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幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第3部、第6章、戦争後の長い息抜き?
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中距離戦闘訓練

アルルのお陰で辛うじて生理痛とやらは引いた。

だから、今日もなんとか動くことが出来る。

と言っても、やはりまだ銃の反動を受けたり

派手に動いたりするとしんどいからな。

ひとまず今回の訓練はミロルのサポートに回ろう。

一応、ミロルと会話をして、どんな内容にするかは2人で考えた。


「…聞いたわよ、来ちゃったみたいね」

「…うん」

「どう? 大変でしょ?」

「うん」

「これで少しは女の子の辛さが分かってくれたわね」

「そうだな、あそこまで辛いとは思わなかった」

「いやぁ、でもやっぱりこの身体でも生理来ちゃうのね。

 私、この身体になって生理来ないから楽-! とか思ってたのに。

 あなたが来たって事は、私も時間の問題かしら」

「そうかもな、でも、その時はアルルに相談してくれ。

 あいつ、色々と対策調べてるみたいだし。

 今日だって、俺は本来この場に立てるような状態じゃ無かったんだ。

 でも、アルルのお陰でなんとか動けるようにはなった」


あいつが色々と教えてくれなかったら、俺はまだベットでうずくまってただろう。

動くことも出来ないし、痛みも今より数段キツいはずだ。


「へぇ、じゃあ、アルルも生理痛が酷いたちなのかしら」

「いや、アルルは生理痛が異常に軽いみたいだ。

 ちょっと血が出てるだけって言うくらいだし」

「…それなのになんでそんなに対策を知ってるの?」

「どうやら、俺が生理痛になったときに色々とサポートするためらしい」

「はぁ…そりゃまた凄いわね、尽くすタイプね、やっぱりアルルは」

「そうだな」


変態って所が無ければ、確実に良い嫁になるはずなのになぁ。

なんで何処か残念なんだろうか。

でも、そこを妥協できれば、あいつは相当理想の嫁になりそう。

尽くすタイプで努力家で頭も良くて話しやすくて美人で

家事も完璧にこなすし、怒るときはしっかり怒るし

…あいつ、色々と完璧超人なのになぁ。

まぁ、胸が無いから巨乳派には残念なのかも知れないけど。


「まぁ、アルルがそう言うのは今に始まった話じゃ無いけどね。

 と言うか、もしもリオが男だったとして」

「もしもも何も俺は男だが?」

「男に生理痛があるのかしらねぇ?」

「うぐ! か、身体は女かも知れないが、中身は男だ!」

「まぁ、それはそうなんだけど。

 とりあえず、あなたが身体も男だったらよ」

「ん、あぁ、そうだな」

「その場合、アルルはありなの?」

「……俺が男だったら、あいつはあんな風になってないんじゃね?」

「まぁ、そうでしょうね、で、そうだったらアリかって事よ」

「…そうだな、アリではあるかも」


変態という点が無ければ顔も良いし、性格も良いだろうからな。


「ふーん…だったら、やっぱりアルルが1番のライバルなのかしら。

 でも、考えてみれば…他にも魅力的になりそうな子も多いし…

 うーん、私も頑張らないと、すぐに越されかねない…」

「んー? 何小声で喋ってる?」

「あ! いやいや、何でも無いわ! 後、思ったんだけど」

「なんだよ」

「もしもあなたが男でその身体のあなたが別に居たとしましょう」

「何を訳の分からないことを」

「例え話よ、っと、その場合、あなたはその身体に魅力を感じるの?」

「……考えたことも無いが、多分感じないと思うぞ?

 だってあれだし、この身体は姉妹とかそこら辺のレベルだろ」

「まぁ、そうでしょうね、それに将来の自分の姿も分からないし」

「なんでそんな事を聞く?」

「いやぁ、少し気になってね」


変な所が気になるんだな、まぁ、ミロルはそう言う感じはあるけど。


「じゃあ……あ、いや、何でも無いわ! さっさと兵士達に稽古を付けないと!」

「え? あぁ、そうだな」


話を逸らすとは…や、やっぱりミロルって俺の事が好きなんじゃ!

いや! 待て、落ち着け…はぁ、そう、考えてみればそれは無い。

いや、あって欲しいけど、あまり食い付くのは止めておこう。

下手な事を言って、お互いの関係を崩すわけにはいかない。

動くとすれば、やっぱり全てが終わった後だ。

そもそも、俺に幸せを噛みしめる資格があるかと言えば疑問だが。

色々な屍を踏み越えて来たんだ、俺は幸せにならなきゃならない。

そうしないと、俺が殺してきた人達の最後は無意味になっちまう。


「っと、まぁ、兵士達、これから訓練を始めるわ」

「はい、しかし、今回はリオ大佐では無いのですね」

「何? 私じゃ不服かしら」

「いえ! ミロル少佐に鍛えて貰うなど身に余る光栄であります!」

「やれやれ、一応私も銃に関してはプロフェッショナルなのよ?」


ミロルが指を鳴らすと同時に、5方向から的が出て来た。

同時にミロルは自分の手元にベレッタを2挺召喚し、的を全て撃ち抜いた。


「な!」

「これで分かってくれた?」


ベレッタを回転させ、銃口を吹いた。


「…それやるならリボルバーで良いじゃん」

「うっさい」


そう言うのってやっぱりリボルバーだと思うんだけどな。

でもまぁ、さっきの行動で説得力は生まれただろう。

兵士達と同じ装備という訳ではないが、攻撃動作はほぼ同じ。

それでミロルは5方向から無造作に出て来た的を撃ち抜いた。

事情を知ってる俺は何処から的が出てくるのか分かってるからな

と言う風に考えるが、兵士達はその事が分かってない。

あくまで説得力を示すための行動だから何でも良いか。


「凄い…5方向の的を瞬時に…」

「この腕は…リオ大佐以上の可能性も…」

「一応言っておくけど、リオの方が上よ?

 今はちょっと事情があって実力は示せないけどね。

 まぁ、この距離だと若干私の方が上かも知れないけどね。

 リオが得意とするのは長・超長距離狙撃、私は中・近距離に強いわ。

 でも、戦術性や経験とかから、私は得意とする距離でもリオには勝てないわ」

「リオ大佐はそこまでの実力が…」

「いや、過大評価しすぎだろ、プレッシャー掛けるな」

「へぇ、3回も私と戦って3回も勝った癖に?

 それに、3回とも全部私が得意とする距離…間違いないでしょう?」


あれは運が良かっただけなんだが、強く否定するのは止めておこう。

兵士達に俺の実力に対する畏怖やら尊敬やらを抱かせる事は重要だろう。


「あ、あんな手練れに3回も…」

「しかも、1度は多対一、1度は1対1、どっちも負けたけどね」

「なん…」

「まぁ、今のリオになら勝てそうだけど」

「お前人が辛い思いをしてるってのに」

「一体、何があったんですか?」

「まぁ、怪我みたいな物かしらね、多分昨日から調子は悪かったと思うわ」

「じゃあ、先日は体調が悪いというのにあんな狙撃を…」


昨日はあまり酷くは無かったんだけど…まぁ、何も言うまい。

ここはミロルのやりたいようにさせておこうか。

俺もこいつの事は信頼してる、無駄な事はしないだろう。


「だから今回は私があなた達に色々と教えてあげるわ。

 後、今回の訓練内容は私とリオの2人で考えているから安心して。

 それと、私はリオよりも厳しいから…覚悟してね?」

「は、はい!」


小さな子供だと言うのに、なんという威圧感。

流石はリ・アース国の最高権力者まで上り詰めただけあるな。

それに、こいつは自分の兵士達に銃の扱いを教えていたし

誰かに教えるのも得意そうだし、意外と適材なんだろう。

でも、やっぱり俺も一応は指揮官として参加しておかないな。


「さて、中距離戦闘における重要ポイントを軽く教えるわ。

 中距離戦闘は、先に気付く、と言う点が重要よ。

 中・近距離戦は突発的な戦闘がメインになるからね。

 反射神経が重要になってくるのよ」

「ほぅほぅ」

「そして、反応しての正確な技術が重要になるわ」

「だから、今回の装備はその最新式の銃器では無く旧式を使って貰う」

「旧式ですか?」

「あぁ、今回は旧式だ、精度が悪く、素早く放てる銃を使って貰う。

 ある程度当てる事が出来るようになれば、新型を使って貰う」

「はい!」

「さて、今回の訓練場に移動するわ、付いてきなさい」

「はい!」


俺達は兵士達を引き連れ、近くの森の方に移動した。


「森…ですか」

「えぇ、今回の訓練はこの場で行なうわ。

 この場にはいくつかの的が用意してある。

 あなた達が一定範囲に入ればその的が起き上がる仕組みよ」

「はい!」

「で、ここが重要なんだけど、的は起き上がって2秒後

 近くに居る兵士に向って攻撃を仕掛けるわ」

「え!?」

「殺傷能力は無いけど、結構いたいと思うわよ。

 だから、あなた達は常に周囲を警戒して進まないと駄目よ。

 そして、3回被弾した場合、すぐに森から出て来て貰うわ

 隠そうとしても意味は無いわよ? 見てるんだから。

 因みに3回被弾した場合、的を一気に出すから逃げなさいよ?

 で、目的はこの森の中心にある短刀、人数分あるわ」

「は、はい」

「で、短刀取得後はその短刀を利用して戻ってきて貰うわ。

 短刀取得後は中距離の的と近距離に出てくる的が混ざるわ。

 近距離の的は出現から0.5秒後に攻撃を仕掛けるわ」

「0.5秒ですか!?」

「何驚いてるのよ、それ位で反応できなきゃ死ぬわよ」

「は、はい…」


今回、この兵士達はミロルの狙いに気付く事が出来るかな。


「じゃあ、1人ずつね、始め」

「はい!」


俺とミロルは兵士達から少し離れた場所で中の状況を見る事にした。

森の中には色々な所にカメラを用意して、兵士達の動きが見られるようになってる。

アルルなら森の中の状態だって多少は分かるのかも知れないが

流石の俺達にそこまでの視力は無い。

と言うか、今回はアルルにも参加して貰ってるしな。


「うーん、なんで私まで…」


アルルは後半に森の中に入って貰う事にした。

こいつも多少は銃を扱えるようになって欲しいからな。

っと、兵士が1人入った。

兵士は周囲を警戒しながら歩き続けている。

正面に的が現われ、その的を発見、銃を構えて引き金を引く。

しかし、弾丸は若干逸れ、当ることは無かった。


「やっぱり緊張感が良い刺激になってるわね」

「あぁ」


攻撃されるという脅しが兵士に実戦に似た緊張感を与える。

だから、突発的に的が出て来た際に手が震えていた。

それが原因であの的を撃ち抜くことが出来なかったと。

だが、2発目は辛うじて的を撃ち抜くことに成功した。

兵士は安堵の表情を浮かべ、再び周辺を警戒しながら進んだ。


「まぁ、最初でダメージだとちょっとね」


被弾は3回まで、だからこその緊張感もあるだろう。

だが、どうも前ばかり見ている傾向があるな。

っと、兵士の背後に的が出て来た…が、気付いてないな。

2秒経過後、的は攻撃を兵士に向けて放った。


「痛!」


やはり結構痛いみたいだ、兵士はすぐに背後の的に気付き

銃を構えてその的を撃った、が、2回は外す。

不意に背後から撃たれたせいで震えてしまうんだろうな。

そして、2秒以内に当てる事は出来ず、2発目の着弾。

その直後に的を倒すことが出来た。

が、後方に下がって撃ったせいか背後の的も起き上がり兵士を撃った。


「アウトね、えい」


ミロルがボタンを押すと的が一気に起き上がり、兵士に向って攻撃を始めた。

兵士は急いで森から飛び出し、息を切らした。


「うぅ…はぁ、はぁ…だ、駄目だった…」

「そ、そんなに難しかったのか!?」

「あ、あぁ…」

「実戦なら死んでたわ、ちゃんと背後も警戒しなさい」

「す、すみません」

「よし、次!」


そのまま、兵士達の訓練をしたが、ここまで短刀までいけた兵士はゼロだ。

やはり難易度が高いと言う事なんだろう


「はい、次」

「あ、私ですか? いやぁ、私ってあまり銃の」

「良いから行け」

「はい! 申し訳ありません!」


アルルがさっさと森の中に入っていった。

アルルは周辺を警戒しながら進行する。

背後に的が出て来たが、同時にアルルは反応し銃を構え引き金を引いた。


「当った!」


やはり突発の戦闘ではアルルの実力はかなりの物だと言う事だ。

アルルは構えて居るとどうしても意識して震えてしまうみたいだ。

だが、突発の戦闘ならそれが無い、だからこそ強く速い。


「いけますね、リオさーん、見てますかぁ?」

「か、カメラの位置まで分かってるのね、隠してるのに」

「アルルだからなぁ」


カメラはかなり上手く隠せた気がするんだが、見抜いちゃってるからな。

わざわざこっちに向いて手を振ってるし、確実に分かってる。


「意外と私、突発には強いのかも知れません」


その独り言の通り、アルルは不意に出てくる的をことごとく撃ち抜いた。

やはりアルルの実力はかなりの物だと言う事が分かった。

そのまま、1発も被弾をする事無く短刀までたどり着いた。

アルルはその短刀を取り、そのまま帰る。


「…っと」


アルルは中距離の相手を撃ち抜き、歩く。

不意に目の前に的が出てくるが、素早く短刀を抜き、的を裂いた。

その動作は本来なら1秒以上は掛かると思うが、アルルは一瞬だった。


「こりゃ…アルルハイスペック過ぎよ」

「それは思った」


本来の意図とは違う方法でそのまま森から抜けた。


「す、スゲぇ…無傷だ…」

「リオさん、私、結構突発の戦闘には強いみたいです!」

「そうみたいだな、侮ってたよ」


アルルの成功は兵士達のやる気に火を付けた。

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