第十二話 魔力
「アルマ!」
俺の声を聞きつけたエターナル君が俺のもとへと駆け寄ってくる。
「エターナル君、アルマがいない!」
「アルト、地面にいるよ。下を見て」
そう言われ地面を見てみると、アルマがうつ伏せで地面に這いつくばっている。
「大丈夫か、アルマ!」
「……」
反応がない。アルマの身に一体何が起こった…? ほとんど使ったことないけど、あの魔法を試してみよう。
――かの者を見透かし天眼よ、魔力の奔流を感じよ!
【エクスキャン】
「…何も見えないな」
もう少し魔力を込めてみよう。ほとんど魔力を使わずにしたから見えないのかもしれない。
「見える、見えるんだが…」
少し魔力を込めた結果、俺はアルマの身に何かが起こっていることはわかったのだが、詳細はぼんやりとしていてはっきりとしない。うつ伏せだったアルマを仰向けにしてもう一度試したが、まだぼんやりとしている。
「なんで、見えないんだ…?」
「どうした、アルト」
「エクスキャンを使ってアルマが今どうなっているのかを見てみたかったんだが、なんかぼんやりしてるんだ」
「ぼんやり…?」
さらに魔力をつぎ込んでみればもっと見えるだろうかと思い、もっと魔力を注いで、見てみようと思った。消費魔力量を増やせば増やすほど、何故かアルマの顔色がよくなっていき、ぼんやりとしていたものが、はっきりとしていく。水の流れのようにアルマの身体中を魔力が駆け巡っているのが見える。
「アルト」
「どうした、エターナル君」
「おそらくアルマは、ただの魔力切れだ。魔力を分け与えてあげれば元気になるよ」
魔力がそもそもなかったから最初になにも見えなかったのか! んで、もやもやは魔力量が少ない時ってことか!
頭の中の霧が晴れたような、そんな気持ちで俺はアルマの首筋へと手を当てる。
血液同様、魔力が多く流れるのは首だ。少し力を込めたらぽっきりと折れてしまいそうなその首へと、俺は魔力を送り込む。
「俺も手伝おうか? アルト」
「頼む」
ちょっと心配だったからエターナル君に頼んでみたが、エターナル君はアルマに魔力を分け与え始めて数秒で息が荒くなった。そういえば彼はさっきまであの変態と魔法を使って戦っていたんだ。絶好調ってわけじゃないだろう。
「エターナル君! やっぱり休んだほうがいい! さっきの戦いで消耗している今、さらに魔力を使ったら危ない!」
「いや、さっきの戦いでは全然消耗してない! ただ…」
あの威力の魔法を放ってなお、全然消耗してない… のか! 流石エターナル君だ!
「ただ?」
「アルマの魔力総量が多すぎて、俺の魔力量じゃ足りないんだ!」
あとがき
エターナル君がラストと戦ったときに使った魔力量は、魔力総量の1%にも及ばない。




