第十話 城?
アルマ視点
うう、流石にお腹がすいたなあ… もうちょっと寝ていたい気分だけど…
「お兄ちゃん、焼いたお肉置いていてくれてたんだ… ちょっと炙って食べよう」
「いただきます」
火魔法でちょっと表面をカリッとさせてから食べた。焦げてるくらいがちょうどいい気がする。
お肉にかぶりついていたとき、遠くから何かが飛んでくる。白い?
そんなことよりもお腹が空いた。というかこのお肉、美味しい。なんの魔物だったか忘れちゃったなぁ…
「あああああ!!」
「煩い」
【サイレンス・プロテクト】
耳が壊れそうだった。危ない危ない。そんなことより、このお肉美味しい。
「ごちそうさま」
ちょうど食べ終わったとき、目の前にはお兄ちゃんと、昨日のエターナルって子がいた。
「どうしたの? お兄ちゃん、エターナルさんと遊ぶんじゃなかったの?」
「アルマ、聞いてくれ!」
「なに?」
「洞窟生活からおさらばできるぞ!!!」
洞窟生活から、おさらば? なにそれ、お兄ちゃん、夢でも見てるの?
「え?」
「エターナル君が住まわしてくれるって!!」
「は? 本当なの?」
「うん。俺の家、広いから、寂しいんだ」
数分後。
詳細を聞かされた。どうやら本当らしい。広くて寂しいって、どんなに広いお家なんだろう。城とか出てきたりして…
アルト視点
「ってことでアルマ、引っ越しだ」
「このお肉は?」
俺が「魔法で浮かして持っていく」と言おうとしたとき、エターナル君が口を開いた。
「俺が持っていく。これくらい、問題ない」
「何から何まで、ありがとう」
「大丈夫だよ」
本当に大丈夫なんだろうか… と思っていたが、軽々と肉たちを魔法で浮き上がらせた。
「じゃあ行こう。ついてきて」
エターナル君について飛んでいくと、やがて超絶デカい城が見えてきた。デカい、と言ってもヴェルハの神殿と比べたら小さいが。「住宅」というカテゴリーで言ったら、超絶デカいから、デカいでいいだろう。
「ここだよ、アルト、アルマ」
やっぱりこのデカい城か。近くに寄るとよりデカさが際立つな…
正門から家へ入ろうとしたとき、エターナル君が声を上げた。
「伏せて!」
風魔法で言葉の通り、地面に伏せられた。とっさに発動した魔法の割にはずいぶんと調節がされていて、額が直接地面に当たる形になったのだが、額には傷ひとつついていない。
「またお前か、諦めて帰れ!」
「嫌だよ、エターナル! そんなに帰ってほしいんだったら追い払ってみて!」
なんだあれは。俺より髪が長い男がエターナル君に詰め寄っている。
「エターナル君、彼は?」
「ただの変態だ」
「変態だなんて、ひどいよ! 僕にはラストって名前があるというのに!」
見るからに、原初の魔族だ。だが、俺達と何かが違う。原初の魔族は、ヴェルハに作りだされて、ヴェルハの神の力を注ぎこまれた神の人形。エターナル君はそんなゲテモノと戦えるのか…?
「エターナル君!」
「見くびらないで。俺だって、原初の魔族なのだから」
「…え?」
あとがき
アルマが美味しそうに頬張っていた「美味しいお肉」は、人間界にあるもので例えると「黒毛和牛」です。
そりゃあ美味しいよね。




