第十一話 愛
「え?」
エターナル君が… 原初の魔族? 言われてみればヴェルハの趣味に当てはまるが…!
「お兄ちゃんは気づいてなかったの!? あんだけガン見してたのに!?」
「てっきり天使かと思ってたんだ!」
「アルトたちは下がってて」
エターナル君に言われたら逆らえない… とりあえずアルマを守りながら、下がった。
「そろそろ俺の家に来るのはやめてくれないかな」
「いやだ! エターナル、そろそろ僕の気持ちを受け止めてよ!! これで百回目だよ?」
エターナル君とラスト(だったような気がする)の元へと魔力が収束していく。空気中の魔力が濃くなっていく。流れ弾があったら間違いなく、無事では済まない!
俺だけの力じゃこんなの防ぎきれない! アルマの力も借りよう。
「アルマ!」
「わかってる! 魔力、断絶!」
【フルブレード・エレメントリカバリー】
【アークリフレクト・サンクチュアリ】
どんどんと目の前の彼らへ、魔力が集まっていくのを肌で感じる。どんな強さだ! あんなもの、相手がたとえ神力が宿っている原初の魔族であっても、撃っていいものじゃない!
「今日こそは息の根を止めてやる、覚悟しろ! ラスト!」
「人間がいる限り、僕は死なないよ、エターナル! さあ愛を受けとめて!!」
【ハイドロソード・フルグラビティ】
【チャームアイ・パッショナルアイ】
エターナル君の背後の魔法陣からは魔力でできた水剣が、ラストの背後の魔法陣からは大小さまざまなハート型の魔力が、それぞれ相手に向かって飛んでいく。
「黙れ、お前の愛なんか、いらない!」
「そんなつれないこといわないでよ、僕のどこが不満なの? どこでも治すからさ!」
「お前なんかよりいい奴が、今いるんだ!」
若干エターナル君のほうが不利な気がしたが、エターナル君がそう言った瞬間、ラストが放った魔力のハートがエターナル君の水剣によって切り裂かれていく。切り裂かれなかったハートが何故か俺たちのほうへと向かっている気がする。
【アークリフレクト】
どうにか魔法が発動して難を逃れた。リフレクトによって跳ね返されたハートはラストのほうへと帰っていった。
「はは、そうか…」
ラストはそう言うと魔力のハートをすべて消滅させた。濃くなった魔力がいつも通りの濃さに戻るのを感じる。
「エターナル、そいつと、幸せになってね。僕は応援しているよ」
「急になんだ! あんなに執着しておいて、なんでそんなにあっさりなんだ?」
「僕はエターナルが幸せになればそれでいいんだ。また逢おう、エターナル」
フラれてなお、エターナル君の幸せを願うとは… いい奴じゃん。
「お前、いい奴だな!」
「そうかな? ありがとう」
ラストはどこかへと飛んでいった。
俺はアルマと無事を喜び合おうと振り向いたが、そこにアルマはいなかった。
「…アルマ?」
あとがき
ラスト君は、あのラスト君です。




