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51 おばば様と会いました

瞬殺……


意識が戻ったヤヨイがヤマトの刀を奪い取って一瞬で自分を操ろうとしていたモンスターを倒した。



ヤマトと互角に戦っていたようなモンスターだぞ……

それを簡単に倒してしまったっていうのか。



「ヤヨイ様、どこでそんな力を……」


圧倒的な力にヤマトも疑問を持っていた。


「気分は悪くないのか? モンスターから操られていたけど……」


ヤヨイは自分の身体を観察した。


外傷は特になさそうだ。


「何も違和感はないな、今は気分が良いくらいだ」


確かにスッキリした表情をしている、悩みを吹き飛ばす事ができて気が晴れたのかな。


それとも、ナイナの果実の力か?



「ロジカお兄ちゃん、身体のケガいつ治したの?」


フランが俺を治すために近寄ってきていたようだ。


そういえばヤヨイに爪で切り裂かれたキズが無くなってる。



考えられるのはやっぱりこの果実。



口にすることで回復効果があるものだと思ってたけど、果実一滴……俺なんて、絞る時に触れただけだぞ、それでこんな回復効果があるのか……


なんてもの作ったんだナイナ。




「なかなかのものを見る事ができたわい……そなたらやりおるな」


知らない声だ、また敵か!?



振り向くと声の先にはシワの多い高齢のモンスターと手を繋いだ、小さい魔導師の帽子を被った女の子のモンスターがいる。



「クララ、無事だったのか……よかった」


ヤヨイが小さい女の子を見て安心した様子で肩をなでおろした。


この子がヤヨイが連れて行った魔女の孫って子。


「私は大丈夫だったよ、ヤヨイさんがいなくなってすぐおばばが迎えに来てくれたの」


おばば、このおばあさんモンスターの事か。



ヤマトはすぐにおばばの元に行き、膝をついて頭を下げた。


「村の方を危険な目に合わせてしまい、すいませんでした」


おばばはひざまづいたままのヤマトをしばらく見ていた。



「そんな姿勢じゃまともに話ができん、顔をあげ……」


ヤマトは申し訳なさそうに立ち上がり、またおばばに一礼した。



「今回は私がクララに遊びに来るよう言ったのが問題じゃ、そなたか気に留めるような事ではない」


「ヤマトさん、ヤヨイさん、私のわがままのせいでごめんなさい……」


クララと呼ばれる魔女の孫は落ち込んで泣きそうだ。



「クララは外に行きたかっただけだろ、何も悪くない」


「今は村の外に危険なモンスターが沢山いるので危険なんです、だから村の人達も行かせないようにしてたんです!」


「だから私が付き添ったんだ」


「そうですけど……」


このやり取り、俺とヤヨイのやりとりを客観的に見てるみたいだ。


昔ヤヨイに俺がヤマトに似てるって言われて事があったような……


「しかしこんなモンスターが出てくるとは思わなんだ……」


おばばと呼ばれる老いたモンスターはクララを撫でながら俺のことを観察してきた。


なんだよ、このモンスター……

俺の顔に何かついてるのか?



「そなた特殊なジョブを持っておるな」


「えっ?」


なんでわかるんだ?

俺の事見るだけでそんな事わかるものなのか……



「いや、俺はただのテイマーっていうか……その……」


「その反応を見れば誰でも分かるわい……」


バレてる……

どこまで知られてるのか分からないけど分かる人には分かってしまうのか。



俺のジョブとこれまであったことをおばばに説明することにした。


場所をおばばの住む家に移し、そこでくつろぐ間も無く話を始めた。


今まで短い間だけど色々な事があった、話は長くなってしまったが、おばばは俺の目を見てしっかりと全ての話を真剣に受け止めてくれた。


その横でヤマトも興味深そうに聴いていた。



長い話でクララは寝てしまった。



「なるほどのぅ、女子おなごをテイムするテイマーってとこじゃな」


「ヤヨイ様の強さの理由はそんなところにあったとは……」


上手く伝えられたか分からないけど、2人はどうやら理解してくれたみたいだ。


「色々な事があったけど、まだ分からない事だらけなんです、今回の事にしても、モンスターが俺達を狙ってきてるような気がするし……」


「そうじゃろうな……」


そうじゃろうって……

おばばは何を知ってるんだ……?



「その事については俺が説明します」


ヤマトが?

そうか、ヤマトはこの世界で起ころうとしてることを防ごうとしてるんだった。



「ロジカさんを狙っているのは、俺が倒そうとしている男で間違いないでしょうね」


「ヤマトが倒そうとしている男……?」


「大丈夫なのかヤマト、その事を話して……裏切られるかもしれんのじゃぞ」


おばばがヤマトを確認する。


そんなやばい話なのか?

聞いていいのかなそんな話……


「大丈夫です、ヤヨイ様が心を許している人なら信頼できると俺は信じてます」


「大丈夫だ、ロジカは信頼できる」


ヤヨイは力強く返事をした。

目が泳いでるからきっと話は理解できてないんだろうけど……


ヤヨイの返事を聴き、ヤマトは一度唇を噛み締めてから俺の目を見て話し出した。


「ロジカさんが話をした最近のモンスターに絡む事件の元凶は……ここを管轄してる城の王です」

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