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ハルモニア ~神の用意した脚本を完遂しないと死ぬらしいので、全力でふざける~  作者: 慈雨の羽
第四章『目眩く舞台には、華々しいスポットライトを』
40/41

エピローグ『カーテンコール』

1309字

「……やあテレジア!」

暗いトンネルの中を歩いていると、闇の中に立つエリカと会った。

「エリカ?」

「ハルモニアはどうだったテレジア?もうあそこは壊れちゃったけど、君に良い経験を提供できたなら嬉しいな!」

「……悪い、アメリアは?」

「ん?あぁ、彼女なら向こうにいるよ。」

エリカは俺の後ろを指さす。振り向くと、トンネルの果てが見えた。光の向こうから、無数の人影が手を振っている。

「彼らは……?」

「あの人影はね、ハルモニアに来てくれたゲストたちだよ!アメリアの他にアザリアもフランネルもいる。」

「……一緒に行こうエリカ。」

「いや、君は逆側を行くんだよ。」

淡々と吐き捨てられ、ちょっと悲しかった?

「え?」

「あの光の先はね、()()()なんだよ。現実世界の君は生きてる。だから、逆側に行って現実世界で生命活動を再開するんだ。」

「そんな……でも俺たち家族じゃないか!」

必死に叫ぶ。エリカは衝撃を受けたように息を吸った。彼女の手には、大きな雑誌が握られている。

「えーっと……なんというか……本当に、そう思ってくれるの?」

「は?」

「私、あなたたちに酷いことしちゃった。なのに()()としてあなたはハルモニアの遺物を愛してくれるの?」

「当たり前じゃないか。」

そう言い切る。すると彼女は……照れくさそうに笑った。もう、かつての威厳らしいものを感じない。今のエリカは、ただの平凡な女の子だった。

「私ね、ずっと暗い病室で過ごしてきたの。だから死後にハルモニアを創造する時、似たような境遇で苦しむ子供達を集めて不滅の楽園を作りたいって願ったのね。でもその願いが、叶ってよかった……。」

「……君たちは、この後どうするの?」

「あの世に行って、新しい楽園を再建する。」

「新しい楽園?」

「名前も決めてあるのよ!」

彼女はこっそり俺にその名前を教えてくれた。ハルモニアも好きだけど、この言葉の響きも結構好きだ。

「新しい楽園は、どんなものにするの?」

「誰も脚本なんかに縛られず、アドリブの舞台で踊れるの。個人の夢を楽園で尊重し、誰も夢を諦めないで済むような……自由の世界を作る。」

「じゃあ、その楽園再建に俺も協力させてよ。」

「え?でも……」

()()、だろ?」

そう呟くと……彼女は、可愛らしい笑顔の花を咲かせた。

「うん!」

手を取って、俺たちは人影の立つ光の方へ歩みを進めた。






















































≪あなたが吸う空気は誰が織っていると思う?


まばゆい光のメリーゴーランド

宙に舞うリボンのような観覧車

夢を運ぶティーカップの影

ここは終わらない幸せの国


微かな笑い声が風に溶け 甘い綿菓子の雲が漂う

世界はきらめく約束の中で 迷子になることさえ許される


時計の針はとうに忘れ 昨日も明日も輝く今日になる

この空の向こうに輝く景色は 誰かが紡いだ夢の織物


さあ 目を閉じて息を吸おう

胸の奥まで満たされる奇跡

永遠にほどけない魔法の中で 私たちはずっと遊んでいよう≫

「ハルモニア ~神の用意した脚本を完遂しないと死ぬらしいので、全力でふざける~」完

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