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幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第3部、第7章、戦況を変える戦い
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蚊の撃退

蚊の攻撃、厄介極まりない攻撃だ。

本当、1匹でもウザったいのにそれが数え切れないほどとは。

まず間違いなく痒いだけじゃ済まないだろうな、面倒くさい!


「どうするの?」

「今はミロルと合流することを優先しよう」


あいつの魔法なら多少は対処が出来るだろうしな。

今は急いで移動するしか無いだろう。

俺達はそのままアルル達にこの事を伝え、移動を続けた。

アルル達にはさっさと撤退しろと伝え、ひたすらに走った。

だが、あと少しで合流と言う時に蚊に追いつかれる。


「ヤバいな!」

「この数は…」

「魔法部隊! 撤退しながら攻撃!」

「う、うん!」

「狙撃部隊は下がりながら撃て!」


俺はバレットM82を召喚し、蚊の群れに狙撃を行なった。

俺達の攻撃は、一応蚊にはダメージを与える事は出来た。

だが、それでも次の蚊がすぐに迫ってくる。

やっぱりどれだけ排除しても、根本を叩いてくれないと撃破出来ないだろう。

でも、多少の時間稼ぎにはなるだろう。


「それ!」


ミロルの援護射撃、砲撃時の音から、戦車による攻撃だというのが分かる。

相手が蚊であるなら、中に侵入されに難い戦車は確かに適任だ。

だが、この大人数を庇えるほどに戦車は広くないだろう。


「リオ! あなたはそのままこっちに来て! 兵士達は撤退重視!

 私達がなんとか援護するから、狙撃部隊も今は撤退して!」

「俺だけお前の方に行けって!?」

「そうよ! 兵士達は撤退を優先! 私達はこのままここで攻撃よ!」


そりゃあ、この蚊に対抗できるのって、俺達魔法使いくらいだろうが。


「…ち、分かったよ、お前らはそのまま逃げてくれ! 俺は粘る!」

「でも!」

「良いから! ま、囮にはなるだろ、蚊は単純だし」

「お姉ちゃん! 危ないって!」

「お前はマルと一緒に逃げろ、危険だし」

「でも!」

「良いから!」


ウィン達には急いで撤退をして貰わないとな。


「で、ケミー、お前はどうする? 俺としては一緒に囮役をして欲しいが」

「…あなたは私達の人質、逃げるわけにはいかない」

「だろうな、よし、じゃ、時間稼ぐぞ!」


蚊はほぼ全て俺達の方に寄ってきていた。

まるで吸い寄せられるかのように、俺達に集中している。


「クソ! 蚊が引っ付いて邪魔!」


蚊を迎撃しようとしても、すぐに完全包囲されて刺されちまう。

滅茶苦茶群がるから、すぐに蚊に埋もれる。

ずっと振り払っても振り払っても次々と。

これは不味いぞ、長期戦になればマジに吸い殺される!


「足止めは良いでしょ!? リオ! ケミー! 急いでこっち!」

「でも、扉を開ければ!」

「構わないわ! どうせそれ以上は入らない!」

「…分かったよ!」


俺達は急いで戦車の中に飛び乗った。

戦車の中にはミロル、マナ、フレイの3人が乗っていた。


「リオちゃん! 大丈夫だった!?」

「あぁ、なんとか」

「安心しました」

「そうね、ま、これで攻撃出来るわ!」

「ミロル、そのスイッチは?」

「これ? そりゃぁ、大量の毒ガスよ!」


ミロルがそのスイッチを入れると同時に前方が爆発する。

そこから、大量のガスが周囲を包んだ。


「一応ガスマスク、結構強力だからね」

「あぁ…でも、これはかなり大規模だな」

「大量の毒ガスよ、人間だって殺す程の猛毒。

 蚊なんてちょっと吸っただけでイチコロでしょ」

「だが、もしも逃げ遅れが居たら…」

「この毒ガスは上空にしか行かないわ、だから、地上には影響がない」

「なんでドクロのマークなの?」

「デンジャーという意味よ!」

「おぉ! でんじゃー! なんか強そう!」

「危険という意味だからあながち間違ってないわ!」

「嘘を教えるな」


上空にしか行かないなら、地上の人間には影響は薄い毒ガス。

だが、蚊には確実な大打撃になる。

人でも殺す猛毒を少しでも吸えば、蚊なんてすぐにおっちぬか。


「ほら見て、結構落ちてるわ」

「あぁ」


上空を埋め尽くすほどに飛んでいた蚊の80%が落下した。

上空を黒く染めていた蚊は、豪雨の様に上空から降り注いだ。

もはや地上は真っ黒なじゅうたんになっている。


「おぉ! 雪みたい!」

「嫌な例えね、でも、結構大打撃みたいだし良いわ!」

「あぁ、流石ミロル…てか、痒い…」

「あれだけ刺されたらね」

「全身痒い、服の中まで潜り込んで来やがって!

 顔とかぶつだらけだろ!」

「そうね」

「はぁ、ま、吸い殺されてないだけマシかな」

「蚊に吸い殺されるなんて想像も出来ないけどね」


本来ならあり得ない状況だからな、そりゃ想像できないって。


「でも、この手ならなんとかなるでしょ」

「まぁな、だが、問題は」


その後ろからまだまだ飛んで来る蚊の群れだった。

大量の毒ガスをぶちまけても、休む事無く蚊が飛んでくる。

毒ガスが切れても、まだまだ休む事も無く飛んで来る。


「この数は本当にどうしようも無いわね…」

「あれだけ落としても、数は減る様子は無いしな」

「でも、まだあるわよ」


再びミロルが起爆をすると、同じく毒ガスが蚊を殺す。

だが、その毒ガスが切れても、蚊の数が減る様子はなかった。


「後、どれ位仕掛けてるんだ?」

「…ひ、1つよ」

「ヤバいじゃん!」

「こ、こんなに来るとは思わなかったのよ!」


流石に向こうも息切れをすると予想するだろうからな。

かといって、放置をするわけにはいかない。

ミロルは再び起爆をし、再び毒ガスが空を包む。

大量の蚊がさっきと同じ様に雨のように降り注ぐ。

それでも蚊の数が減ってるようには思えなかった。


「くぅ! こ、これだけやっても駄目っての!?」

「な、なんとか次を配置しねぇと!」

「無理無理! あの蚊の群れに突撃とか無理ー!」

「おい! メルかマーシャは!?」

「撤退させちゃった!」

「変な所でドジ踏むなよ!」

「だって危ないし! あの数で足りると思っちゃったのよ!」

「だったらなんでフレイとマナは居るんだよ!」

「強引に来たの」

「楽しそうだし!」

「あぁクソ! だったら、毒ガスの奴をよこせ! 設置してくるから!」

「はぁ!? あの中に突っ込む気!?」

「大丈夫だって! てか、召喚する場所を指定できるだろ!」

「無理! 壁の向こう側とか出来ないし! そもそも距離的にキツい!」

「だったら、もうやるしか無いだろ!」

「だけど、もう蚊に包囲されてるのよ!?」

「大丈夫だっての! 早くよこせ! 人形が合流したら!」

「し、知らないわよ、はい!」


ミロルが毒ガスが入った容器と爆弾を渡してくれた。


「設置方法は!?」

「足を立てて、そして、起爆剤を」

「あぁ、大体分かった、ゲームのあれと同じか、時間掛かるな」

「ひとまず、私も出て」

「お前らは人形の足止め頼む!」

「でも!」

「良いから!」


人形がこっちに来たら不味すぎるって!


「足止め頼むぞ!」

「く! 速攻で仕掛けてね!」

「分かったよ!」


俺は戦車を飛びだし、急いで設置を開始した。


「くぅ! 入ってくるな邪魔!」


蚊は俺の周りを包囲して、何カ所も刺してくる。

それに、視界も悪いし、クソ面倒くさい!

一応繊細な作業をしてるんだぞ!? 払う余裕なんて無いって!


「これを…こうして、痒い!」


クソ! あぁもう! 煩わしいけど振り払えないって!

こいつら、服の中とか平気で入ってきて邪魔くせぇ!

この…あ、あと少しなんだって、てか、この中で20分もってのは。


「よ、よし! で、出来た! 邪魔なんだよ!」


なんとか蚊を振り払って、急いで戦車の中に飛び込んだ。


「き、起爆するわ!」

「あぁ」


俺が戦車の中に飛び込むと同時にミロルが起爆。

最初よりも多数の蚊が落下した。


「だ、大丈夫!?」

「……あ、あぁ」


うぅ、ちょっと気持ち悪くなってきた。


「何だか調子が悪そうね」

「多分貧血じゃね?」

「…どんだけよ」

「いや、だってあれは1000匹には噛まれたろ」

「さ、流石にそれは…無いと思うけど」


あの数をカウントできるわけも無いし、正確な数は不明だ。

だが、この数に刺されたのは初めてだ。

いや、そりゃそうだけどさ。

あんなに噛まれるとか、絶対にあり得ない状況だし。

マジで吸い殺されるかと思った。

てか、全身が痒いんだけど、服の中まで痒いんだけど。


「あぁもう! 痒い!」

「ちょっと待った! なんで服を脱ごうとしてるの!?」

「かきにくいだろ!?」

「いやいや! かいたら余計に痒くなるって言うじゃ無い!」

「でもこれは無理だろ! もう痒すぎて若干痛い!」

「落ち着いてって!」

「そうだ! 虫刺されの薬をくれ!」

「い、いや…それは流石に無理よ! 召喚出来ないわ!」

「だったら止めるなぁ!」

「止めるわボケ!」


うぅ、痒い! 邪魔を為ないで欲しいんだけど!


「良いから離せ! 服を脱ぐから!」

「駄目駄目! 絶対駄目だって!」

「ちょっと落ち着いて、色々と大変だから」

「ケミーまで邪魔をするなぁ!」

「うぅ、何でこんなに力強いのよ! 見た目ガリガリなのに!」

「ふ、2人がかりでもキツい…て、手伝って!」

「およ? なんで?」

「なんでも! 私があなたの魔法をコピーして怪我をさせたら大変だし!」

「うりゃぁ!」


なんとか2人を振り払って、服に手を掛けた。


「待ってぇ!」

「うぅ! じゃ、邪魔をするなぁ!」

「暴走しすぎ! 落ち着いて! 状況を思い出して!

 そんな事をしてる暇は無いのよ!?」

「そ、そうそう、人形来てるよ!?」

「うぐぐぐぐぅう!」


も、もう我慢するしか無いのかよ、あぁ良いよ! 分かったよ!

堪えりゃ良いんだろ堪えりゃ! 確かに状況は悪いけど!


「ま、不味いわね、また毒ガスが…」

「くぅうう! 分かった! 早く次出せ次!」

「え!? でも、相当やばいんじゃ!?」

「良いから! 毒ガスが切れる前にやるから!」

「いやいや! 毒ガス充満中よ!?」

「ガスマスクを被ってやりゃ良いだろ! 蚊に刺されるのはごめんだ!」

「いやいや! 最悪死ぬから! 毒ガスは死ぬから!」

「蚊に噛まれるくらいならましだぁ!」

「いやいや! ぼ、暴走しすぎ! 感情的になりすぎよ!?」

「構わん! よこせ!」

「わ、分かった! 分かったって!」


よし! 毒ガス爆弾をもう一度ゲット。

すぐに戦車から飛び出して、同じ様に設置した。

だが、毒ガスが切れる前に設置することは出来ず。

最初と同じ様に蚊に刺されながら設置した。

そして、振り払って再び帰還。


「かゆいぃい!!」

「だ、だったら無理しなくても…」

「もう散々噛まれてるから今更かなって。

 後、ちょっと気持ち悪い、毒ガスでも吸ったかな」

「それはかなりヤバいでしょ!? 

 人間がちょっと吸っただけで死ぬような毒じゃ無いけど!」

「そんなのは良いけど…しかし、どうするんだよ、これ! まだか!?」

「いや、勢いが減ってきたわ!」

「あ、なら!」


これはあいつらが無事に制圧したと言う事か!?


「メイル、そっちどうなっ」

(ひゃぁあああ!)

「え!? おい! どうした!? おい!」


なんだ!? あ、あいつが叫び声を上げるなんて!

何かあったのか!?

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