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幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第3部、第7章、戦況を変える戦い
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仮の道標

魔法の呪い、その呪いを解く方法を見付けない限り

この戦争を少しくらいは犠牲を減らして終わらせる方法は無いのだろう。

例え国王を殺したとしても、恐らく暴走したフェミーが反乱を起す。

フェミーに国王を殺させたとしても、ケミー達が暴走する。

この戦いに素早く終止符を打つには、魔法の呪いを解く方法を見付けることだ。

だが、魔法をあそこまで研究している国でも見付けることが出来ない方法。

本当に俺達が見付けることが出来るのだろうか。

この短期間で発見をする事は困難だと思うんだけどな。


「…ひとまず、防衛は現状維持、攻撃は手を休めるとしよう。

 その間に、魔法の呪いを解く方法を探そう」

「はは、なんでこのタイミングで? お父さんを殺せばのんびりと探れるよ?

 戦争を終わらせれば、後はのんびりとじっくりと方法を探せる」

「馬鹿だなぁ、戦争って奴は戦争が終わった後の方が大変なんだぜ?

 ったく、これだから戦争を指揮したことが無い奴は」

「これでも私は王様の娘だよ? 戦争のいろは位は知ってるさ」

「戦いに参戦したわけでも、その処理をしたわけでも無いのにか?

 馬鹿言っちゃいけねぇよ、スティールに謝った方が良いぜ?」

「……」


あいつも同じく国王の娘でありながら、戦争の指揮経験もあるし

大きすぎる責任をずっと背負ってきたんだからな。


「しっかりとした姫としてやっていきたいなら、スティールから学べ」

「…素直に、悪かったと思うよ」


フェミーも俺が伝えたい事を理解してくれたようだった。


「それじゃあ、さっき言った通りに行動してくれ

 理由の説明が必要だって言うなら細かくしてやるぞ?」

「大丈夫ですよ、リオさんの言うことは9割9分が正しいです」

「全部と言わないのか?」

「全てが正しい人間は居ませんしね」

「…知ってる、因みに俺は7割正しいぞ? いや、ちょっと言いすぎか?

 大体お前らのお陰で修正できてるし」

「むしろその数字は謙遜ですよ、では、伝えてきますね」


アルルは俺の指示を伝えるために、この場から移動した。

…さて、とりあえず可能性を考えるべきかな。


「……ハッキリ言うよ、リオ…お父さんが全てを投げ打っても

 見付けることが出来なかった呪いを解く方法…

 いくら君達が優秀でも、その方法を短期間で見付けるのは不可能だ。

 だって、君達は自分達が魔法を継承する方法を見付けることが出来ると思う?

 魔法を混合させる方法を発見できると思う?」

「……く、くく、あはは!」

「え? な、なんで笑って」

「はん、馬鹿だな、おい! お前、自分の親父がどうやってその方法を見付けたか

 そんな事も忘れちまったのか? くく、情報を奪えても、そこは駄目駄目だな」

「な、何が言いたいのさ!?」

「…ふ、もう一度思いだしてみろ、その2つの方法が見付かった経緯を」

「え? そ、それは…」

「全部偶然じゃねぇかよ」


魔法を継承する方法を見付けた理由は偶然実験台に妊婦が居たから。

魔法を合せる方法を見付けた理由は子供達の暴走。

どっちも狙ってその条件を発見したわけじゃ無い。


「魔法を継承する方法を見付けたのも、混合させる方法を見付けたのも

 全部偶然だ、正確には運が良かっただけだよ」

「君は! お、お父さんが無能だと言いたいの!?

 偶然にそれを見付けただけだって! そう言いたいの!?」

「あぁ、そうだ…だが、無能とは違うがな」

「…え?」

「娘の為にそこまでの行動を取れた…人の上に立つ存在としては屑だが。

 ……父親としては…親としては、最高だよ、テメェのクソ親父は」

「……う、うぅ…う、うわぁああああ!!」

「…はん、ケミー、親友だろ? 慰めてやれ」

「……リオ」

「あー?」

「ありがとう」

「親友を泣かせた奴にお礼だと?」

「…ありがとう、リオ」

「ちゃんと泣き止ませろよ、うるさいのは嫌いなんだ」

「任せて、でも、泣かせたならリオが責任を取るべきだと思う」

「断るな、さっきも言っただろ? うるさいのは嫌いなんだ」


……はぁ、とにかく方法を模索しよう。

ひとまずは可能性を書き出すところからだな。


「…やれやれっと」


あの騒がしい泣き声が聞えない部屋まで移動した後

近場にあった紙を取り、思いつく限りの事を書き出すことにした。

闇雲に行動してもいたずらに時間だけが過ぎて行っちまう。

それに、犠牲が出てしまう可能性だってあるんだ。

多少の道筋程度は考えないと。


「……ひとまずは現状分かってる条件を出すか」


何かを考えたりするときは、とりあえず分かってることを書くことだな。

この情報から何か大事なところに気付けるかも知れないしよ。

とりあえず、今分かってるのはこれだけだな。


「…ふぅ」


現状、分かっている情報から分かる共通点は

まず、魔法を継承した場合、魔法は消失すると言う事だな。

と言っても、混合魔法の話もある、だから、継承すると魔法を使える子供が

確実に死ぬというわけでは無いと言うことだ。

これは魔法を失う、イコール命を失うという訳では無いと言う証明だ。

魔法を失った男の方は魔法が無くても生きている様だし

女の子が命を落とす理由は身体の問題でしか無い。

つまり、出産後に生きていれば、魔法は無くなるが命は残ると言う事だ。

まぁ、この問題は本当に問題しか無いからその方向性で魔法を捨てるのは無しだ。

魔法を捨てるために他の大事な物まで捨ててるじゃねぇか!

いやさ、好き合った奴との間に子供が生まれてー、なら、まだ許そう!

いや、許されるようなことではないが! まだね、本人的にはまだね!

と言うか! 子供同士で子供が出来るとか、マジであり得ねぇって言うか!

いや待て、色々と脱線しすぎだ。

か、感情的になると1人でも暴走するのは悪い癖だ。

大事な場面だぞ? 大事なんだからちゃんと冷静にならないと。


「う、うーん」


…まぁ、この2つから魔法を捨てる方法を模索しないとな。

妊婦に血を入れる場合は能力がお腹の子供に継承しても命を落とす。

命を落としちまうのはまず論外として

で、子供を生む場合も魔法を捨てる事が出来る。

この2つに共通する点は…そうだな、遺伝子か?

妊婦に血を入れると、その遺伝子がお腹の子供にも影響を与える。

子供を生む場合は言わずもがな。

だが、今までの実験結果から、こうなると想定することは容易だろう。

で、魔法の根底で…確か魔法使いが魔法を使えるのは魔力を制御出来ないからだったかな。

だから、大人になれば自然に魔法が使えなくなる…だから、大人の魔法使いは居ない。

だが、適性がS以上の場合は身体が成長することが無い為、大人になれない。

だから、魔法が消えることが無く、暴走し続ける。

その結果、魔法使いは短い間に命を落とす…と、言う感じかな。

で、魔法が継承できるのは適性S以上だけ。

S以上の魔法はもはや完全な呪いだな。


「…うーん」


ちょっと違和感を感じるのは子供を生む場合の方法と

妊婦さんの子供に継承する場合での危険性の違い。

いや、どっちも平等に危険である事は違いないがな。

でも、子供を生む場合は身体の問題であり

継承して魔法を失った男の子は無事。

生理がどうこうって所から考えて


「自分達の子供に継承させるのが正規の方法だと言うことだな」

「性器の方法ですか?」

「おい、何処から湧いた、後、聞えた言葉的には正しかったが

 何か声のニュアンス的に間違ってそうなんだけど、どうだ?」

「あはは! 私がそんな変態めいた事を言うわけ無いじゃ無いですか!」

「いや、お前だからな、変態だから心配だ」

「あははははははは! だだ、大丈夫です! 親父ギャグなんて言ってません!」

「変態ギャグジャネーノ?」

「待ってください! そのゴミを見るような目を止めてください!

 あぁ、こいつ可哀想だな、本当に何で人間に生まれてきたんだろう。

 と言うか、絶対に生まれてくる性別間違えてるよな、この変態。

 男に生まれてたら即断罪だろうに、そもそも、なんで生きてるんだ?

 見たいな感じの目で見ないでください!」

「随分と具体的に言ったが、残念ながら全て的外れだ。

 俺が考えたことは1つ…よし、殺そう、だ」

「ひ、人を簡単に殺せるような道具をさらっと出さないでください!

 そして、その道具を当たり前の様に向けないでください!」

「向けられたくなければ自重しろ」

「自重してますとも!」

「それで自重してるならお前はもう末期だ、早く死ね」

「生きます! あ、そうだ! むふふふ、我が才能が恐い!

 リオさん! リオさんを魔法の呪いから解放してあげましょうか?」

「………………まずは腸を抉り出すか、その方が苦しんで殺せる」

「待った! 本当に待ってください! 人を殺せそうな目で私を見ないで!

 いやぁ! 何だかあれですよ? 死神の目みたいですよ!?」

「いやほら、俺って見えない死神とか言われてるし

 生きる価値が無い残念な命を刈り取るのも仕事かなって」

「わ、わわ、私の命は光り輝いているのです!」

「ピンク色にな、だから殺す」

「痛い! 痛いですリオさん! 関節痛いです!

 い、いつの間に関節技なんてマスターしてたんですか!? あ、痛い!

 折れる折れる折れる!」

「このままへし折ってやる!」

「あ、でも、リオさんの大事な所がズボン越しに当ってる気がして幸」

「死ね!」

「ぎゃぁあああああ!」


…関節技って、むしろこいつにはご褒美だったりするのかも知れない。

今度からは別の方法で殺そう。


「…………」

「汚ぇ尻をこっちに向けるな、鉄の棒ぶち込むぞ」

「こんな格好になったのはリオさんのせいですけど!?

 あ、ちょっと待ってくださいね、今ズボンを」

「おら!」

「ぎにゃぁああああ!」


よし、これで静かになっただろう。


「う、うぅ…わ、私のお尻処女を奪ったのがリオさんのウィンチェスターとは…

 あ、でも、何だかエッチな言葉の隠語みたいと考えれば、幸」

「ふん!」

「ひぎゃぁああ!」


…もう2度と口を開けねぇ様に口を縫い合わせてやろうか。


「……もう、煙も出ません」

「そのまま死ね」

「でも、ガスは出ま、がふぁ!」

「お前…本当に女かよ、間違いなく生まれる性別を間違えてる」

「り、リオさんと同じですね……」

「今度は針を入れてやろうか?」

「私が色々な意味で死にますから止めてください!」

「はぁ…ったく、見た目美人のくせに中身親父とか…マジで哀れだな」

「気持ち悪いとか言われるよりも傷付いたんですけど!?」

「嫌なら性格を直せよ」

「生まれ持った性格を直せるはずがないのです!」

「お前の場合、直す努力をしてないだけだろ」

「する必要もありませんしね!」

「今度は小腸まで貫こうかな」

「止めてください!」

「はぁ、真面目に色々と考えてたのに、お前のせいで…」

「せ、正規の方法が子供に継承させるって奴で、痛い!」

「あー?」

「待って! 待ってください! これは違います!

 セーフです! 親父ギャグでも変態ギャグでもありません!」

「…あっそ、まぁ、謝罪しないけど」

「私が全て悪いので謝罪は必要ありません…です」


本当にこいつは存在その物がギャグだな。


「はぁ…おい、お前も手伝えよ」

「か、可能性の考察ですね、でも、ちょっと待ってくださいね

 お尻にお薬を…あ、り」

「今度こそ殺すぞ?」

「何でもありません! 自分でしまーす!」


今日はいつも以上に暴走してたな、あいつ…何かしんどい。

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