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第8話 道路工事
「ほ・・・
本当にやるのですか?
ザマア殿・・・」
「やるの。」
ザマアとニーは、未開拓の荒れ地にいた。
農戦士に乗って。
ザマアの機体は、コンバイン。
ニーの機体は、ボロ。
それぞれ、鎌を持っている。
「おりゃあああああああああああああッ!」
バキバキバキ・・・
コンバインが振るった鎌から、かまいたちが生じて、辺りの草や灌木をなぎ倒す。
「いやあ・・・
便利だ・・・
農戦士は・・・」
ニーは、絶句している。
「どしたの?」
「い・・・
いえ・・・
まさか、農戦士を農業や土木作業に使う者はいなかったので・・・」
ザマアは、傍にあった荷車から、斧を取り出す。
「さあ!
とにかく、何をするにも「下積み」から!」
ザマアたちは、領民が発見した鉱山への道を開拓し始めたのだった。
「こんな便利なもの・・・
なんでみんな、こういう使い方できないんだろうなあ・・・」
ニーは、砂利を敷いて、踏み固めだした。
「そうそう。
筋がいいね。」
「もし、この道が通ったら、道沿いは栄えるのでしょうか?」
「うん。
間違いなく。」
領主が、自ら「道路工事」をしています。