頼んだぞ」
俺はヴェルハと別れ、広間に向かった。
あとがき
ヴェルハ君のマントは縦50cm前後で、とてもアルトの身体は隠せません。
横にすればいい? そんなのしたら前は隠せても後ろがね…




