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幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第3部、第7章、戦況を変える戦い
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引きこもり

…ち、考えてみても、やっぱり共通点が遺伝子と言うだけだな。

遺伝子を取り込ませることで魔法を授与することが出来る。

でも、もうすでに完成している遺伝子に介入することは出来ない。

現状分かってる2つの条件も、継承されたのは赤子のみだ。

妊婦以外の女の人に血をぶち込んでも継承はされなかったと。

だが、確かにその相手に影響を与えているというのは違いない。

そうしないと腹の中の子供に魔法が継承されるはずも無い。


「……うーん」


だけど、魔法が才能だけじゃ無いのは違いない。

少なくとも、俺は魔法を何度も使う事で新しい力が芽生えた。

逆に限界以上に魔法を使いすぎると魔法が劣化するのも違いない。

フランとメルの例がある、あの2人は限界以上に魔法を使ったことで

魔法が大きく退化しているからな。

そして、適正レベルも才能だけでは無い。

それはマルの例がある…あいつは確か元はAだった筈なのに

今じゃ適性はS、つまり成長したと言う事だ。

だが、才能が殆どを締めているのは間違いないだろうな。

魔法の能力が上昇しても、魔法その物が変化することは無かった。

浮遊魔法を使えるトラも今じゃ実力は相当な程になっているが

それは魔法が変化したわけでは無く、魔法をより精密に操れるようになっただけ。

ウィングも同じで、同時に召喚出来る物が増えたと言うだけ。

言うなれば、魔力が上昇したと言うことだろう。


「……もしかしたら、魔法を使い切れば魔法は消えるのか?」


フラン達は魔法を使いすぎて魔法が弱体化したわけだ。

もしかしたら、魔法を使い切ることが出来れば…魔法は消える?

……でも、フランとメルは長期間魔法を使用しても消えてない。

1年以上魔法を使いっぱなしで魔法は消えていない。

それに、魔力が切れることで死亡するみたいだし

その方法だと最悪命を落としそうだな…

検証するにしても時間は無いし、確実性も無い。


「…何をするにしても…時間が掛かりすぎるか」

「焦っては何も生まないと思うんですけどね」

「…だが、時間が無いのは間違いないだろう。

 研究するにしてもそんな時間も無い。

 と言うか、何もしないのは辛いし…

 でも、流石に5日間以上も部屋にこもるのはどうかと」

「時間ないんだよ…完全勝利には魔法の呪いを解く方法を探さねぇと駄目だし。

 そもそも、放置してたらあいつらに危害が及んじまうだろ。

 魔法を放置してたら命を落とすのは確実だぞ?

 それなのに、何もしないまま気分転換とか出来ねぇって!」

「と言ってもですねぇ…お部屋の掃除もろくにしてませんし

 後、お風呂入ってませんよね?」

「うっさい、文句あるなら後にしろ、今は何があったかを教えてくれ」

「…はぁ、お肌が荒れてしまいますよ? もぅ、ちゃんと9時には寝てください!」

「うっさい、寝る時間も惜しいんだよ、何も無いならさっさと消えろ」

「リオさん!」

「ほら、出てけ」

「もぅ! ねーてーくーだーさーい!」

「よるな! 臭いぞ!」

「いえ、むしろ良い匂いで、ぶふぁ!」

「……お前が臭いだけだからな、俺がお前の心配をするかよ」

「ツンデレですか?」

「出ろ!」

「あだ!」

「部屋に入ってくるな! ったく!」

「あー! リオさん! 開けてください!」


クソ…毎日毎日うるさいな、時間が無いんだから。

俺達の中でこう言う事を考えられそうなのは俺かミロル位だ。

スティールは仕事が忙しいし、メイルは結構脳筋。

アルルも意外とそこら辺の発想力はあるが、あいつは集中力が無い。

シルバー達は戦争で忙しいし、ミロルも前線を維持する為に戦ってるからな。

あいつらが色々やってるのに、俺がのんきに休めるかよ。

今できるのは頭を悩ませて、可能性をひねり出すことだ。



「……はぁ」


ヤバいな、部屋がゴミで一杯になって来た。

ち、やっぱり1人では限界があるな…1ヶ月も色々と考えて

出て来た可能性もあまり多くないって言うな。

男子が魔法を捨てる方法は簡単なのに、女は難しい。

男の場合は大人のお姉さんとかとやりゃあ、特に苦もなく魔法を捨てられる。

苦というか、幸せだろう、幸せしか感じないが…いや、後の事を考えると大変か。

でもまぁ、国でどうこう巡らすことも出来るかも知れないが。

しかし、おねショタかぁ、俺が男の子に転生できてたら幸せだったのに。

……いや、その場合はアルルとか……だぁ! 変な事考えてる場合じゃねぇ!

クソ、外み女でも中身は男だな…精神年齢成長しねぇよ…

この身体になって、結構経つのに、精神は成長してるように思えん。

それはまぁ、人格が既に形成されているからなのか?

いやでも、フレイとかもあんま変わらないし、精神年齢の成長も止まるのかもな。


「はぁ」


だけど、考えてみてもそれは問題の先送りにしかならないかな。

結局、新しく生まれる子供に魔法が残るんだから。


「……」


指定転移魔法みたいなのがあれば、女の子でも死なずに助かるかも知れない。

子供が出来て、魔法が消えた後に腹の子供を移動させれば…

でも、それは…結局、お腹の子供を犠牲にするだけだ。

腹をかっさばいて取り出す方法も子供の体力じゃ厳しいだろう。

それにやっぱり命は助かっても、別の物を捨てる事になる。

無理矢理遺伝子を引き剥がすなんて芸当は出来ない。

もしかしたら、身体の何処かに魔法を使える器官があったりするのかね。

それを取り出せば治せるとか…いや、死にそうだけど。


「はぁ、どれも到底、実現不可能そうな庵ばかりだな」


ごちゃごちゃになった机の上に顔を埋めてみる。

この行動に何かしらの意味があるわけじゃないが…もう、なんかしんどい。


「リーオーさーん! 扉開けてくださーい! ご飯ですよー!」

「いつも通り、部屋の前に置いといて…」

「全く、引きこもりさんですね! もう1ヶ月ですよ!?」

「うっさい、お前は俺の母さんかよ…良いから」

「ぷんぷん! お母さん、怒っちゃいますよ!」

「黙れクソ女、テメェが母親とか虫唾が走るわ」

「なんか、日に日に口が悪くなってる気がしますね。

 無茶をしてたり辛い事があったら、何なりと」

「はいはい」


……辛い…か、はぁ、そうなのかも知れないな。

かれこれ1ヶ月、嫌な想像ばかりしてるしな。

こう、集中しすぎて同じ部屋から動かなかったら、こう、気が滅入る。

……はぁ、フレイの馬鹿な騒ぎ声とか聞きてぇな。


「…フレイ…トラ…ウィング…ウィン…ミロル……アルル」

「はい、お呼びでしょうかぁ!」

「なぁああ!」


と、扉が! 俺の部屋の扉がぶっ壊れたぁ!


「やっふー! リオちゃん! 何だかじめじめしてるね! 湿ってるね!」

「な! フレイ、おま! 前線で」

「戦争なんてどうでも良いの! リオちゃんが何だか大変そうって聞いてさ!

 ウィンに連れてきて貰ったの!」

「し、心配で…」

「なん……おま! そんな気持ちで戦ってたら!」

「良いじゃん、国の為とか、そう言うの私どうでも良いしさ。

 私、リオちゃんと遊びたいし、リオちゃんを護りたいから兵士してるんだよ?

 リオちゃんが大変だと聞いたら! 私は飛んで来るんだから!」

「…あ、アルル、お前の差し金か?」

「えぇ! あ、はい、ご飯ですよー」

「飯を渡すために部屋の扉をぶっ飛ばす奴があるか!」

「いえ、ご飯は本命ですが、おまけ以下の存在価値なのです!

 私が、リオさんの部屋の扉をぶち破って入ってきたのは!

 リオさんをお風呂に入れて、お部屋の片付けをして

 そして、その湿っぽい顔を晴れやかにする為なのです!」

「お前! 何度も言うが! これは大事な事で!」

「リオちゃん以上に大事な事は無いよ!」 

「お前の為でもあるんだよ!」

「何でも良いけどさ! 1人で考えても無理だと思う!」

「うぐ…」


それは、確かに俺も思いだしてた所だが…でも、それでもやらない訳には。


「お姉ちゃん…私、お姉ちゃんの辛そうな顔は見たく無いよ」

「……」

「湿っぽいの嫌い-! あ、そうだリオちゃん!」

「な、なんだよ」

「臭いね!」

「な! そ、そうか? そんなに臭いか?」

「うん、お風呂入ってないの?」

「…は、入ってないけど」

「じゃあ、お風呂入ろう! 一緒に入ろう! 今すぐ入ろう!」

「馬鹿! 引っ張るな!」

「ぐ、ぐぬぬぅ…り、リオさんとお風呂入りたいです…

 でも、お部屋の掃除をしないと…と言うかそもそも、リオさんが

 私と一緒にお風呂に入ってくれるはずがありませんよね」

「そりゃおめぇ」

「なので、仕方ないんでお部屋を堪能しますね!

 1ヶ月もお風呂に入ってないリオさんの素晴らしい匂い!

 うふふ、このお部屋なら何も」

「お前は放置できねぇ!」

「嫌ですー! リオさんのかほりを堪能しながらお掃除するんですー!」

「こんの! お前、部屋から出ろ! 風呂上がるまで入るな!」

「ふっふっふ、私がそんな指示に従うとでも!?」

「うぐぅ…か、監視を付ければ」

「監視? ふふふ、残念ながら、私達しか居ません!」

「う…う…く、くぅ…う、うぐ、ぐぐぐぅう!」


どっちも嫌だ! 一緒に風呂に入るのも嫌だし

こいつ1人に部屋を掃除させるのも絶対に嫌だ!

何されるか分かりゃしねぇ、それに、フレイとの風呂はいつも長引く…

こ、このまま風呂に入るのを拒絶しても、フレイの事だ

意地でも俺を風呂に連れて行くはず…だが、風呂に入れば…

しかし、アルルの馬鹿を監視するには……う、うぅ、うぅううう!


「あ、アルル……風呂に来い」

「うふ、うふふふふ! いやですねぇ、リオさん! もっとお願いをしてください!」

「お前! ちょ、調子に乗りやがって!」

「私としては、この部屋を放置は結構~お願いされたら仕方ないんですけどねー!」

「……う、う、うぅうううう! マジ後で殺すからな。

 ……い、一緒に、ふ、風呂にはいって…く、くだ、く、ください」

「あぁあああああ! なんというヘブン! さいっこうです! 

 鼻血がぁあ!」


大量の鼻血を噴き出し、アルルはその場で気絶した。


「よ、よし! 気絶しやがった! これなら」

「ふ、ふふふ、わ、我が執念がこの程度で滅びるはずが無いのです」

「なんだと! さっき、確か気絶したはず!」

「えぇ! 私は気絶しました! 確かに気絶しました!

 意識が吹き飛んだのは間違いありません! 天井ぶち抜く勢いでした!

 しかし! 私の執念がこの程度で折れることは無いのです!

 意識が吹き飛んだ瞬間! もう1人の私がそれで良いのか私よと!

 いや、正確にはリオさんとお風呂に入ってる姿を想像したら

 もうね、寝ても覚めても居られなくて! 速攻目覚めたのです!

 うへへへへへ!」

「こ、こいつ、マジで気持ち悪い!」

「さぁ! 行きましょう! すぐに行きましょう!

 こんな事態になるとは思ってませんでした!

 さぁさぁさぁさぁ! 我がヘブン! ここに来たれ、ぶふぁ!」

「…こ、今度こそ死んだか?」

「私は死にません! 何度でも蘇るのです!

 例え心臓が停止しようとも! 私は何度でも蘇る!」

「いや本当、マジで一緒に風呂とか入ったら、お前出血死するって

 お前の為にも大人しく自分の部屋で死んでろ」

「ふふふ、わ、私をあなど、ぶふぁ…らないことですね」

「いや、マジで死ぬから…もうすでに3回噴きだしてるだろ、マジで死ぬって」

「い、いや、そこまで本気で心配されましても……」

「そりゃおめぇ…この出血は」

「だってだって! 1ヶ月もお預けだったんですよ!? こうもなりますし!」

「本当…止めておけ」

「私は桃源郷に行くためなら死んでも良いです!」

「テメェに死なれると俺が困るんだよ!」

「え? いきなりのデレで、ぶふぁ!」

「ちょ! アルルー!!」

「……あ、アイルビー……バーック」

「アルルー!」

「……どうするの?」

「どうしよう」

「し、死んで無いよね!? これ、死んで無いよね!?」

「と、とにかく病院とかに行かないと!」

「だ、大丈夫かな…」


アルルは検査の結果、ちょっとした貧血だったそうだ。

それよりも、俺の体調の方がヤバいと言われた。

あと少しで栄養失調だったとか…飯、殆ど食わなかったからな…

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