表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/294

新しい力の使い方

あの状態を意識的に発動する方法、それはやはりそう簡単には分からないな。

発動条件は分かるというのに、安定的に発動させるのが難しいのは面倒だな

発動条件は現在分かっているだけで3つ、精神集中状態であるという事

呼吸が止まっていること、その2つの状態が10秒以上継続的に続いていることだ。

発動した後は集中力を切らすまでずっと発動できる様だった。


「条件は分かっても、意識的に発動できないと不便だな」


このままでは急いで精密で素早く狙撃をしないといけない時に発動できない

便利な能力だというのに、発動まで時間があるのは本当にネックだ。

ここさえ解決できれば、この能力の汎用性は凄まじいことになるだろうに。


「…そうですね、リオさん、その集中してる状態で何処かに力を入れるのはどうでしょうか?」

「なんで?」

「力を入れる事で発動できる魔法は結構多いですし」


なる程な、じゃあ、色々と試してみるか、こう言うのって多分力を入れる場所が大事だろうし。

とりあえず狙撃銃を構えて…そうだな、指先に力を入れてみるか。


「どうですか?」

「…駄目だ、発動しない」


指先じゃ駄目か、なら今度は腹筋に力を入れて……も、駄目。

だったら、そうだな、眉間に力を入れる感じならどうだ?


「……う、うーん」


やっぱり発動する感覚が無い、うーむ、指先でも無い、腹筋でも無い、眉間でも無い

じゃあ、顔に力を入れてみるか……あ、やっぱり駄目だ。


「駄目だな、全然発動しねぇ」

「どうしましょう、このままだと即時発動が出来ませんね」

「あぁ、このままじゃ、実戦で使えないな、10秒はちょっと長すぎる」


その10秒は普通に生活していれば大した時間ではないが、戦ってる時では

本当に生死を分ける、当然だ、戦場ではほんの1秒でも無駄に出来ないんだから。

それなのに10秒なんて、致命的過ぎるだろう。


「遅すぎる発動時間、このままじゃ駄目ですね、瞬時に発動できないと」

「分かってるよ、だから方法をこうやって模索してるんだろう?」

「そうですね…じゃあ、逆転の発想で一息吐くのはどうですか?」

「んー、やってみるか」


俺はまた狙撃銃を構え、アルルに言われたとおり、大きく息を吐いてみた

しかし、息を吐くと集中力も切れてしまい、あの超集中状態にはなれない。


「ち、やっぱり駄目か、息を吐いたら集中が切れる」

「息をすると集中力が切れるって変わってますね」

「呼吸を止めてる間は集中、吐いたら解除って長い間やってたし仕方ないだろう」


ゲームだってボタンを押し、呼吸を止めている間は安定し、離せば呼吸を再開し集中が切れてた

俺自身もキャラが呼吸を止めてブレを押さえている間は同じ様に呼吸が止まってたからな

多分そんなの事を長い間やってたから、こっちでも同じ様な状況なんだろう。

だから、集中している間は呼吸が出来ない。


「はぁ、面倒くさいな…全く」

「なら、他の方法をもっと模索しないと」


だが、息を吐く、体の何処かに力を入れるの2つ以外に方法があるのだろうか?

集中力を上げる方法で他に考えられるのは目を瞑るだが、そんな事すれば敵を狙えない。


「ち、このままじゃ、使い勝手の悪い能力のままか」

「うーん、では、こんなのはどうでしょうか、狙ってる最中に2箇所に力を入れる

 例えば目に力を込め、同時に指先にも力を込めるとか」

「よし、やってみるか」


もう一度同じ様に狙撃銃を構え、俺はアルルに言われたとおり指先と目に力を入れた。

すると、あの時の感覚になった!


「良し! なった!」


俺はその状態になったことが嬉しくて、すぐに能力を解除した。


「…な」

「リオさん!」


ば、馬鹿な…どうして、すぐに能力は解除したのに、なんでこんなに疲れるんだ?

弾丸の数だってかなり減ったぞ、この弾丸は俺自身の魔力残量のそれでもある。

その弾丸が一気に減ったと言う事は…凄まじい速度で魔力を消費したと言う事。

さっきまであった150以上の弾丸が、一瞬で10…こんな馬鹿な。


「リオさん! 大丈夫ですか!?」

「…畜生、何て事だよ、この力燃費最悪じゃ無いか」


だが、普通に発動させた時に減った弾丸は数えてなかったが、ここまでじゃないだろう。

ここまで減ってたら、今みたいに気が付くし、フラフラとするはずだ。

…でも、あの時はそれが無かった、つまり大して消耗してなかったと言う事だ。


「ちぃ」

「どうやら、無理矢理発動する方は魔力消費が凄いみたいですね」

「こ、こんなんじゃ、何も出来ないぞ…何とか押さえないと」

「そうですね、なんでこんなに消費するのかも考えてみないと、図書館で調べてみます」

「図書館で調べられるのか? てか、図書館なんてあったか?」

「はい、目立たない場所にありますからね、魔法の情報だってそこで調べましたし」

「そうなのか?」

「えぇ、とにかくリオさん、今日はもう休みましょう、お部屋に連れて行きますよ」

「頼む、フラフラしてろくに動けない」


激しい魔力消費のせいで満足に動けない、こんなのマジでキツいぞ。

とにかく今日はまだ明るいが寝よう、寝れば結構回復するらしい。


「それではマナさんフレイさんとリオさんの2人を見守って貰える様お願いします」

「あぁ、分かった」


アルルが部屋から出ていって、少し時間が経ち、部屋の扉が開いてフレイとマナとフランがやって来た

何でフランまでいるんだろうか。


「リオさん、お、お待たせしました」

「リオちゃん、大丈夫? アルルから動けないって聞いて心配してたんだよ」

「今なら操り放題」

「フラン、頼むから笑えない冗談は止めてくれ」

「うん、冗談、その気ならいつでも出来る」


ま、まぁ、今のフランが使う魔法って相手を一定時間見ただけで距離関係無しに発動できるし

その気になればどれだけ距離があろうと俺を操ることが出来るんだよな…マジ怖い。


「で、どうしてフランまで?」

「心配だったから来たの、後、今ならほっぺつんつんし放題」

「お前そんな事普段しないだろう?」

「普段しないから今するの」


フランが俺の方に歩いてきて、言った通り頬をツンツンしてきた。


「フラン、マジでやるのかよ」

「柔らかいほっぺ、うん、ツンツン楽しいかも」

「止めろ」

「じゃあ、私もツンツンする!」


うぐぅ、ふ、フレイの方は結構力強くやってくる、これは地味に痛い。

畜生、なんで俺がこいつらのおもちゃにされないとならないんだよ。


「柔らかーい!」

「じ、自分の頬でやれ、同じ様なもんだろうが」

「人の頬をツンツンするから面白い、反応とか反応とか柔らかさとか」


何かドンドンフランがアルルみたいになって来てる、くそう、散々だ。

結局あいつがいなくてもこんな目に遭うとは。


「楽しそう、ですね」

「こいつらはな、だが俺は全然楽しくない」

「ツンツーン! ふにふに~」

「引っ張るにゃー!」

「にゃーだって! 猫みたい!」

「お、おみゃえがひっぱるからこんにゃふうにぃ!」


うぅ、何だかアルルがいるときよりも大変な気がする。

いや、こいつらだったら貞操の危機は感じないけどさ。

あいつは何か近くに居るだけで貞操の危機を感じるし

この中じゃ、フランが危険な気がするが、フランは何だかんだで何もしないからな。

まぁ、それを言ったらアルルもだけど、でも、あいつは何か怖いし。


「うーん、やっぱりぷにぷにするの楽しいね」

「だから、楽しんでるのはお前らだけだ」

「そんな事言って~、リオちゃんも楽しんでるんでしょ~、照れ屋さんだなぁ~」


あ、何かイラッときた、仕方ないな、出来れば反撃とかはしたくなかったが。


「じゃあ、やり返してやるよこんなろう!」

「ほわぁ! リオちゃんが反撃してきた! ぷにぷにされちゃ、あだ!」

「安心しろ、反撃するのは頬を引っ張る方だ、突っつきはしねぇよ」

「痛い! 結構痛い! 私よりも強く引っ張ってるんじゃ無いの!?」

「お前俺より力あるだろう? 更に加減も苦手だろう? つまりお前の方が強く引っ張ってた」

「あみゃぁー、ごめんにゃさーい!」


無駄に大げさに痛がるな、俺は全然力入れてるつもりじゃ無いんだけど。

頬とか弱いのか? それともわざと大げさに痛がってる振りしてるのか?

まぁ、どっちでも良いか、とりあえず何かすっとしたし。

しかし、やっぱりフレイも頬十分柔らかいじゃ無いか、自分でやれば良いのに。


「ふぅ、結構痛かったよ」

「これに懲りたら面倒なチャチャを入れるなよ」

「それは約束できないね、懲りてないし」

「この野郎…」


全くフレイの奴は本当に懲りないな、いい加減にして欲しい。

こう言う面倒なのは正直言って1人だけで十分なのに。


「全く本当にお前は」

「じゃあ、今度は私から反撃を!」

「いだ! テメェ! この!」

「いだだだ! えい!」

「こ、こんのぉ!」


俺とフレイに引っ張り合いはしばらく続き、お互い頬が赤くなってしまった。

くそう、何か地味にひりひりしてて痛い、最悪だ。


「ひー、ヒリヒリするぅ」

「く、くそう、地味だが痛い」


何でこんな事になったんだか、うぅ、本当に面倒な位に痛い。


「……」

「うわぁあ!」


頬を押さえていると、不意に首筋を指でなぞられた!

不意打ちだったのもあり、凄くデカい声が出てしまった。


「うん、不意打ちは驚く」

「ふ、フラン…ほ、本当に止めてくれ、し、心臓に悪い!」

「あまりにも無防備な首筋が見えたから、やってみた」

「何でだよ!」

「1度で良いからやってみたかったから」


あぁ、もうなんかフランは心臓に悪いな、何するか分かったもんじゃない。

はぁ、この2人としばらく過ごすのか、もうそれなら全員集めた方が良いだろ

そうすればフレイのブレーキになる事があるトラもフランのブレーキ役になってくれるメルも居る

それなら俺がこんな散々な目に遭わないで済むのに。


「うぅ、どうするかな」

「遊ぶ!」

「いや、俺あまり動けないから、魔力殆ど無いし」

「なら、今のリオは抵抗できないんだ」

「…‥い、いや、て、抵抗は出来るぞ! ウィンチェスター召喚できるし!」

「そう、残念」


……やっぱりアルルもフランもあまり変わらないかも知れない

どうして俺は面倒なのによく目を付けられるんだろうか。

その後、休む感覚も無いまましばらく時間が経ち、ようやくアルルが帰ってきた。

アルルが見付けてきた情報は結構有力な物で

魔力を多大に消費する理由は、新しい魔法を無理に利用したときだそうで

その状態にならないためには何度も何度もそれを繰り返し

体を慣らすことらしい、つまりなれるには何度もやるしかないという事か。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ