第十四話 手
エターナル君は悲しむかもしれない。アルマだって、文句を言うかもしれない。
それでもいい。俺は、強くなって、エターナル君とアルマを守るんだ。
葛藤しながら俺は、朝からエターナル君の元へと赴いた。
ノックして、返事を待ってから、静かに扉を開けた。
「エターナル君」
「アルト、どうした?」
話しかけるとベッドから立ち上がり、嬉しそうな顔をして俺を見るエターナル君。笑うとさらに天使のようで、今からこの顔を歪めてしまうと考えると心が痛む。
俺は、まっすぐエターナル君を見て、言った。
「…アルマを頼んだ」
「アルトは、どうするんだ」
「外で狩りをして、強くなりたいんだ」
「…帰ってきては、くれないのか?」
「17になったら、エターナル君の元に戻る。それまで、待っていてくれないか?」
エターナル君の目が涙で滲む。俺は、自分の気持ちを抑えられなかった。
「アル… ト?」
「戻るまで、また一緒に遊ぼう?」
「…ああ」
エターナル君は、ずっと手を離さなかった。俺はずっと出ていかずに、このままエターナル君を抱きしめていたいと思った。
ただ幸せを噛み締めていたとき、知らない女の人の声と共に、部屋の扉は開けられた。
「エターナル様、朝ごは… 失礼しました」
「大丈夫、すぐに行くから支度をしておいてくれ」
「わかりました… 冷めてしまうのでお早めに」
「ありがとう」
彼女が部屋をあとにしてから、俺はエターナル君に質問した。
「彼女は?」
「メイドだ。ヴェルハが家の警備に使えって」
「そんな荒事、できるのか?」
「彼女は戦闘用メイドだ。他と比べるとメイドとしての能力は若干目劣りするが、戦闘においてはヴェルハの神力を多めに持っているから、そこらの魔獣が来たくらいじゃ死なないよ」
「そうなんだな。エターナル君、そろそろ行こう」
「少し着替えてから行くとしよう」
「それなら俺はもう行っておくぞ?」
「いい。一緒に食堂に行きたいから、ここに居て」
肯定すると、エターナル君はクローゼットを開けて適当に服を選んで取り出した。といっても、エターナル君が持っている服はすべて高級品だ。どれを選んでも、優美であることには変わらないだろう。
エターナル君はまるでネグリジェのようなパジャマを脱ぐと適当に選んだ服をぱっと着て、俺の前まで戻ってきた。
「アルト、行こう」
エターナル君は俺の手を引いて、食堂へと向かった。向かう途中でアルマが来て、エターナル君は気まずそうに手を離した。
手くらい繋いだままでもいいのに…
「エターナル様、アルト様、アルマ様。こちらです」
さっきのメイドさんに案内されて俺達は席についた。
うらばなし
エターナル君は、ずっと〜 の段落のところ、もともとは「このままエターナル君を抱いていたいと思った」と書くつもりだったが、人によって解釈が分かれると思った作者は書き直した… らしいですよ!




