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幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第2章、追い込まれた国に休む余裕は無い
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事情の確認

「あー、痛い」

「そうですよね、傷口開いてますし、はい、出来ました」

「ありがとよ」


俺は部隊の部屋に戻り、アルルが着替えの手伝いと手当をしてくれた。

結構手慣れているようで、かなり短期間に終わった。

何で着替えの手伝いにあそこまで手慣れているのか、それは分からないが。


「何か指示はありますか?」

「姫様のドレスを返しに行った後に、息がある敵兵を連れてきてくれ」

「ドレスは分かりますが、敵兵を捕まえてこいと言う指示は何故でしょうか?」

「事情を聞くためだ、何かあるか聞かないと、あ、いっつぅ!」


あくぅ、蹴られた腹が痛む、やっぱりまだ痛みが引いてないな。


「ど、どうしました!?」

「いや、腹が痛んだだけだ、問題ない・・・・とは言えないが、大丈夫だ」

「無理しないでくださいよ、病室に行きますよ」

「いや、大丈夫だって、それよりも速く連れてきてくれ」

「・・・・私が居ない間に無茶はしないで下さいよ」

「分かってるって、動かないってば」


ちょっと動こうとするとすぐに激痛が走るから動けるわけがないがな。


「それでは、すぐに戻ってきますね」


アルルは小走りで部屋から出ていった、そしてすぐに走り出すような足音が部屋の外から聞えてきた。

あいつ、部屋から出た直後に走り出したんだろうな、そんなに急がなくても良いのに。

あ、もしかしたら俺が動くかも知れないから急いでいるのか? 信用無いな。


「はぁ、痛た、うーん、腹痛いな」


やっぱり腕の傷よりも腹のダメージの方が大きいらしい

腕も痛いんだけど、腹痛に比べると比較的楽だしな。

それにしても暇だな、ゲームが無いと1人で何か出来ないし。

あぁ、ゲームしたい、FPSやりたい、FPSで無双したい。

ゲームだと無双とか簡単なのに、リアルだと狙撃銃を出せたとしても無双は出来ないんだよなぁ

弾丸もそんなに沢山無いし、体も弱いからすぐに動けなくなる、ゲームなら弾丸を何発受けても

少しだけ隠れていれば治るのにな、INWは回復しないけど。


「仕方ないな、狙撃銃でもいじるか」


こんな暇な時間は狙撃銃を弄って暇を潰さないと、このままだと俺が退屈で死んでしまいそうだし

それに、狙撃銃の細部を見てみたいしなっと。


「さて、普段はウィンチェスターばかりだが、別の狙撃銃を出してみるかな」


俺はL96A1を召喚してみた、すると、ウィンチェスターにはなかったマガジンが付いてきた。

まぁ、ウィンチェスターはあまり弾数無いしマガジンが出なかったのか?

L96A1は装弾数は10発ほどあるのに対して、ウィンチェスターは3~5発程度だし。


「ふーむ、今度からこれを召喚するべきなのか? いや、でもなぁ、ウィンチェスターの方が好きだし」


うーん、かなり悩むな、ウィンチェスターはかなり好きだが装弾数が少ないし。

L96A1は装弾数が多いし、マガジンもあって1発1発入れる必要も無い。

だが、何となく手に持って感じることはウィンチェスターの方が手にフィットする。

フィットするから結構長距離でもあまりブレずに狙撃が出来る

だから超長距離射撃をするときはウィンチェスターの方が撃ちやすい。

でも、長距離程度ならL96A1の方が使いやすそうだな。

なら、長距離程度ならL96、超長距離はウィンチェスターで良いかな。

他にも気まぐれで色んな狙撃銃を使いたいな、折角の能力だ、最大限使ってやるさ。


「さてさて、カスタマイズとか色々としてみるかな」


まずはサイレンサーっと、うん、出て来た! かっけぇ!

次はここにレーザーサイトを付けて、お、ちゃんとレーザー出て来た、スゲー!

この状態でボルトアクションを引いて、うん、この薬莢が出てくる感覚が本当に良いじゃん!

いやぁ、リアルでは味わえなかった銃を扱うこの感じ! マガジンのリロード!

うん! 最高! もうね、狙撃銃だけじゃなくて全種類の銃を召喚できればなぁ!

そうすれば、色んな銃を扱えて、最高の気分になれたのによ。

マグナムとか使って見たかったんだが、我慢するしかないのか。

仕方ない、我慢してボルトアクションの練習をするとするかな。


「おー! やっぱり良いな、狙撃銃!」

「リオさん! リオさん! 連れてきましたぁ!」


そんな声と共にものすごい勢いで扉が開き、アルルが帰ってきた。


「どうしたんだ?」

「え? あの、敵兵を確保してきました」

「敵兵?・・・・は!」


そう言えば! 俺はアルルに敵兵を連れてこいと言ってたんだった!

ヤベぇ! 忘れてた! 狙撃銃に夢中になりすぎてた!


「あ、あぁ、忘れてた、そう言えばそんな指示を出していたな!」

「リオさんって意外と天然なんですね! 意外な一面です!」

「う、うるさい! で! その敵兵は何処だ!?」

「そんなに照れなくても良いじゃないですかぁ、あと、敵兵はこの子です」


アルルは敵兵と思われる金色の髪の毛に青っぽい瞳の小さな女の子を担いできた。

その女の子は完全に拘束されていて、服の結構ボロボロだし、幼いし。

完全なる犯罪臭が・・・・もしかして、こいつ。


「離せぇ! 殺せぇ! 生き恥をさらすくらいなら死んだ方がマシだぁ!」

「お前、まさか攫ってきたか!? ついに犯罪犯したか!」

「いや! 違いますよ! 敵兵ですってばぁ! 私はお気に入りの子しか攫いませんよ!?」

「おま! 気に入った子は攫うって言ってるような物だろうが! この変態!」

「いや、大丈夫ですって、私はほら、一途なんです」


ど、どういう意味だ? いや、言葉は問題は無い、一途って言ってるだけだし。

だが、さっきまでの離しの流れでその言葉はもう嫌な予感しかしない!

え? 気に入った子しか攫わないって言ってるのに一途? ど、どういう意味だ!?


「うふふ~」

「寒気が・・・・」

「離せぇ! 殺せぇ! うわぁぁあ!」

「まぁ、あれだな、色々と聞くとしようか」


あまり話を聞けるような状況ではないだろうが、話は聞いておきたいしな。


「えっと、君の名前はなんだい?」

「うるさい! 殺せぇ!」

「えっと、年齢は?」

「殺せば良いじゃないかぁ!」

「・・・・何故軍人に?」

「うわあぁああ!」

「・・・・・・」


ヤバい、イライラしてきた、相手が子供だから結構我慢してるんだけど

かなりイライラしてきた、こっちの質問に答えないし。


「あのー、リオさん? 顔が怖いです」

「うっさい」

「あ、これ、かなりキレてますね」

「とにかくだ、詳しい話を」

「するわけ無い! 諦めて殺せぇ!」


あ、もう無理だわ、もう限界だ、腹が痛くなろうが知ったことか!

そんな事よりもこのイライラを我慢する方が苦痛だ!


「ふざけんなぁ! もう我慢できない! うっさいんだよ! さっきっからよぉ!」

「ひぃ!」

「質問に答えやがれやぁ! こちとらただでさえ腹痛いし腕痛いしでイライラしてんだよ!

 そもそもなぁ! 死ぬとかガキがぬかすボケがぁ! 生き残ったなら精々足掻け間抜けがぁ!

「あ、わ、私は国の為に」

「うっさい! ほら! さっさと言えやぁ! どうして攻めてきた!? 知ってること全部言えや!」

「そんな脅しに、私が」

「あぁ!?」

「ご、ごめんなさい! 言います! 全部言いますからぁ! もう怒鳴らないでぇ!」


怒鳴りすぎた、腹が超痛い・・・・やっぱり怪我をしている状態で怒鳴るもんじゃないな。


「痛た・・・・で、なんで攻めてきたんだ?」

「えっと、私達の国に居た魔道兵を作ってくれる女の子が裏切って、敵に・・・・友達だったのに」

「ふーん、友達ねぇ、騙されてたって事か?」

「そんな事! あの子は、そんな酷い事をする子じゃ・・・・でも、でも、なんで・・・・」


この子はそこまでいうと、すごい勢いで泣き始めた。

それだけ仲がよかったのか、うーん、よく分からないな。


「よく分からないな、じゃあ、その子に変な動きはあったか? 友達なら分かるんじゃ無いか?」

「分からない、いきなりだったの、いきなり裏切ったの、それで魔道兵達に追いやられて

 私達は国を放棄して、もう、この国を制圧するしかって」


どうやら、俺の堪が当たったようだな、やっぱり追い込まれていたのか。

にしてもな、子供が一切の不自然な動きをせずに裏切り行為を行えるものなのか?

それも、友達も出来ている状況で、普通は少しくらい動揺しそうだが。


「じゃあ、裏切った直後のその子に違和感を感じたりは?」

「何も、何もなかった、戦ってる姿は見てないけど」

「ふーむ、どうなんでしょうね、おかしくありませんか?」

「あぁ、そう思う」


一切の動揺もなく友達が居るというのに裏切り行為、それも動揺も無しと。

本当に子供なのか? いや、もしかしたら子供じゃないかも知れない。

この女の子が子供だから、その友達も子供なのかと思ってたが、一応聞いてみるか。


「じゃあ、その子は子供か? 大人か?」

「子供、私と同じくらいの女の子」

「やっぱりか」


やっぱり子供だよな、じゃあ、確実にこの子から聞いた情報は違和感しかないな。

小さな女の子が一切の動揺無しに友達とか仲間を裏切れるとは思えない。


「でも、あの子が裏切るわけがない! 何か、何かあるんだよ!」

「そうだろうな」

「信じてくれるの? 国の大人達は信じてくれなかったのに」

「信じるさ、嘘を言う理由もないしな、それに話を聞いた限りだと違和感しかないしな」

「ありがとう」


俺の言葉を聞いて、彼女は少し泣き始めた。

今まで信じて貰えなかったのに、俺達が信じてくれたから嬉しかったのかもな。


「そうだ、あなたのお名前と魔法を聞いても良いですか?」

「名前はマル、魔法は指定した位置の敵兵の場所を共有する魔法」


簡単に言えばスポットみたいなものか、かなり強力だな、俺の天敵じゃないか。


「それはかなり強力だな」

「お、大人達からは使えない魔法だって言われてたのに」

「そんな事ありませんよ? 私達と協力してくれれば凄いことになりますよ

 あなたが場所を私達に共有して、私が周囲を警戒しながら危険度を教えたり、奇襲に備えて

 私が危険だと判断した敵をリオさんが攻撃をする、最高の連携になりますよ!」


もしも協力してくれればかなり頼り甲斐がありそうだな。


「協力しない、私は裏切らないもん」

「もう裏切ってる様な物ですけどね、リオさんの脅しで国の事情全部話してますし」

「うぅ、で、でも! 協力はしない」

「そうですか、まぁ、気が変わったら教えてくださいね、じゃあ、この子を牢屋に入れてきますね」

「あぁ、分かった」


そう言って、アルルはマルを担いで部隊の部屋にある扉の方に歩いて行った。

あれ? あそこに牢屋なんてあったか? と言うか、牢屋? この部屋に?

うーん、気になるな、俺も一応見に行くかな。


「はい、ここに居てくださいね、気が変わったら教えてくださいね」

「ろ、牢屋?」


アルルが牢屋と言っている場所はかなり広く、ピンク色っぽいふわふわのクッションに

大きめのソファー、そしてピンク色の大きなベットが置いてあった。

ここが牢屋? かなり豪華だし、凄く住み心地が良さそうなんだけど。


「な、なぁ、アルル、これが牢屋なのか? 部屋じゃないのか?」

「牢屋ですよ、捕まってもくつろぎたいでしょうし、あ、そうだ、トイレもお風呂もありますよ

 でも、トイレもお風呂も同じ場所です、左の黄色い扉の奥ですよ」

「ここ?」

「そうそう、そこです」

「・・・・広いし綺麗」

「お風呂とおトイレは大事ですからね、綺麗じゃないと心が病みますしね」


まぁ、トイレと風呂場が汚いと非常に気持ちが悪いからな。

それも毎日だと、確かに精神が病みそうだ。


「何かあったら言ってください、ご飯もありますからね」

「えっと、ありがとう」

「いえいえ、じゃあ、気が変わったら言ってくださいね」

「うん」


アルルの奴のちょっとした優しさみたいなものを感じるな。


「それでは・・・・あ、そうだリオさん」

「なんだ?」

「その、動いても大丈夫なんですか?」

「・・・・あ、ヤバい、思い出したら腹痛くなってきた」

「あ~、その気持ち分かります、知らない間に怪我をして、それに気が付いたら痛くなりますよね」

「そうだな・・・・いたた、ヤバいかも」

「そこまでなんですか!? ちょっと、リオさん! しっかりして!」

「・・・・」

「リオさん!」

「・・・・何てな、動けなくなるほどの激痛なわけないだろう? 騙されたな」

「もう! 心配させないでくださいよ!」

「ちょま! 抱きつくな!」


あぁ、ちょっとだけこいつをからかおうとしただけなのに思いっきり抱きしめられてしまった!

あぁ、もう、からかうんじゃなかった!

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