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悪役?ライバル?に転生〜器用貧乏型が知識と努力で運命を切り開く〜  作者: ヒバリ


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24依頼の内容

         第一章

        依頼の内容


sideアルス


 「あー、単刀直入に言うとな、王都から聖女候補の方がこちらに来られる。その方の護衛にお前がついてほしいのだ。」


 「聖女候補ぉー?何でそんな人がこんな辺鄙なところまで来るんだよ。」


 「さっきお前が言っていたことに関係しているのだがな。魔物が活性化している原因に魔王関連のモノがあるかもしれん。

 そうなると対処できるのは光や聖の属性を持つものだけだ。後はわかるだろう?」


 「なるほどな…。それでその聖女候補様は何処のどなたな訳で?」


 「下手に広められると困るがここのメンバーならば大丈夫だろう。第1王女様だよ。」


 「…はぁ、そりゃ俺が呼ばれる訳だ。だが俺にアトラ様の相手が務まると思うか?俺ができるのは魔物を退けるくらいだぞ?」


 アトラ・キングス・ラグーレ

 ラグーレ王国の第一王女である彼女は癒しの使い手として名を馳せている。


 「それで構わんさ。王女様の世話役は付いてくるし、彼女の対応をするのは…」


 ゼファールが言い切る前にシャレムが口を開く。


 「私ですわね。ここで話を聞かせても良かったと言う事は私も関係者になると言う事、それならばわかりやすいですわ。」


 「まぁ、そうだな。と言う訳だが頼めるか?」


 「分かったよ。それで魔境の森が大人しくなる可能性があるならしっかりとやらせて貰うさ。それに、領地には頼りになる息子を置いてきたからな。」


 「あら、アルス様の息子様ですか?やはりお強いので?」


 「ええ、親の贔屓目を抜きにしてもあれは傑物ですね。8歳にして既に中級上位相当の魔物を単独で撃破しております。」


 「なんと!」


 中級上位相当といえばベテラン一歩手前という事、そのレベルまで到達している8歳など王都にいる剣神など一部のもの達くらいだと思われる。


 「お前が嘘をつくとは思えないが信じられないくらい凄いな。お前とお前の息子がいればこの国はまだまだ安泰かもしれんな。」


 ゼファール達とは息子を話のネタに様々なことを話して時間を過ごしていた。

 その中でシャレムは自分と同じような年代で活躍するエルに対して密かに興味を持ち始めていた。


〜〜〜


sideアトラ


 「お嬢様、お時間にございます。」


 いつも支えてくれているメイドが呼び出す。今日は領内で起こっている不可解な問題に対して対処するために私が派遣される日。

 大袈裟に王都では色んなことを言っているけれど実際は魔力溜まりを祓うだけの簡単なお仕事。

 勿論大事な役目だとは分かっているけれど、国王に仕える精鋭の近衛師団1000から100も借りて万が一があるはずもない。

 些か退屈さを感じながらも必要なことだと割り切り王女の仮面を被る気持ちでリセットする。


 ガチャッ!


 重厚な扉が開くに相応しい低く大きな音が響いて父である王へと続く道が開かれる。

 拍手喝采が鳴り響く中、心は空っぽにして薄っぺらい笑みを浮かべて歩く。

 

 「王女様ー!」


 「頑張って下さいませ!」


 わざとらしい喜び方。本気で拍手をしてくれている人は何人居るのだろうか。

 そんなことをおくびにも出さず父の前までくる。

 父が手を挙げるとサッと拍手が止み厳粛な雰囲気が醸し出される。


 「我が娘、アトラ・キングス・ラグーレに命ずる。我の名代として西にある魔境の森へと向かい問題を解決してくるのだ!」


 「はっ!全身全霊を持って民の安寧を取り戻して参ります!」


 先ほど止んでいた拍手が再度起きる。

 普通だったらここで気分が高揚してやる気も出るのだろうが何とも感じない。

 父や母は本気で心配している。その心配を拭うためにも笑顔を貼り付ける。


 聖女候補であるアトラは過保護に育てられ、秘められたる力は大きいもの、またそれを自覚できるほどの知能もあった。

 それが彼女の見る世界を灰色にしていたのだった。




〜〜〜


side???


 魔境の森は元々魔王の領地に近いこともあって魔物が多く強かった。そこに存在する魔物達は互いに互いを襲い野生よりも酷い弱肉強食を体現していた。

 彼らは自分こそがこの場の支配者だ。1番なんだと森の王を目指していた。だが、そんな彼らが本能的に恐怖を感じていた。

 実際ほとんどの逃げ去ってしまいたいと森の外へと向かって移動していた。

 

 そんな中1人の男が森の中心で何かをしていた。ポトリと手に持った魔石を模様が描かれた地面に落とすと音もなく闇の中へと消え去っていた。

 地面に落とされたソレは地面に不可解なほどスッと沈み込み、魔法陣は見るものを遠ざけるような禍々しい雰囲気を醸し出しながら赤黒く輝いていた。

 その様子を見ていたローブを被った人物は口元に悪趣味な程に口角が釣り上がった笑みを浮かべながらスッと姿を暗闇に消した。


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