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幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第3部、第7章、戦況を変える戦い
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仲間内での心理戦

…ん、んー、あ、あぁ、酷い目に遭った気がする。

うぅ、まぶたが重い、てか眩しいんだけど。


「あ、リオさん起きました?」

「…まぁ、起きたけど」

「良かったです、無事だったんですね!」

「無事じゃなかったら喋っちゃ居ない」

「あはは、ですよね、あ、それじゃあ、ちょっと連絡を」


どうやら、フレイとウィンのお陰でなんとか助かったみたいだ。


「はぁ、しかし、何で俺はここまで倒れるかねぇ…」

「向こうからして見れば、最も危険な人物でしょうしね。

 それなのに前線で戦っていますし、負傷が多いのは仕方ないかと」


通信が終わって、俺の独り言に反応した。

確かに重要ポジションなのに前線行きすぎかな。


「俺が最も危険だと誰が知っている、後、最優先で狙われたことないし。

 今回の場合は事故みたいな物だろう」

「対処方があって良かったですよ…しかし、やはり私もキスをした方が」

「うっさい」

「うぅ…私、何故肝心なときに行動出来ないんでしょう…

 自分のへたれさに嫌気がさします」

「お前は自分の変態さに嫌気をさせ」

「……」

「おい、なんでいきなり黙る」


なんか目がマジで恐いな、なんか嫌な予感もするんだけど…

あれ? そんな事無いよな? 別になんの問題も無いはずだよな?


「リオさん!」

「な、なんだよ!」

「い、いま、この状況がどう言う状況か…わ、分かりますか?」

「はぁ? なんだよ、息荒くして気持ち悪いというか恐いんだが」

「今ここ、誰も居ないんですよ? そして! そんな空間で2人きり!

 更にリオさんは体温があまり上がりすぎないようにと薄着! 下着のみです!」

「…あ、本当だ、誰が…」

「私ですが?」

「ふざけんな! 服返せ服!」

「いやでも、高熱でしたし、医療行為ですよ? 因みに今も高熱です」

「あぁ? そ、そうなのか? ちょっとそんな感じはしないんだけど」

「…そして、リオさんは今目覚めているのです!」

「……へ?」


…そう言えば、アルルって、眠ってたら襲わないけど…起きてたら…


「ま、待てアルル! 落ち着け! ちょっと待て!」

「本当にか弱い抵抗ですね、犬のすね擦り位の力です」

「犬ってすね擦るか?」

「なんてひ弱な抵抗! 容易に押し倒せるほどに!」

「ま、待ってくれアルル! 止め!」

「つまり!」


うわ! べ、ベットに押し倒された…ヤバいんじゃね!?

両手捕まれてるから抵抗できないし、足で抵抗しようにも

アルルがそこも押さえてる…デンジャーだ!

冗談を言ってられないほどに危険な状態だ!


「ま、待てアルル、やっぱりこう言うのはあまりよろしくないと思うんだ。

 そもそも、こう言うのってほら、同性でやるべき事じゃないし」

「ふふふ、今の私になんと言おうと無駄なのです!」

「ま、待て! 止めてくれぇ!」

「そう! 私は決して、ここを動かないのです!

 だって、リオさんの事ですし、ベットにでも押し倒さない限り

 なんか戦場に向うーとか言いそうですし!」

「…え?」

「……え?」


……な、なんか、凄く恥ずかしい事を考えていたようだ。


「そ、その、それ以外に何かありますかね?」

「…いや、無いな、無い無い、決して無い」

「そ、それじゃあ、さっきの、え、って、一体どう言う…」

「い、言ってないし、そんな事!」

「わ、私がリオさんを無理矢理寝かしつける以外に何かやりそうな事な…は!」

「何に気付いた!?」

「そ、そうだ、ま、周りには人も居ないで、リオさんが目覚めていて

 そして、下着だけ…更には体力的に消耗していて、両手も拘束!

 抵抗する手段もないこの状況!」

「おいおいおいおいお!」

「こ、これは! も、もしかして、私が襲うと思いました?」

「普段のお前を見てりゃそう思うわ!」

「やだなぁリオさん、私は弱っている女の子を襲うほど

 屑ではないのですよ? やはり襲うなら万全でなくては!」

「襲うな! 万全だったとしても襲うな!」

「し、しかし…確かにこの状況、私の欲望が爆発しそうではあります!

 だって、リオさんが下着姿で、汗だくなんですし!」

「止めろ! 変な事を考えるな! お前はお前のままでいろ!」

「了解です! 私は私のままで欲望全開に!」

「押さえろよ!」

「し、しかしですよリオさん、リオさんは中身って男の子ですよね?」

「そ、そうだが」

「ならば! 人も誰1人居ないで、可愛らしい女の子と2人きり。

 女の子は下着姿な上に汗だくで、息も荒く、あまり抵抗も出来ない!

 押さえつけようと思えば容易に押さえつけることも出来るし

 その状況なら逃がすことはまず無い!

 更にその女の子はあなたのストライクゾーンど真ん中!

 こんな状況で理性を保てますか!?」

「な、た、保てるし…多分」


そ、そんな状況になったことが無いから分からないけど

多分耐えられると思う…思いたい。

いやしかし、汗だくと言う事はワンチャン見えるんじゃ…

は! な、何を考えている俺! 落ち着くんだ!

と言うか! どう考えてもそんな妄想が出来る状況じゃねぇ!

その設定の中に居る女の子ってアルルの中では俺の事だろ!?


「いや、絶対に保てませんね、だって、ストライクゾーンど真ん中ですよ?

 更にはお話しもしていて、仲もそこそこ良い関係!」

「仲がよければ余計にしないんじゃねぇの?」

「ふむ、確かに今の関係が壊れるのが恐いからと手が出せないかも知れません。

 しかしリオさん」

「なんだよ」

「その女の子が変態トークに付き合ってくれたら、脈ありと考えません?」

「な! ま、まさかお前!」

「そう! この質問は全て私による私の為の質問だったのです!

 リオさんが答えてくれればセーフで、答えてくれないで

 全力で否定されたらアウト、今回はセーフを引いたのです!」

「よ、よせ! 止めろ! それは駄目だ!」

「ぐふふ、このアルル、キスという夢は破れても

 まだ、リオさんという夢は破れていないのです!」

「き、キスだったら、ま、まだしてやるから! 変な事はするな!」

「な!」


アルルが衝撃で吹き飛んだように仰け反る。


「な、なんという…なんという魅力的な取引…」

「も、もう2回もしたからな、ふ、フレイとウィン

 さ、3番目で良いなら、ちゃ、チャンスをやっても良いぞ」

「チャンス!?」

「そ、そうだ、まずは俺から両手を離せ」

「く、こ、この状況ではぁはぁと息を切らしながらも

 不敵な笑みで私を見ているとは…流石リオさん、賭博師ですね」

「何処がだよ」

「く…しかし、この手を離せば」

「は、離さなきゃキスとかは無しだ」

「いや、む、無理矢理奪うという手も…」

「い、良いのか? そんな手段とって、取引に応じれば

 俺からキスしてやるってのに」

「な、なんですって!」


クソ、良いから早くどいてくれよ…今でも戦争中だぞ?

そんな中で、こんなふざけた会話をずっと続けるわけにも行くまい。


「くぅ…り、リオさんはあの時とあの時は自分からしたわけでは無い。

 つまり、この取引に応じれば、わ、私は王子様にキスをして貰う

 お姫様の様な状況になれるという、魅力的な取引…」


しかし、リオさんの心の内が読めない、ここで両手を離したとして

すぐにあの召喚魔法で銃を突き付けられれば、この千載一遇のチャンスは…

それに、あの取引、最初にまずと言っていた、あの後に何かが続くのは必然。

その次の取引が、死んでくれたら、とか、そう言う可能性もある。

リオさんの性格上、十分あり得ることだろう。

でも、り、リオさんから率先されてき、きき、キスをして貰えるなんて!


「さ、さぁ、ど、どうする?」


どうだ、俺の心の内とか読めないだろう…そう、この取引自体無駄なんだ。

そのまま長考すればするほど、お前は不利になるんだ。

お前の勝利条件は1つ、このまま俺を襲うことだが。

俺の勝利条件はこのまま一定時間粘る事…だな。


「くぅ…」


ど、どうするべきか…いや、そもそも待つんだ私。

今、リオさんは万全の状態ではないはず。

その状態で召喚魔法を使うのはキツいんじゃ…

だったら、両手を離して構えるという事は難しいはず。

もし、私がリオさんの立場だったら何を考える?

私をどうにかする方法は当然考えるとして

その為の手段はどうする? リオさんは私にキスする事は望んでない。

だから、この取引が正当に終了してしまうのは困るはず。

かといって、私が両手を離した瞬間に召喚魔法で攻撃をしようとしても

体調不良の今、召喚が失敗した場合、再び拘束される。

そうなれば、今回みたいな取引は出来ない。

じゃあ、どうすればこの状況を打破できる?


「……」


く、さっきのひと言から一切声を出さない…私に手の内を読まれないようにする為?

…うん、アルル、落ち着くのよ私、リオさんの狙いが分からない今

私が最も最初に取るべき行動など1つに決まっている! そう!


「…り、リオさん、私はリオさんにキスして貰うのも襲うのも無しです」

「んぁ?」

「や、やっぱり、リオさんに好きですって言って貰ってからじゃないと!」

「……は、お前、逃げたな?」

「にゃ、何の事ですか!?」


ば、バレた! バレてた! 私の心が読まれていた!?


「あれだろ? 俺の手の内が分からないから諦めて逃げたって事だろ?」

「そ、そそ、そんな事はありませんよ! 私は最初から襲うつもりはありません!

 ちょ、ちょーっと悪ふざけをして見ただけなんです! 本当です!」

「あ、そ、じゃあさっさとどけろ、お前が逃げたとしても違うにしても

 お前の負けだよ、へたれ」

「がふ! これは…応えます…しかし正論、何も言い返せません」


…結局諦めたのか、いや、本当ゾッとしたよ。

一時はどうなることかと思ったし。


「…まぁ、この話はここまでとして、ミロル達は?」

「はい、リオさんの事を伝えておきました。

 現状、あの虫の魔法使いが指揮をしていたであろう拠点を制圧したそうです。

 現在、その近くにあった都市を制圧、順調に進行中だそうです。

 しかし侵攻先にて、敵の布陣を発見、詳細が分からないため停止中、との事です」

「そうか」


結構良い感じの所まで進んでいたんだな。


「リオさんへの伝言は、しばらくはちゃんと休んでいなさいです。

 それと、私に気を付けなさいよ-、とも」

「それをお前が報告するのか」

「報告はしないといけませんし、まぁ、私は本当に健全優良な淑女なので」

「さっき襲おうとしてたよな?」

「あ、あれは! 一時の気の迷いというか、冗談です!

 り、りり、リオさんのちっちゃな身体に欲情するわけがありません!」

「今更感半端ねぇ、嘘ですって言ってるようなもんだろ」

「とにかーく! 私はお着替えを持ってきます!」

「あぁ…」


それから、ミロル達が戻ってきたのは5時間後だった。

…その間、俺とアルルは2人きり、あの賭け、相当やばかったって事だな。

アルルが根性無しで助かったよ、本当。

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