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幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第3部、第7章、戦況を変える戦い
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全力の読み合い

く…最悪だな、この状況は極めて。

フレイはまだ良い、命令とかはあまり理解してないし。

そこまでどぎつい命令なんてしてこないだろう。

だが、アルルとフラン、この2人は間違いなくしてくる。

俺にとっては不利にしかならない命令を。

実質的には1対2+アルファって感じだろう。

だが、フレイはあの2人にそそのかされて何か命令を出す可能性もある。

あいつはそこら辺はよく分かっちゃい無いから踊らされる可能性が高い。

だが、それは逆でも言えること。

ゲームは1回だけの勝負、この勝負で俺かフレイが引けば、流れる可能性は十分だ。

確率は五分五分、結構な確率じゃねぇかよ。


「それじゃあ、引きなさい!」

「確実に取る!」

「我が夢を果たすために!」

「くだらない夢を遊びで果たすな!」

「やっふー! とにかく引くよ!」

「あ! 痛いぁ!」


フレイが勢いよく突っ込んだことで、正面にいたアルルとフランが吹き飛んだ。

なんか、凄まじい破壊力だというのが分かるな。

フランは分かるけど、アルルまで吹っ飛ぶとかどんな勢いで突撃したんだよ。


「だ、大丈夫!?」

「ふ、よ、余裕ですとも」

「痛い…」

「えっと、これじゃあゲームにならないから流そうか!」

「それもそうね、大怪我してるし」

「ストップ! ふふ、こ、この程度、怪我の内に入りませんとも」

「うん、だ、大丈夫」


うわぁ、スゲー強がってるのが分かる。

だって、あれは確実に痛いだろう。

それなのに堪えているとは…そこまでやりたいのか、あいつら。

怖わー、あいつらの執念恐いわー。


「ふふふ、まだまだ! さぁ、勝負はここからですとも!」

「まだ始まってすら居ないがな」

「だからこれからなのです!」

「本当の意味でか」


と言っても、アルルとフランは満身創痍なんだけどな。

始まる前から満身創痍というのは何ともという感じだ。

しかし、吹き飛ばされたのが俺だったら、それを理由にして

ゲームから抜けることが出来たというのに!

気絶したフリとかしてゲームから逃げられたというのに!

ち、こう言うときに限ってフレイの攻撃は俺には当らないのか。

まぁいいや、まだ問題無い、まだ勝負は始まってないし

まだ確立の50%は健在だ…勝負はこれから、まだ決っちゃいない。

実はもうすでに決ってて欲しいんだけど、決ってないからなぁ。


「よーし、それじゃあフレイ、勢いを殺して取って!」

「うん!」


あの割り箸を入れたのはミロルだ。

ミロルは基本的に面白い方を選択して行動する筈。

つまり、この場合面白いのはアルル達が王様を引いた場合だ。

となると、その結果を出すためにはアルル側の割り箸に王様を潜めること!

そこに王様がある可能性が非常に高い!

だが、あいつが平等を遵守してランダムに王様を入れている可能性もある。

どっちだ…あまり時間は無い、ミロルの合図がいつ来るか分からないからな。

でも、出来れば可能性を考察しておかないと。

50%を100%に変えるためにも。

いや待て、考えてみれば、どっちにしても50%だ。

奥2本に王様を入れたとすれば、俺がそっちを狙っても50%。

奥2本に入れたと考えて、その場合、どっちに入れるかも考えろ。

…アルルの方に入れた、とは考えにくい。

ミロルはアルルを少し毛嫌いしている様に感じる。

あいつを嫌ってるわけではなく、あいつの行動を、だけどな。

となれば、この状況でそっちに入れておく可能性はあまり無い。

だから、もし奥2本だった場合、王様があるのはフランの方だ!


「……ま、まだですか? ミロルさん」

「ふふふ、こう言うのはじらすのが楽しいのよ」

「は、早く…早く引きたい」

「いやぁ、なんか犬に餌を前にして待て! をしている様な楽しさね!

 チラチラとこっちを見ながらも餌を見てる感じが!

 なんか楽しいわぁ、もっとじらしてあげる」

「なんで!? くぅ! ミロルさんのいけずぅ!」

「なんかイラッとするわ」

「酷い!」


…ミロルはこの状況を楽しんでいる、考える時間は十分ある!

奥2本に王様があった場合、フランの可能性が高いのは間違いない。

だが、問題はミロルだ、ミロルはこう言う場面では非常に厄介。

何だかんだで俺の予想を外してくるのが本当に得意だからな。

俺が奥2本にあると予想すると言う事を想定して

逆に俺の場所に王様を仕込んでいるという可能性もあるんだ。

だが、その場合は誰が王様を取るかをコンとロール出来ない。

だから、次に近いフレイがその王様を取る可能性が生じる。

結構リスクのある勝負だが、俺が王様を取るのは避ける事が出来る。

ち、本当にミロルが相手だと、厄介極まりない。


「…ふふ、さぁ、考えなさい」

「くぅ…」


当然、俺がこんな事を考えることは分かりきってるよな。

ミロルは恐らくアルルの次に俺の事を分かってる筈だ。

は! そうだ、アルルという存在を完全に度外視してた!」


「おや?」


アルルは俺の行動を読むのが非常に長けている。

長らく一緒に居るから、俺の性格を1番分かってるからだ。

こっちに来て1番長く一緒に居るのはフレイ達だが

フレイ達は子供、長く一緒に居ても俺の行動を読めるほどではない。

なら、その次に長く一緒に居るアルルなら俺の行動は読めるはずだ。

何が好きで、どんな行動が得意で、どういう風に物事を考えるのか。

アルルはそこら辺を完璧に読んでいる。

いや待て、だがあいつは心を読むまでは出来ないはずだ。

だから、やはり厄介なのはミロル…こいつはヤバい。

FPSは基本的に心理戦、タイマンだ特にな。

だから、俺も相手の行動を読むことが出来るんだ。

だったら、俺と同じほどにFPSをやり込んでいたミロルも

相手の動きや考えている事を多少は読めてもおかしくはない。

俺と何度もタイマン張ってたんだからなおのこと。


「ふふふ、さぁ、始め!」

「まず!」


出遅れた! ミロルの方を見ていたから反応が遅れた!

クソ! 今からアルル達の方に手を伸ばして間に合うか!?

いや、間に合ってくれ! そうしないと!


「取った!」

「ヤバい!」

「王様は私なのです!」


くぅ! まさか…王様があったのが俺の方だったなんて!

フランの方に手を伸ばしたせいで取れなかった!

しかも、取ったのはよりにもよってアルルだと!

クソ! 想定が外れた! 可能性は頭の中で出て来たのに!


「リオの事だし、奥の方にあると想定するかもってね。

 だから、あなたの方に仕込んだの」

「クソ!」

「ふふ、あなたはもしかしたら、敵は2人だけと想定していたかも知れないけど

 実際は私を含めて3人よ、因みに事前にやり取りとかはしてないわ。

 そんなインチキはしてない、この勝負は結構危険だったのだけど

 アルルの予想能力も流石よね」

「いえ、私はリオさんと手が当るかなと思ってリオさんの方を狙ったのです!」

「……予想能力関係ないじゃない! 欲望に忠実になっただけ!?」

「ふ、私はリオと手が当った、ここから恋に発展する。

 リオがあ、ごめんなさい、と言って、私がこちらこそ、とも言う。

 そして、その本、好きなんですね、みたいな会話になって」

「乙女チックだな、だが、お互いに取ろうとしたのは本ではなく王様だ」

「私はキングになれなかった…いや、クイーンだった」


どっちにしても、王様がアルルに渡ってしまったのは致命的だ。

だがしかし、ここからが本番だとも言える。

俺が引いた番号は2番、これがバレなければ良いのだから。


「さて、本番はここからですね」


アルル達からして見れば、王様を引かないと勝負は始まらない。

俺からして見れば、王様さえ取れば勝負は着くという状況だった。

取れなかったとしても、その後から本番が始まるだけだ。

どう考えてもアルル達の方が分は悪かったと言える。

それなのにアルルはその勝負に勝った…勝負運が強いな。

しかもだ、ミロルの動きを想定したとかではなく

欲望に動いただけでそこまでの引きを手にしたと。

本当に厄介な奴だ、クソうぜぇ。


「……」

「うーん、3番、いや…2番…1番…」


まずは番号を言う事で揺さぶりを掛ける作戦だろう。

この作戦は実際あまり効果は無いだろうが

確率を下げる事は出来ただろう。

さっき、3番と言ったとき、フレイが反応したからな。

だから、フレイは3番だと言う事だ。

俺は2番の時に反応してやった。

アルルの事だ、俺が実際の番号で反応するとは考えていないはず。

だから、俺が2番で反応したことで、1番が俺だと想定させる。

フランはどの番号でも一切反応しなかったから分からないはずだ。


「うーん、なる程なる程、では2番の人!」

「……」

「じゃなかった、3番の人!」

「え? 何?」

「いや、やっぱり1番が良いかな」

「……」


これで確定だろう、最初の段階で分かってたことだが

この行動でフレイが完全に反応、更には返事までした。

となれば、アルルは2番か1番に的を絞って来るはずだ。

向こうからして見れば、確率は2分の1。


「では、1番の人は!」


よし! 外れたぞ! これでなんとかこの場は


「王様と一緒に2番を襲う!」

「はぁ!?」

「OK、襲う」

「待った! そんなのありかよ!」

「ふふふ、残念でしたねリオさん、つまり何が言いたいかと言えば

 最初から私の勝利は確定していたのですよ!

 フレイさんが3番と確定した地点で、私の勝利は確定だったのです!

 私が外れを言えば、リオさんは反応してしまう! 

 リオさんは早合点をする事が多いからです!

 当然、当たりを言ってもリオさんは反応するというのは分かってました!

 つまり、どう足掻いても私の勝ちだったのです!

 外れを言って、それが外れだと確信すれば、外れ枠をもっていた

 フランさんと協力して襲うという選択を取る! この場で妥協さえ出来れば

 私はどう足掻いても勝つことが出来たのです!」

「逆に、私も妥協をすればアルルと襲えた、外れが私には当り」

「言っておきますけど、共謀はしてませんよ? そんな会話はしてません」

「なにぃ!」

「さぁ、襲うのです!」

「襲う!」

「馬鹿馬鹿! 止めろやぁ!」


…と言ってもだ、行動に襲うという単語を使ったのは失敗だったんだがな。


「うぅ…」

「リオちゃんに変な事したら駄目だよ?」

「ま、まさかフレイさんが介入してくるとは…しかもリオさんも応戦をしてきましたし」

「そりゃあな、お前の命令はフランに対する命令だったんだ。

 俺は抵抗するなと命令されていない、フレイも俺を護るなと言われていない!

 お前は失敗したんだ! お前は自分でゲームで得た権力をドブに捨てちまったのさ!

 お前が俺に対する命令をしなかた地点でお前は負けていたんだ!」

「そ、そんなぁああ!」

「またしても…私の夢は叶わなかった…」

「ははは! ざまぁねぇな!」

「まぁ、あれはアルルのミスよね、あれでフレイも混ぜていれば勝てたのに」

「は!」

「まぁ、そうだな、1番は3番と王様で2番を襲う、とかだったら無理だった

 実際、フレイが味方に居なかったら負けてたし」

「う、うおぉおお! わ、私はなんと言うミスを!」

「と言っても、襲うという命令だけだったから、襲った後は終了させたけど」

「本番抜きですか!?」

「当たり前じゃないの、バカジャネーノ」

「なんで最後片言なんですか?」

「言いたくなったからね、それだけよ」

「…お前って、結構なオタクなんだな」

「それを知ってるって事はあなたも相当でしょう?」


否定はしないがな、まぁいいや、とにかく勝つことが出来た。

試合に負けて勝負に勝ったという感じだな。

はぁ、一安心だ。

その後もしばらくは続いたが、一番厄介な組み合わせが終わった後だと

終始平和な物だった。

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