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53 拠点を拡張しました

フランの魔法を使って拠点に戻ってきた。

移動魔法はやっぱり便利だ、一瞬で戻ってくることができた。



戦った後に帰ってくるといつもすごく久しぶりな気がしてしまう。




色々あって時間を感じる暇もなかったけど、もうすっかり夜だ。

月明かりが無ければ真っ暗でなにも見えない。



そうだ、ナイナは無事なのか?

俺のいない間に狙われたりしてないよな……



「あっ、みんなおかえりなさい」


俺達が帰ってきた事に気付いてナイナが玄関から出迎えにきた。


ナイナの横にスライムが寄り添っている。


「あれ……ナイナ、スライムのこと苦手だったんじゃ?」


ナイナはスライムを抱き上げて、ほほを頬ずりをした。


「ふふ、最初は怖いと思ってたんですけど、一緒にいたら可愛くなっちゃって、そんなことより、ヤヨイは……」


質問の途中でナイナは俺の後ろにいるヤヨイを見つけたようだ。


「よかった……無事だったんですね」


ナイナの目は潤んでいた。


「ただいま、ナイナおねぇちゃん! ヤヨイおねぇちゃんもっと強くなってたんだよ!」


「そうそう、すごいんだから! ヤマトおにぃちゃんにも負けないくらい強いんだよ!」


「そんなに……でもヤヨイは無茶ばかりするから……もう身体の具合は大丈夫なんですか?」


ナイナは母親のようにヤヨイのことを心配していた。

ほんとに無茶ばかりするし、待ってることの多いナイナは不安になるのも分かる。


心配してるナイナを余所にヤヨイは出す言葉が見つからずに黙ったまま横を向いている。


「ヤヨイ、ナイナはずっと心配してたんだぞ、何か言うことがあるだろ」


「…………ただいま」


ヤヨイは照れ臭そうに小声で呟いた。


不器用なヤヨイの返事にみんな吹き出した。



「な、何がおかしいんだ!?」


ヤヨイはほほを赤くし恥ずかしそうに口を抑えた。





ようやくみんなで拠点に戻ってくることができた。



不安なことは沢山あるけど、今日はゆっくり休みたい気分だ……


《拠点のレベルが上がりました、拡張しますか?》


あっそうか、ノリスをテイムして、ヤヨイが戻ってきたからテイムした女の子達の収容人数がいっぱいになったんだ。


とりあえず今日は休んで明日にするか。



みんな嬉しそうだけど、内心ヘトヘトだろうしな……






次の日の朝、みんないつもよりゆっくり目覚めた。


「どうしたのロジカ、みんなを集めたりして」


「ふふふ……みんなに見せたいものがあるんだ」


リビングでくつろいでいたみんなを外に出て連れ出して、いよいよ拠点のグレードアップのお披露目だ!


「ロジカが自信満々にそんな事言うなんてめずらしいな」


「大丈夫? おにぃちゃん、変なことしたりしないよね?」


「せめて私が回復できることにしてね……」


なんか、信頼されてないな……

別に体張った芸とかを披露するとかじゃないんだけど……


「まぁ見てろって!」


《拠点のレベルが上がりました、拡張しますか?》


よし、またメッセージが来た。


「拡張する!」


今度はどんな変化があるんだ……



拠点が光に包まれだした。


「うわっ、なにこれっ?」


光に包まれて拠点は収縮していく。



「拠点がちっちゃくなってくよ、どうしちゃったの!?」


「ロジカさん、やっぱり変な事を覚えちゃって……」


「どうしたの、まさか拠点畳んじゃうの?」


おいおい……大丈夫だよな。

人数増えたから拡張するんじゃないのかよ……



収縮していた拠点を包んだ光はボールのような球体になるまで収縮した。



光の球体は心臓のように鼓動をしている。


何か産まれるような鼓動に感じるけど、大丈夫だよな……


家じゃなくなっちゃうとかじゃないよな……



光がより強くなってきた。



それに合わせて球体も大きくなって別の形を形成していく。





想像を超えて大きく光は広がっていく。



「すごい……家ができてく……」


「これ家っていうより、ロボットみたい……」




徐々に形が見え始めてきた。



これまでの拠点に比べてゴツゴツしたイメージだ。



光が治まってきた……




「大砲だ……」


光が収まって一番はじめに見えてきたのは砲門だった。


よかった、拠点はなくならなそうだ……武器も新設されてるし。


レンガ造りの建物の壁のあちこちから巨大な砲台が各所に設置されている。


死角のないくらいに防衛が張り巡らされている。



光が完全に収まると砲台は壁の中に収納されていった。



「今度の拠点は攻撃機能がついてるのか」


これまではナイナに拠点で留守番しててもらうのが不安だったけどこれでもう安心だな。


前の拠点よりさらにでかくなった。



いままでの拠点は豪邸って感じだったけど、今度は要塞だ。


すごさとともに威圧感もついた。



「ロジカおにぃちゃん、中に入っていい?」


「ああ、行ってみよう」



いままでの拠点よりもふた回りくらいは大きくなっている、見て回るだけでも時間かかりそうだ。



新しい拠点は各所に変化や進化があった。



広くて移動が大変と思っていたけど、なんとワープポイントが設置されていて、行きたいところには簡単に移動できるようになっている。



食事もテーブルに座るだけで自動で用意されるようになった。


ナイナに調理してもらうことが多かったけど、これで手間をかけなくて済む。


しかも、作った野菜も保管庫に置いておくとそれを使用して作ってくれるから美味しい食材で自動に料理を作ってもらえる。


トレーニングルームも新設されていて、ヤヨイも今回は大満足のようだ。




想像以上だ。



生活スペースや、共同スペースの変更箇所も上げていったらキリがない。



もうここで一生暮らすだけでも十分幸せなくらいの拠点が出来上がってしまった。

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