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第三話

今回は五千字以内で何とか収まりました。


今回は、しばらく長い付き合いになる師匠との衝撃的出会いです。…ちょっとグドグドし過ぎてるかなぁ。

 約束の日、思ったよりも早く目が覚めてしまった。俺のベットはちょうど窓辺にあるため、外の様子がよく見える。外はまだ暗いが、まだ働いている人やこれから働く人々がいるのだろう、村には所々に明かりが見えた。教会や孤児院は小高い場所にあるため、村の様子がよく見えるのだ。


 日の出前で、更に早く起きたせいか、まだ頭がボーっとする。さすがに二度寝したら約族の時間を過ぎる可能性があるので寝ないが、このままというのもまずい。


 顔を洗えばスッキリするだろうと思い、ゆっくりとベットからでる。この孤児院では個人の部屋がないため、必然的に何人かが一まとめになって同じ部屋を共有することになる。まだこの時間は子供たちも眠っているため、起こさないように慎重に歩いて部屋をでる。


 廊下は、夜は消えているはずの魔力灯が点々とついており、普通に歩く分には大して問題にはならなかった。普段はまだ寝ている時間だから知らなかったが、多分、このくらいの時間にシスター達は起きて、何かしらの作業をしているのだろう。そうじゃないかなとは思っていたが、忙しい中孤児の世話もしてくれるんだから、すごいと言うか…頭が上がらないなぁ。


「あら、ルイン。こんな時間に起きているなんて…何かあるのかしら?」


 心の中でシスター達に感謝しながら廊下を歩いていると、目の前に一人の女性が現れる。背が高く、長く綺麗に整えられた金髪と切れ長の眼を持つ女性。それは、俺が良く知る人物だった。


「おはようございます。シスターミリィ」


 俺が挨拶すると、シスターミリィも「ええ、おはよう」と優しい笑顔で帰してくれた。


 彼女はシスターミリィ、さっき話したシスターの一人である。鞭を持った女王様のような雰囲気の人だが、実際には子供たちに優しいお姉さんだ。雰囲気や一つ一つの所作に気品があり、もとは貴族のお嬢様だったのではいかと窺わせる。修道服は少々やぼったく体のラインなどがわかりにくい作りになっているが、彼女が着るとそこはかとないエロスを感じる。


「…そういえばあのボケ…コホン、司祭様が今日は早くに出かけるとおっしゃっていましたわね。その関係かしら?」


「それ関係です。今日は司祭様につれていってもらう場所がありまして」


 ボケ老人って言いかけたなこの人……


「連れて行ってもらう…一体どこへ…ナニをする気なのかしら……ジュルリ」


 いかん、変な妄想しだしてる。こうなると長いんだよこの人。以前に話したようにこのシスターもエーリッヒ司祭同様に変態思考の持ち主であり、老人と少年がくんずほぐれつするのが大好きな腐った人なのだ。業が深い……子供らに見せられない顔してるよ……。


「ハッ!…いけませんわ…また顔が……」


 そう言って表情を直しだすシスターミリィ。いや、もう手遅れだよ。


「うん、これで良し……で、何の話だったかしら?」


「これから司祭と出かけるって話です。先に顔を洗ってからですが」


「そういえばそんな話を昨日してましたわね…こんな朝早くなんて、よく起きれましたわね」


「ええ、ちょっと楽しみ過ぎて早く目が覚めちゃいました」


「まあ……フフ、お可愛いこと」


 そう言って浮かべる笑顔に、少しゾクッとくるものがある。うん、この人普通に笑えば美人なのだが、薄く笑うとちょっと怖いんだよなぁ。なんというか『イジメたくなる』というSっ気オーラを感じるんだよ。本当はそっちの気もあるんじゃないかと、常々思っている。


「では、俺はこれで」


「ええ、気を付けていってらっしゃい。外は寒いから外套を羽織ってお行きなさい」


「わかりました」


 そう言ってシスターミリィと別れ、足早に洗面所へと向かう。






 洗面所で顔を洗うと頭が完全にスッキリする。すでに、シスターミリィと会話している途中からある程度スッキリしていたが、顔を洗うことで完全に覚醒した。


 備え付けのタオルで顔を拭くと、目の前に鏡があり俺の顔がうつる。


「……美少年だな」


 別に自画自賛しているわけではない。文字通りの意味で美少年なのだ。なんというかこう…お姉さま方にいじめられるような、いじられるような…そんなタイプの黒髪美少年なのだ。黒髪なのは見慣れているのでいいのだが……元の顔わかっているだけに、微妙な気持ちなのだ。嬉しくもあるのだが…。


「さて…いくか」






 外套を羽織って孤児院の外へ出ると、冷たい風が俺の体をなで全身に鳥肌が立つ。時期的には今は春だが、海の近くということもあり、冷たい風が舞い込んでくる。


「さむ!…さすがに朝は寒いな…」


 体をさすって温めながら教会の方へと向かう。教会の入口まで行くと、そこにはちょうどエーリッヒ司祭が出てくるところだった。


「おはようございます、司祭様」


「うむ、おはよう。起こしに行こうと思っておったのだが…自分で起きれたのじゃな。まだ眠いのではないか?」


「顔洗ったので大丈夫です」


「そうか…しかし、無理をしてはならぬぞ?」


 心配そうにこちらを見ながらも、時間がないということもあり、エーリッヒ司祭と俺は、例の人物のところへと足を進める。






 小高い位置にある教会と孤児院から少し下っていくと、村から活気のある人々の声が聞こえ始める。早い時間であり、遅い時間でもある微妙な時間帯。基本的に、ダンジョンなどが理由で静かになる瞬間があまりないこの村では、いつの時間帯でも人が多い。だがこの時間帯であれば、多少の喧騒はあるものの、人も少なく、静かな時間である。朝や昼、遅くとも夕方くらいまでしか外にはいないので、ある意味新鮮な光景であった。


 そんな中、魔力灯の明かりに照らされた道を司祭と共に歩く。しばらく、村の中を歩くが、エーリッヒ司祭の足が止まる気配は一向にない。


 どこまで行くのかと思いながらしばらくついていくと、村の外れまで来ていた。


「司祭様。どこまでいくのですか?」


 そう尋ねると「もうちょっとじゃよ」と答えてさらに歩みを進める。


 完全に村から外れ、精霊樹の森に沿うように進むこと十分。俺の目の前には、自分の眼を疑うような信じられないものがあった。それは、日本人なら誰もが一度は見たことのある建物だった。


「ここがお前さんに紹介したい人物の屋敷じゃ」


「……武家屋敷?」


 そこまで大きいものではなかったが。それは紛れもなく日本特有のつくりをした屋敷だった。現代でも、恐らく田舎や京都に行けば見ることが出来る代物だろう。こちらに来てから、西洋風の建物ばかり見てきたのでギャップの差が激しいが、他に建物もなく、森を背にしたその姿はとても絵になっていた。


「さて、このまま立っていても始まらん。家人を呼ぼうかのぅ」


 俺が驚いていることには気づいていないエーリッヒ司祭は、そのまま、門を潜り抜け、玄関へと向かう。俺も遅れながらも、慌ててついていった。


 門をくぐった先、歩いてすぐに玄関口があり、横を見れば、そこにもまた日本で見たことのある庭が広がっていた。ちょっと、懐かしい。こんな光景を見るのは、田舎にある親戚の家に遊び入にいった時以来だろうか。


 俺が懐かしんで庭を見つめていると、突然強風が俺のすぐそばを通り抜けていく。轟音と共に駆け抜けていった風に砂がまき上げられ、反射的に目を庇うように覆ってしまう。


「な、なんだ!?」


 驚いて風が通ったであろう場所を見ると、そこには何かが通った跡がくっきりと地面に残っていた。地面はえぐれていなかったが、まるでレーザーを照射したような跡になっていた。


「なんだ…これ…?」


 そこでようやく、エーリッヒ司祭がいつの間にかいないことに気付く。


 確かエーリッヒ司祭は俺の横……ちょうどこのあた…リぃ!?


 エーリッヒ司祭がいたであろう場所。それは、ちょうど強風が通ったと思われる場所と重なっていた。そのあとを辿るように後ろを見ると、そこでは…


「あんた…どの面下げてきたんだい?わざわざあたしに殺されに来たのかい?」


 エーリッヒ司祭が小柄な少女に踏みつけられていた。状況から考えて、さっきの風で背後の門まで飛ばされ、そして倒れたところで、少女に踏みつけられたのだろう。


 絵面的には非常にいかがわしい場面だが……今はそれよりも状況がつかめずに混乱しているところだ。


「ひ、久しぶりじゃのぅカエデ。相変わらずツルぺ…」


「あん?」


「な、なんでもないです…」


 俺が混乱する中、二人はそのまま会話が進み置いてけぼりになってしまった。どうすればいいんや、俺は……


「…んで、あんたは誰だい?見たとこ、コイツの孫とかじゃなさそうだけど」


 ああ、忘れられたわけではないらしい。良かった…。


「えっと、初めまして。私はルインと言います。以後お見知りおきを」


「おや、コイツの連れにしては礼儀正しいじゃないか。まぁ、立ち話もなんだし、上がんな」


 そう言ってエーリッヒ司祭を一度強く踏みつけた後、少し乱れた着物を直して玄関へと向かう少女。なんか、見た目と喋り方があってなくて少し違和感がある。でも、似合わないかと聞かれるとそうでもないので余計に違和感が…なんでだ?


「いてて…、まったく、顔を見せただけで魔法を放ってくるとは……まだ根に持っておったか」


「司祭様…あの子に一体何をしたんですか?あの怒り方は普通じゃないですよ」


「ワシの心配よりもそっちか……まぁよい。別に大したことはやっとらんよ」


 そういうが、あの怒り方はおかしい。一瞬般若面が見えたからな…。何しでかしたらあんなに怒らせるんだ?


「大した事…ねぇ?」


「うむ、そうじゃ。昔、あやつの胸に関して弄りたおしただけじゃ」


「……明らかにそれが原因なんじゃ」


 いやしかし、それだけで開幕魔法ブッパはさすがに…


「あとは、ちょっと乳首当てゲームをやったくらいかのぅ?」


「……」


 あきれて言葉も出なかった。完全に「Hey!ポリスメーン!」な事案である。


 このジジィが司祭なのは絶対に何かの間違いだと思う。


お疲れさまでした。正直ここまで上げてきてなんかグドグドし過ぎている気がするので、これから何回か時間飛ばしたりしてもう少しスムーズに話進むようにしたいと思います。


また、次の投稿まで時間かかりますが、気長によろしくお願いします。

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