27お掃除
第一章
お掃除
とりあえず森から魔物が溢れて村や周辺地域が襲われないように浅い層を満遍なく狩り続ける。
途中から気づいたが魔装化した顕現武器で敵を倒した後に魔石に突き刺せば吸収もできるようだ。
右手に剣を左手に槍を出して、右手で処理をして左手で魔石に向かって突き刺すという事を繰り返していく。
一度顕現させると魔力の消費は止まるようだが、他にも魔力の消費量を増やせば大剣にもなるし、短剣にもなるようだ。
ここに相乗効果が乗ってくる。
婆やから貰った指輪の効果が乗っているのだ。指輪に魔力を込めたわけではないが魔装に使ったのが魔力を込めた判定になって通常よりも切れ味が増している。
これには、指輪の効果ってどうなんだろう?と指輪をはずした状態での第二の剣と指輪をつけた状態での第二の剣、指輪をつけた状態で指輪にも魔力を込めた状態の3つで比べた時2つ目と3つ目があまり変わらなかった事から気づいた。
そうこう考えている内にある程度の数を狩り終えたのでステータスを見て見ると魔槍顕現のレベルが上がっていた。
スキル
ユニーク 心装顕現 lv2 (60/1200)
ボーナス 2種同時顕現 心装魔化(魔装)
ツリー表記
心装顕現→魔槍顕現lv2(13/200)
原初の槍lv2(5/200)
第二の槍
ボーナス ◯第二
(槍)スキル習熟度up(極小)new!
「なんだ、この森の雰囲気は…。いつもよりも重苦しく魔物達が怯えて興奮しているのが伝わってくる…。」
魔槍の効果に喜ぶことは喜んでいたがそれ以上にこの環境の異様さに気圧されていた。
「とりあえずは戦い方を変えるか…」
今レベルが上がっていないのは弓と斧だ。
弓に関しては使い方が分からないこともあって練習すらしていなかった。
だが、魔装化ができるようになって話が変わった。
しっかりと弓を引く動作ができなくてもなんちゃって弓の使い方で魔法の矢を飛ばせるようになったのだ。
と言うことで、安全のために邪魔にならないくらいの小盾を右手につけ左手で弓を持つ。
右手に盾を持つことで左手の弓への負担を減らしているつもりだ。
「よっしゃ!いくか!」
自分に喝を入れるつもりで声を出して駆け出し始めた。
魔力探知を常時ONにし続けて引っかかった瞬間に水の矢を発射する。
矢のイメージは鉄砲水のイメージで指輪の力もお借りして木の幹があっても構わずぶち抜いていく。
これが中々に爽快感があり楽しい。勿論、ベア系統には貫通できずに弾かれたりウルフ系には避けられたりする事もあるが大体が遠距離からワンパンである。
そして、倒しきれなかった奴も気づかず2射目の魔力を多く込めた矢で倒される。
不意をつかれることはほぼ無いが、近づかれた相手には弓を消して片手で持てるくらいの斧を顕現させ一撃のカウンターで沈めていった。
斧で戦う時は相手の攻撃に被せて相手の攻撃ごと叩き潰すような戦闘スタイルになっていた。
浅い層の掃除を無心で続けていると日が暮れそうになってきた。なので、一旦帰って休息を取ることにして小屋へと戻る。
「はぁ、やってもやっても減っている気がしないぞ…。勿論マシになってきたけどいつもよりも少し多いくらいだ。」
愚痴を垂れながら小屋に入る前に身綺麗にしていると異様なプレッシャーが森の奥から飛んできた。
「なんだ!」
脱いでいた鎧はそのままに盾と剣を顕現させて警戒する。
だがうんともすんとも魔力探知には引っかから無い。ふと、何かが聞こえ耳を澄ましていると
グルぅぅぅぅぅぅぅうううう
全く聞いたことのない強大さだけが伝わってくる遠吠えが聞こえてきた。
「…ヤバイヤバイヤバイ。どんだけヤバいかっていうと父さんがいても足がすくむレベルでヤバイ!」
「どうする…?ここで一旦引くか…?」
数瞬か、はたまた数分か、もしくは1時間以上か重い空気の中考えを纏める。
「いや、ここで逃げても状況は変わらない。原因を突き止めるんだ!」
気合いを入れ直すとすぐに向かうようなことはせず体を休めようと元々用意していた備蓄食料を体に詰め込み、泥のように眠った。
次の日の早朝特に襲われる事もなくゆっくりと休めたエルはストレッチをして体をほぐして今日の狩りに備える。
昨日からのプレッシャーはまだ続いている。今日の目的はこのプレッシャーを放っているナニカを確認する事と未だにら出会った事のないであろう強敵、下層の敵を屠っていく事だ。
今日の戦い方は昨日と同じで殲滅速度と効率を極めていくか。下層の敵と戦う時はできるなら遠距離で戦う方が安全だろう。
ツラツラとそんな事を考えながら昨日狩りをした範囲を探知するとポツポツと敵が存在するものの普段と同じくらいになっていた。
その分中層あたりに今まで出会った事ないような魔力を持つ敵がゴロゴロとしていた。
まずは午前中に小屋周りの中層魔物を狩り昼から中層だ。




