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追放されたが、それでも収縮拡張スキルで英雄へと駆け上がる  作者: うっちー(羽智 遊紀)


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ギルドに戻ってきたレリアーノ

「お帰りなさい。無事に戻られたようで何よりです。魔石は無事に収穫できましたか?」


 ギルドに戻ったレリアーノとルクアが最初に話し掛けたのは受付嬢であるクレメンティアであった。


「ええ。なんとか無事に戻って来たわ。ベルトルトは居るかしら? 今回の件で少し話があるの」


「お2人ともご無事に戻られたようでよかったです。それとベルトルト様はいらっしゃいますよ。呼んできますね」


 2人が無事に戻ってきたことに安堵のため息を吐きながらクレメンティアが、ベルトルトはギルド室に居ると答える。


「じゃあお願いね。それと依頼以外の魔石を売りたいんだけど、先に買取カウンターに行ってもいいかしら?」


「ええ。構いませんよ。道中で魔物を倒されたんですね。この時間なら空いていると思いますよ。皆さん依頼を受けて出掛けられたばかりですから。お2人が戻られたことをベルトルト様に伝えてきますね」


 そう言いながら席を立つクレメンティアを見送ると、ルクアはレリアーノを連れて買取カウンターに向かい事務作業をしている担当者に話しかけた。


「すいませーん。魔石と素材を買い取って欲しいんですけど」


「おいおい、いいのかよ? ベルトルトさんに報告してからの方がいいんじゃないのか?」


「いいのよ。ベルトルトから依頼を受けたのは守護者ゴーレムの魔石1個なのよ。他は自由にしていいって言ってたじゃない」


「まあ、そうだけどさ。本当にいいのかな?」


 買取カウンターで魔石を無限収納から出しながらレリアーノのツッコみに答えるルクア。

 ルクアが無限収納を持っていることは内緒にしており、ルクアは革袋をアイテムボックスだとギルドには申請しており、詳細を知っているのはギルドマスターであるベルトルトだけであった。


「いらっしゃい。ルクアさん。レリアーノさん。買取品はこちらにお願いします。け、結構多いですね……」


 手を止めて買取担当者の声に、ルクアは頷きながら革袋から守護者ゴーレム以外の魔石を次々と出していく。

 レリアーノも遺跡で見つけた道具や魔石以外のゴーレムが残した部品をカウンターに置いていく。

 思っていた以上に量がある事に驚いている買取担当者だったが、慌てて増援を呼ぶと後で金額を提示すると告げて奥に入っていった。


「じゃあ、後はベルトルトに呼ばれるまで休憩しておきましょうか」


「そうだな。次の依頼を見ておくのもいいかもな」


「働き者ね。ちょっとは休暇を取ってもいいと思うわよ」


 ルクアの提案にレリアーノは頷きながらも、出来る限り冒険者ランクを上げたいと思っており、ルクアが休暇を選んだとしても自分は依頼を受けるつもりであった。


「まあ、ルクアは魔法職だからな。ゆっくりとして魔力を回復させたらいいよ」


「レリアーノも魔法職と言っていいのよ。両方できる魔法剣士だから、剣で受けられる依頼を考えているんでしょうが、精神的な疲労は溜まっていても気付きにくいし、いざって時の判断力が鈍って危険よ」


「そうなんだろうけどさ。少しでも依頼をこなして評価を上げておきたいんだよ。ルクアに少しでも近づきたいからな」


「気持ちは分かるけど無理はしないようにね」


 レリアーノが自分とのランク差を気にしていることが分かったルクアだったので、それ以上はなにも言わずに自分は席で待っていると食堂に向かって行った。


「よし、依頼を探そう。一人でも受けられる依頼で、それほど時間が掛からないのがいいな。お、これならいいかも。料理補助なら俺のランクで受けられるからな」


 一つ上のランクなら依頼を受けられると、Eランクの依頼書を剥がそうとしたレリアーノに呆れ交じりの声がかかる。


「おいおい。お前はランクCだろう。それは皿洗いがメインの仕事だぞ? よく読めよ。ランクEから受注可能と書いてあるだろう」


「そうだった。俺はCランクになったんだ」


 声を掛けてきたのはレリアーノがギルドに初めてやって来た際にベルトルトと話していたBランク冒険者のフーベルトであった。

 たまたま今日は休暇を取っており、暇なのでギルドに来ていたが、期待の新人と呼ばれているレリアーノが掲示板を眺めているのを見て、なにを受けるか興味を持ったフーベルトが背後から覗き込んでいた。


「お前、本当に期待の新人レリアーノなのか? ベルトルトさんだけでなく大賢者マリウスさんからも推薦状をもらっているんだろ? そんな頼りない奴がCランクなのか疑わしいぞ」


「期待の新人かは知らないが、俺がレリアーノであることは間違いないよ」


「なるほどな。軽く威圧しているのに動じないのは大したもんだ。はっはっは。すまなかったな。試すようなことをして。確かにCランクの実力はあるな。なら、これならどうだ?」


 フーベルトから威圧を受けながら返答をしたレリアーノの胆力に、フーベルトは感心しながら謝罪をすると自分が受けるつもりだった依頼を提示する。


「オオカミ退治?」


「ああ。最近、オオカミが増えてきたらしくってな。ゴブリンジェネラルを討伐できる実力があるなら、これくらいなら大丈夫だろ? 報酬もいいぞ」


 依頼を出しているのが牧場であり、そこで飼われている家畜を狙ってオオカミが増えてきているとの話で、牧場主が高額の依頼料を出したとの事であった。


「どうだ? 明日に出発するが、良かったら俺たちと一緒に行かないか? そっちのお嬢さんも一緒にどうだい?」


「ええ。いいわね。リーダーとして受けさせてもらうわ。ギルドで一番のパーティー『遊撃の射術』を率いているフーベルトさんでよかったわよね?」


 いつの間にか二人の元にやって来ていたルクアに、フーベルトが問い掛けるとルクアは当然とばかりに頷くのだった。

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