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幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第3部、第6章、戦争後の長い息抜き?
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大人数かくれんぼ

うーん、なんかジャンケンで俺が鬼の1人になってしまった。

まぁ、鬼になる確率は結構高いしな、10人だしよ。

しっかし、なんでこの年になってまで子供の遊びなんてしないと…


「まぁ、当然だけどあまり乗り気じゃないのね」

「そりゃそうだろ」


ミロルも鬼だ、しかし、俺とミロルが鬼ってだけで

相当索敵能力高くなりそうだよな。

俺はこれでも狙撃手、観察力には自信がある。

流石にアルルほどにぶっ飛んだ索敵能力は無いがな。

あいつの索敵能力と視力はおかしいと俺は思う。

あれは人外レベルだろ…何処に目が付いてるんだ?

なんか全身に目が付いてるんじゃ無いかって疑うほどだ。


「しかしね、私たちが鬼ってのも結構酷よね」

「俺も思う、でもまぁ、アルルが居ないだけましだろ」

「アルルが居たらすぐに全部見付けそうよね」

「あぁ、あいつはおかしい」


本当、魔法は使えない大人ではあるが

それでも格闘技術もあるしあの観察力の高さも異常だ。

何だかんだで完璧超人なんだよな、あいつ…性格を除いて。


「よし、カウント終わった、探すよ」


トラが最後までカウントを終えて、俺が渡したセキュリティシックスを撃った。


「それじゃあ、探すか」

「そうね…と言っても、もう見えてるんだけど」


後ろを振り向いて最初に目に飛び込んだのは

隠れてるつもりなのか知らないが、尻が思いっきり飛び出している子供だった。

木の上に隠れてるつもりみたいだけど、うん、尻が見えてる。


「……そこ、尻見えてるぞ」

「……!」


俺の言葉に反応し、尻が木の中に隠れた。

いや、動いたらアウトだろ、あの動きのせいで木が揺すれて葉っぱが落ちたぞ。

隠れてるつもりあんのかな?


「はいそこ……あぁ、フレイか、何となく隠れ方が間抜けでお前っぽいとは思った」

「うぅう! もう見付かった! 近くならバレないかなって思ったのにぃ!」

「せめて尻を隠せ、思いっきり外から見えてたし」

「外から見えてるか見えてないかなんて私わかんないもん…」

「違和感とか感じないのかよお前は」

「知らない!」

「やれやれ」


でもまぁ、実にフレイらしいな、木の上にわざわざ登ってるところも

尻を隠せないって言う馬鹿プレーもね。

まさか頭隠して尻隠さず、なんてことわざをそのままやるとは思わなかった。

もうわざとやってんじゃねぇかなと思うが、フレイは至って真面目だろう。

こいつは遊びだろうと訓練だろうとなんだろうと全力でやる猪だからな。


「…あれが猛突の破壊者、なんか想像と違う」

「んぁ? なんだそれ」

「えっと、フレイちゃんの事をそう呼んでる人が居て」


ほぅ、前に制圧した憑依魔法使い達もこいつの事知ってたのか。


「しかし、なんか名前負けだな、フレイにそんな2つ名って」

「でも、猛突って所はあってそうね」

「まぁ、突撃馬鹿だからな」

「人形の視線で見ていて、彼女が視線に映ったらバラバラ確定って

 だから、猛突の破壊者って…そう聞いた」

「まぁ、あいつの破壊力は凄まじいし」

「何々? 私、褒められてる? 嬉しいよ!」

「2つ名ね、なんか気になるわ、後で色々と聞いてみましょう」

「えっと、知ってることなら…」

「でも…今はそれより、探さないと」

「だな、探すか」

「最初に見付かったから何だか暇だよ…」

「我慢しろ、見付かった奴が悪い」

「ひどぃ…2回戦まで隠れる場所を考える!」

「に、2回戦までやるつもりなのか?」

「勿論!」


マジか、まぁ、こいつは楽しいと感じたらトコトンまでやるからな。

やれやれ、中々に面倒くさいというか、かったるいというか…

でも、やると言ったのは俺だし、付き合うしかないか。


「ま、すぐに終わらせましょう、次はあそこね」

「俺は逆を探してくるよ、そっち探してきてくれ」

「はいはい」


俺達は全員で手分けをして子供達を探した。

まさか子供の遊びで少し楽しくなるとは思わなかった。

まぁ、楽しくなった理由は単純で、子供達の隠れ方が面白かったからだ。

ある子供は木の根っ子に隠れようとして抜けなくなってたり。

ある子供は自分に砂を掛けて地面に隠れようとしてたり。

でも、殆ど隠れられてないし、不自然に浮いてたからすぐに分かったが。

ある子供は俺の動きに合せて木の陰に隠れようと動いたり。

俺がもうとっくに気が付いてるって知らずに必死になってて面白かった。

ある子供はそもそも隠れてなかったり…隠れる場所が見付からずパニックって感じ。

あるチームは5人で同じ場所に隠れてギュウギュウだった。

声で場所が分かって、あっさりと一網打尽だ。

ある子供は案山子の振りをして隠れようとしてたりな。


「さて、後は…20人か」


残り時間30分で残りは20人。

内、俺が発見したのは36人、ミロルは31人だ。

他の子供達が見付けた数は合計して13人。

やっぱり俺とミロルがダントツで見付けてる。

そりゃな、人が隠れそうな場所は大体検討は付いてる。

本気で探してるわけじゃないのにこれだけ見付かるんだ。

まぁ、相手は子供だし仕方ないと言えば仕方ないんだけどな。


「さて、何処かなっと…ん?」


俺が訓練場内の小規模の林を捜索していると、びしょ濡れの子供を見付けた。


「おい、どうしてそんなびしょびしょで!」

「え、えっと…あそこの湖に落ちて…」

「だ、大丈夫だったか!? 怪我は!?」

「溺れそうになったけど、女の人が助けてくれて」

「女の人? 誰だ、容姿は?」

「確か…赤い髪の毛でリボンで髪を左右でちょっと結んでた。

 目の色は青色で…えっと、水色の…服を着てて」

「紅い髪の毛…リボン…あぁ、なる程」


あいつか…全く本当にあいつは優秀な裏方だよ。


「でも、とにかく良かった、怪我がなかったみたいで」

「うん…でも、私あの人にお礼が言いたくて…でも、何処にも」

「大声で叫べば多分聞こえるって、まだ近くに居るだろうしな」

「うん…分かった」


彼女は大きな声でありがとうの言葉を叫んだ。

そこ叫び声は林中に響き渡っただろう。

あいつの事だし、どうせ何処かで聞いてるんだろうしな。


「よし、それじゃ、さっさと戻ろうか、ここは危ないしな」

「うん」


彼女を連れてフレイ達を待機させている場所に戻った。

全員、何故かびしょびしょになっている彼女を心配して声を掛け

湖に落ちたと言う事を全員に話した。

その話を聞いたフレイから、意外な事にもうかくれんぼは止めようと言う言葉。

誰よりも楽しんでて、2回戦をあんなにも楽しみにしてたのにだ。

自分の楽しみよりも子供達の安全を優先しようとしたって事だな。

やっぱりフレイは自分勝手なように見えて、ちゃんと周りを大事にしてるな。


「良いのか? フレイ」

「…うん、皆とはもっと沢山遊びたいけど、皆が怪我しちゃったら意味ないもんね」


フレイは少しだけ悲しそうな表情をしている。

内心ではもっと遊びたいんだろうけど、危ないのは駄目だと理解してる。

先生の教育の賜物だって事だな。


「ふふふ、そこはご安心ください!」


そんな声が聞こえてきて、その方向を向いてみると。

そこには兎の仮面を被ったアルルが立っていた。


「皆さんの安全はこの謎のヒーロー、うささちゃんが守ります!」

「うささちゃん!? おぉ! なんか知らないけど格好いい!」

「……アルル、お前そんな気持ち悪い趣味あったのか?」

「な! わ、私はアルルではありません! あ、いえ、アルルではなーい!

 私は! 謎のヒーロー、うささちゃんだ!

 ふふふ、そこの可愛らしいレディ、間違えないで欲しいですね!」

「……」

「ちょっと! なんで1歩引いたんですか!?」

「いや、なんかテンションが気持ち悪くて」

「あ、私も何だか…」

「待って! 折角皆さんのために変装したのに!」

「うささちゃんかっけー!」

「カッケー!」

「気持ち悪い」

「可愛い!」

「なんで兎なのにあんなに足が長いのかな?」

「格好いい!」

「ふふふ! ちょくちょく聞える様な貶し言葉など聞えませんとも!」

「自分で聞えるって言ってるじゃん」

「言ってません!」

「しかしあれね、ただでさえ変態性が凄かったのに更に悪化したわね」

「変態ではありません! 仮に変態だったとしても! 変態と言う名の淑女です!」

「それは熊の格好をして言え、兎はむしろ告発する側だし」

「え? 何かあるんですか? 兎と熊?」


まぁ、完全にあのネタだしな、こっちの世界の住民であるあいつには分からないか。


「まぁ! なんだって良いのです! 皆さんの安全は!

 この正義のヒーロー! うささちゃんとその仲間達が守ります!」

「シルバー達も来てるんだな」

「はい! 無理言って…あ、いえ! 正義の心が共鳴して!」

「いや、もう良いからそう言うの」

「とにかーく! 皆さんの安全は我々が守るので!

 あ、君達は心おきなく遊ぶんだ!」

「たまに設定思いだしたように口調変えるなよ」

「設定じゃありません! これが私の口調なのです!

 正義のヒーロー! うささちゃんの!」


何度も何度もボロが出てるのによく言うよ。

でもまぁ、あいつの登場で子供達は結構喜んでるからな。

一部は喜んでないけど…むしろ怖がってるけど。


「では君達! 楽しく遊ぶんですよ! 危ない事は出来ればしないでください!

 怪我をしたら手当もしてあげますが、痛いのは取れませんからね!」

「あ、うささちゃん口調が変わった!」

「は! おほんおほん! 怪我の手当はしてあげるが

 痛いのは取れないから気を付けるんだ! ふはは! ではさらば!

 うささちゃんはクールに去るのです!」

「いや、その格好とか後全体的に全くクールじゃねーよ

 むしろクレイジーだよ、クレイジーに去るぜって言ってろ。

 何かクールと似てるだろ?」

「似てませんけど!? クと伸ばし棒しか合ってませんけど!?」

「3分の2が同じって事はほぼ同じだろ、似てるだろ、クレイジー仮面」

「うささちゃんです!! これは決して仮面ではなく!」

「むしろ兎が顔そのままで顔から下が全部人間ってキモいわ

 仮面って方がまだましだろ、痛々しくなるだけで」

「私は正義のヒーローです! ではさらば!」


逃げたな。


「あぁ! うささ仮面が何処かに行っちゃうー! 格好いいうささ仮面が!」

「混在してるようですけど私はうささちゃん!」

「あぁ、そうだった! アささちゃん!」

「余計に混ざってます! 私はアルルでは無ーい! うささ仮面だ!」

「やっぱ仮面なんだ」

「あ! ちが! うささちゃんだ! さ、さらば!」


逃げたな、今度こそ全力で逃げたな。


「…なんかアルルってさ」

「ん?」

「良い奴よね」

「あれで変態じゃ無けりゃな」


あんな格好で出て来たのは多分あの落ちた子供が

気にしないようにする為だろうな。

それと子供達を盛り上げることでさっきまでの雰囲気を緩和したかったんだろう。

あいつは子供達全員に本気で楽しんで欲しいからあんな道化を演じたんだろうな。

そんな事を自分から出来るのは多分あいつくらいだろう。

ノエは騙されてやりそうだが、それは進んでやってるわけじゃないしな。

でも、あいつは自分からあんな道化を演じた…その根性だけは尊敬するよ。


「うん! 何だかよく分からないけど! ウルル仮面が守ってくれるみたいだから

 遊ぼう! きっとアサル仮面が居るから大丈夫だよ!」


アサル仮面って、なんか突撃が得意そうだな。


「うん! そうだね! 2回戦やろう!」

「おー!」

「おー…」


まぁ、良いだろう、アルルに免じて付き合ってやろうかな。

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