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幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第3部、第2章、勝利後はのんびりと
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疲労への追撃

はぁ、はぁ、腹痛いし横腹痛いし心臓痛いし足痛いし掌痛いし腕痛いし…

ハッキリ言えば全身が痛い…勘弁して欲しいんだけど…骨折れてないよな?

いやまぁ、骨なんて折れてたらこんなにのんびりは出来ないか…

と言うか、開始30分でもうすでに満身創痍なんだけど。

この合同訓練の予定は確か5時間だっけ…まぁ、重要事項だしな。


「でも、リオちゃんが休憩だと私はどうすれば良いんだろう」

「普通ならあなたもおやすみですけど…余裕そうですね」

「うん! 問題無いよ!」

「そいつの体力は無尽蔵だからな…恐いくらいに底が見えない

 あそこまで派手に立ち回って息切れ1つしてないとか化け物かよ」

「あはは! 走り回るのは得意だよ!」

「俺なんて…ぜぇぜぇ言ってるのに、いたた…」

「開始30分で動けそうにないですね」

「こいつの相手をするのはフルマラソン走るくらいキツいんだよ」

「…ん、私が相手をする」


何だ? フランが自分から名乗りを上げてきたな。


「え?」

「だ、大丈夫なのか?」

「うん、私はお姉ちゃん、妹の相手くらい出来ないと」

「んー? 私はフランちゃんの妹じゃないよ?」

「私が1番年上なんだからお姉ちゃん、だから相手する」

「年上なの? 見た目ほぼ同じなんだけど」

「見た目はな、でもこいつだけ生理来てるぞ」

「は!? 見た目子供なのに生理!?」

「半年に1回…しんどい」

「あれ? 間隔が違うのね…1ヶ月に1度じゃないの?

 まぁ、生理はしんどいし、間隔が延びることに越したことないわ」

「なんでミロルさんが整理のことを知ってるんですか?」

「…ほ、本で読んだのよ!」

「エッチです!」

「保険の本よ!? エッチじゃないわ!」


ミロルは俺と同じで中身は高校生だからな、生理の経験はあるだろう。

……うぅ、生理…生理かぁ…やっぱり来るんだろうか。

いや、くるわけがない! 俺は男だ! 来るはずがないんだ!

落ち着け、動揺するな…あ、なんか震えてる気がする…きっと気のせいだし!


「因みに私も生理はありますよ? 私の場合は1ヶ月に1度です」

「生理? お前がそんな風になってるところを見たこと無いが」

「そりゃあ兵士ですもん、体調が悪かろうが気合いで堪えますとも

 因みに昨日終わりましたよ、なので今日はテンション上げます!」

「き、昨日も平常運転だったような気がするんだが…」

「当たり前は受入れるしかないのですよ」

「はぁ、逞しいわね」


まぁ、アルルだからな。

と言うか、それで受入れる事が出来るってヤバいよな。


「だから私はお姉ちゃん、お姉ちゃんなら妹の相手も出来て当然」

「んー、えっと、相手をしてくれるって事だよね?」

「うん」

「…怪我とかしない?」

「大丈夫」

「でも、何だかリオちゃんじゃないと不安なんだけど…」

「いや、俺の時も不安を感じろよ」

「結果的に怪我はしてませんし」

「腹は痛ぇんだよ!」

「5発受けてましたからね、お腹に」

「なんで腹ばかり…」

「お腹以外の攻撃は全部避けてますし」

「はぁ、腹部への攻撃回避が今後の課題だな、現状防御ばかりだし」


あいつの攻撃はことごとくキレが良いんだよな、だから腹部への攻撃は回避困難。

踏み込みも早いからかなり恐いし。


「よーし、じゃあ相手をして貰おう!」

「来なさい、お姉ちゃんの威厳を見せてあげる」

「フラン、無茶するなよ」

「大丈夫」

「じゃあ、行くよ!」


フレイはぴょんぴょん跳びはね、3回目の着地後、すぐに間合いを詰める。


「え?」

「てりゃ!」

「あが!」

「あ、ありゃ?」


フランはフレイの攻撃を回避する所か反応することも出来ずに顔を殴られた。

あまり大きな音はしてないから、本気では攻撃してないんだろう。


「う、うぅ…」

「だ、大丈夫?」

「だ、大丈夫」


完全に鼻に入ったけど、大丈夫か? 折れてなけりゃ良いんだが。


「ふ、ふふ、でも、大したことない、これ位なら耐えられる」

「えっと…ちょっと恐いからかなり手加減したんだけど…痛かったかな?」

「て、手加減? あれで?」

「ちょっと待てよ! お前手加減って何とか言ってなかったっけ!?」

「だって、リオちゃん相手に手加減したら当らないもん」

「手加減しろよ!」

「て言うか、それなら手加減なんてしないで良いのに…」

「だって、そんな事言ったら怒られるんだもん」

「そりゃ怒るわ!」

「ご、ごめん…」

「ったく…はぁ」

「……リオ」

「なんだよ」

「尊敬する、良くフレイの相手が出来てたね」

「赤ん坊の時からの付き合いだからな」

「でも、私もお姉ちゃん、フレイの全力の遊び相手にならないと」

「と言うか、これは合同格闘訓練ですよ? まだ格闘術教えてませんけど?

 組み手大会じゃないんですよ?」

「…私達が終わったら本番初めて」


フラン…本気でフレイの相手をしようとしてるのか?

まぁ、フレイの相手をこいつがしてくれるんなら、俺は大分楽になるが。


「さぁ、フレイ! 本気で来て!」

「え? じゃ、じゃあ、本気で行くけど…怪我しない?」

「大丈夫」

「じゃあ、行くよ!」

「うぐはぁ!」


ワンパンだった、一気に接近してきたフレイに反応することも出来ず

フランはフレイの一撃をモロに受け、一撃で地面に倒された。


「ふ、フランちゃん!?」

「…ふ、流石フレイ…強くなったね…お姉ちゃんは嬉しい…よ」


笑いながら親指を立て、フレイの成長を喜んでる様な行動を取ったが…

お前、フレイの相手を今までした事無いのに成長も何も分からないだろうに。


「ふ、我が生涯、悔いしか無いけどさようなら」


そう言い残し、フランが掲げた親指が地面に落ちた。


「フランちゃーん!」

「お、お姉ちゃ-ん!」

「…いや、大丈夫だと思うけど」


ぶっ倒れたフランに駆け寄るウィングとフレイ。

そんな2人を外野から見ていたトラが冷静な解説を残す。


「そもそもこれで死んでたら…リオは今まで何回死んでるだろう」

「少なくとも30回は死んでるな」

「30回も受けてたの?」

「訓練する度に貰ってたし…今回だって5発貰ってたろ」

「フランは開始5秒でダウン、リオは本気のフレイ相手に30分ノンストップ…

 もう接近戦もかなり強いでしょ、あなた」

「前も言ったが組み手の度に組まされてたんだ、いやでも回避は得意になる

 後、回避が得意なだけで攻撃は不得意だからな、今まで殆どしてないし」

「接近戦闘は回避が得意ならば殆ど問題はありませんわ」

「攻撃出来なきゃジリ貧だがな」

「拳銃あれば反撃できるんだし問題無いでしょ」

「いや、そうだけど」

「と言う訳で、ほら」

「ん? なんだよ」


ミロルが少しだけ笑いながら、俺の方にベレッタとコンバットナイフを投げてきた。

久し振りに持った気がするな、ベレッタとナイフ。

最初はそこそこ重たかった記憶があるが、今じゃ割と軽い。


「なんだよ」

「もう1度、あなたと接近戦したい気がしてたのよね」

「いや何でだよ、言っとくけど俺はまだあまり動けないぞ?

 若干足も痙攣してるんだ、接近戦なんてごめんだぞ」

「不利な状況なら勝てるかもと思ってね。

 あ、大丈夫よ、ナイフは刃を削ってあるし、ベレッタの弾丸は非殺傷よ

 マガジンはこの10本」

「いや、だからやらないって」

「拒否権はないわ、得意な接近戦で負けたのは何だかイラついてるだけだし」

「1年も前だろ!? それにあの時はこっちも魔法を使えたし」

「本来なら私が圧倒的有利だったはずなのに負けたのがね…

 だから、戦いなさい、疲労してる今なら勝てると思って」

「ひ、疲労してる俺に勝っても何も誇らしくないだろ!」

「少なくとも気分は晴れるわ、だから、勝負!」

「ぬぉ!」


きょ、拒否権はないか…と言うか、最初にナイフでの攻撃とか。

でだ、俺の予想だとこの次にベレッタでの攻撃に移ると思う。

こっちはナイフの攻撃をベレッタで受けてるから使えないが

ナイフは動かせる…ベレッタを動かしたときに銃口に差し込んでやる。


「はぁ!」

「うぁ!」


だが、俺の予想は外れ、次の行動はナイフを素早く戻しての斬り付け。

危うく貰うところだったが、辛うじて後方に下がり回避した。


「そこよ!」

「危ねぇ!」


次の攻撃は後方に飛び退いた俺に向けてすぐに銃を向けての攻撃だ。

この行動は分かりきっていたが、分かっているからと反撃できる攻撃じゃない。


「くぅ! や、やってやらぁ!」


ミロルの弾丸を辛うじて回避すると同時にこっちも銃を構える。

近距離での早撃ちの場合、俺とミロルではミロルの方が早い。

だから、反撃をする場合は接近するしかない。

この距離だと単純に早撃ちの速度で勝敗が決まる。

だが、間合いを詰め至近距離での戦闘ならナイフによるカバーも可能だ。

これでもフレイとの組み手で培った勘もある、至近距離ならこっちに分があるだろう。


「そら!」

「く!」


ナイフ攻撃を仕掛け、一気に距離を詰めることに成功した。

この距離ならまだ俺の方が有利だ!

近距離だと早撃ちの腕で劣るが、至近距離なら差をカバー出来る!


「この!」

「ち!」


しかし、ミロルはすぐにベレッタによる反撃を仕掛けてくる。

俺はベレッタの銃口を自分のベレッタをぶつけることで射線を逸らした。

同時にミロルのベレッタは銃を射出、俺の横腹を掠めて弾丸が飛んでいく。


「ここ!」

「甘いわ!」


次はこっちがベレッタを構え、ミロルの眉間を狙った。

しかし、ミロルは素早く反応しナイフを投げてベレッタに当ててくる。

その時に引き金を引いたため、俺の弾丸はミロルの頬を掠める。


「ち! だが、ナイフを捨てたって事は!」

「片方がお留守になったって事…とでも言いたいのかしら?」

「ぬぉ!」


ち、す、素手でも油断ならねぇ! 危うくベレッタ取られるところだった。


「あえてベレッタを左手に持ってる理由くらい分かるでしょ?」

「右利きだからだろ? 銃は狙い引き金を引けば問題無いから左でもいける」

「その通り」


こっちもナイフを右手に持ち替え、ベレッタは左手に持った。

接近戦闘は利手じゃないとちょっと不利だからな。


「そら!」

「この距離で弾かれないと思うか!?」

「思わないわよ、思うわけない、だから」


ベレッタを弾き射線を変えるが、すぐにミロルが俺の右手を掴む。


「狙いはこっちよ! 捕えたわ!」

「腕1本突き刺すくらいは出来るぞ?」

「そうでしょうね、でも、腕の1本くらいはくれてやるわ

 肉を切らせて骨を断つ! 腕の1本で相手の命を取れるなら上等!」


ミロルはすぐに弾かれた銃を構え直しこちらを狙った。


「チャックメイトよ!」

「討ち取ったの宣言には早いな」

「げ!」


だが、それは予想できてたことだった。

俺の方もベレッタを構え、ミロルの銃を撃ち射線をずらす。

流石に銃撃を受けたんだ、ベレッタを押さえる事が出来ずに

ミロルのベレッタは宙を舞い、ミロルの背後に落ちる。


「く!」

「逃がすか!」


ミロルはすぐに後方に下がり、地面に落下したベレッタを取ろうとする。

俺もすぐに体勢を立て直し、ミロルを狙う。


「まず!」


だが、いやなタイミングで足から力が抜け、体勢を崩した。


「や、やっぱりキツかったか…」

「……は、はは、な、なんとか私の勝ちみたいね…」

「くぅ…」


視線を上げて見ると、そこには既に俺の頭部に銃口を向けてるミロルがいた。

完全に負けたな…はぁ、やっぱり頑丈な体作りか。


「…そうだな、負けたよ」


手に持っているベレッタとナイフを落とし、両手を挙げる。


「あなた、接近戦も相当強いわね…」

「負けたんだ、褒めても意味は無いぞ」

「事実を言ったまでよ」


でも負けたんだ、皮肉を言ってるようにしか聞こえないがね。


「やっぱり万全状態のあなたとは戦わない方が良いわね」

「出来れば万全状態の俺と戦って欲しいな

 と言うか、万全状態の俺をここまで追い込んだのはフレイだ

 接近戦はあいつの方が上だぞ?」

「あなたの強さとあの子の強さは違うでしょうに」


ごもっとも、俺の強さは銃器や刃物を使った強さ。

あいつの強さは格闘技術だからな、センスも飛び抜けてるし。

なんで見ただけで技を真似できるんだよ、化け物かよ。


「まぁ良い運動になったわ、ありがとうね」

「俺は過剰な運動だったが」

「よーし! じゃあリオちゃん!」

「ん?」

「もう一度私と勝負だ!」

「はぁ!?」

「だって、動けるんでしょ?」

「無理無理! 膝ついただろ!? 何もなく膝ついただろ!? 限界なんだよ!」

「むー…」

「あ、後で相手してやるから今は休ませてくれ…」

「分かったよ」


…俺、明日大丈夫だろうか、絶対筋肉痛になると思うが…

てか筋肉痛で済めば良いけど、もしかしたら肉離れとかになったり…

いや、大丈夫だろう、うん…ちょっと不安だけどな。

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