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幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第2部、最終章、長い戦いの終りへ
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一瞬の神業

…俺の弾丸は確実にあいつを貫いただろう。

これで勝負が決まった感じか? 案外あっけないような。


「……ふぅ」


俺はミロルの様子を見るために少しだけ近づくことにした。

俺は障害物から身を乗り出したが、ミロルは動かない。

やはり…死んじまったのか? 


「…ミロル、ん?」


ある程度近付いて、少し違和感に気が付いた。

血が出ていない…まさか血が出ないはずが無い!


「もう少し近付けば良かったのにね!」

「げ!」


俺が足を止めると同時にミロルが起き上がりコルト・パイソンで撃ってきた。

一応警戒の為にこちらもセキュリティシックスを構えていたため

俺はすぐにミロルの銃口を狙い、引き金を引いた。

後一瞬反応が遅かったら終わっていたかも知れない。

なにぶん、弾丸が衝突したのは俺の目の前だったからだ。


「「ちぃ!」」


一瞬の判断で辛うじて防御が出来た、しかし、なんであいつは。


「あぁ、そうか、防弾着か、インチキ臭いな!」

「私とあなたの魔法の差、でも、本当に異常よね

 あなたと私の魔法の性能差は一目瞭然、火を見るよりも明らかに

 私の方が上なのに、それなのに私と互角…本当にあり得ないわ」

「まぁ、汎用性はお前の方が上かもな、だが、俺の魔法は

 お前と違って、ただ召喚するだけの魔法じゃないんだ」

「ふん! 関係ないわ!」


今度はMP5の2挺拳銃か、やれやれ、無茶苦茶汎用性が高くて厄介だよ。


「この距離、避けられるかしら!?」

「まぁ、避けるのは無理だな、避けるのはよ!」


俺はすぐにウィンチェスターを召喚して銃を構え

超集中状態を発動、すぐに跳弾の弾道を見て

引き金を引いた。


「んな!」


俺が撃った2発の弾丸はミロルが召喚したMP5の銃口に入った。

それにより、MP5は爆発した、爆発するとは思わなかったな。

と言うか、これ下手したらミロル死んだんじゃ無いか?


「くぅ、む、無茶苦茶な!」

「へぇ、あの爆発で死ななかったのか」

「あ、あんたまさか、銃口に弾丸をぶち込んだの!?

 そんな無茶苦茶な真似をしてくるとは思わなかったわ!」

「前もしたんだけどな、これに似た攻撃

 でもまぁ、気が付かなかったみたいだな」

「無茶苦茶するわね! 本当に!」

「弾丸を何度も空中で衝突させてたりするこの状況で

 今更無茶苦茶とか言われてもなぁ」


結構当たり前の様に空中衝突とかしてるのにな。

普通はあんな神業出来ないだろうけどな。

まぁ、少なくとも今は普通じゃないけど。


「本当よね、普通じゃないわ、お互いにね」

「まぁ、そう言う事だから、じゃあ」

「こら! 何で逃げだしてるのよ! 逃がすと思ってるの!?」


今度は軽機関銃、俺はその軽機関銃もさっきのSMGと同じ様に攻撃し

攻撃を不能にした。


「くぅ! こ、この!」

「こんな所で堂々と戦えるわけ無いからな」


そのまま国の門から外に飛び出し、岩や木を障害物にしながら逃げた。


「逃げ足が速いわね!」

「不利な相手に堂々と正面から戦うわけ無いだろ」

「確かにね、でも、逃げられると思ってるの?」

「安心しろ、勝負から逃げるつもりはないから」

「それ位分かってるわよ!」


今度はRPGをぶっぱするか、本当容赦ないんだから。

でも、RPGを撃ってくれたのはありがたかったけどな。

RPGを撃った時の衝撃で土が巻き上げられて視界を遮った。


「まず!」


その間に俺は急いで移動を始め、そこそこ遠かったが大きな森に移動した。

やっぱりあまり開拓されていないから、森があって楽だな。

現実世界じゃ、森とかあまり無い気がするけど。

でも、ここは異世界、あまり技術も進んでない状態だし

殆ど開拓もされて無いから至る所に自然がある。

こう言う状況下ではゲリラ戦が1番確実だから森があるのは大きい。


「ふぅ、ここで良いか」


とりあえず森に隠れることは出来た、後はミロルがどう動くかだな。

あいつの事だ、俺がこの森に潜伏していると言う事は分かっているだろう。

だが、正確な位置は不明、そうなると入ってくるのに躊躇うだろうな。

その間、俺はどういう手で動くかを考えておくとするか。


「木の上から狙撃するか、接近を狙うか、どっちが良いかな」


1人で狙撃はちょっと危ない気もするし、かといって接近も不利だろう。

なにぶん、あいつは接近戦闘に置いては、俺よりも上だ。

そんな奴に接近戦闘はちょっと危険すぎるか。


「……ふぅ」


さて、ミロル、あいつはいつ来る? 障害物が多いこの空間なら

戦う事は出来る、条件も同じくらいだ、銃撃戦とすれば

この空間ほど正々堂々と戦える場所はないだろう。

基本銃撃戦で必要なのは観察能力に攻撃能力だからな。

後はそうだな、予想能力も必要かも知れない。

この森なら観察能力が駄目だと敵は見付けられない。

攻撃の力が無い場合は攻撃を避けられてしまう。

予想能力が無いと背後からの攻撃でやられることだろう。

だから、銃撃戦で必要な能力が全て必要な空間はここだからな。


「……何処に隠れた? リオ」


…よし、ミロルの位置が分かった、後はどのタイミングに仕掛けるかだな。

しかも、ちゃんと伏せてこちらに可能な限り姿を見せないようにしている。

まぁ、この空間なら当然だけど、でも、見えたら意味ないだろう。


「ひとまず」


距離はそこそこ近いところから考えて

ここはセキュリティシックスで行くか。

この距離で狙撃銃はちょっとばかし不利だからな。


「ふぅ…よし、そこ!」

「へ? あぶ!」


ちぃ! やっぱり瞬間的にシールドを召喚できるのは厄介だな!


「く、そこね!」

「うぉ!」


3発ほど銃声が響く、間隔から考えてコルト・パイソンだな。


「危ないな!」


こちらも反対から身を乗り出し、ミロルに向けて3発放った。


「危ない!」


だが、障害物の多いこの空間、ミロルもすぐに身を隠して弾丸を回避した。


「まだよ!」

「こいつ!」


お互いに3発ずつ銃を放つが、どちらの弾丸も当たらない。

障害物が多い空間だから相手を撃ち抜くのが難しい。

でも、この方がやっぱり面白いよな! 銃撃戦って感じで!


「本当、こう言う障害物が多い空間こそ1番だな」


障害物に身を隠し、弾丸をリロードをしようとしたが。


「のんきにリロードしてる場合かしら!?」

「げ!」


ミロルがこちらに走り出し、ナイフで攻撃を仕掛けてきた。


「クソ!」


俺は急いで空薬莢を手に落とし、ミロルに向けて投げた。


「くだらない真似を!」


空薬莢を投げたことでミロルの注意は少しだけ逸れた。その間に急いで

左のナイフを逆手で抜き取り、ミロルへ反撃を仕掛ける。


「「この!」」


お互いのナイフが衝突、金属音が響いた。

今まで刃物とは無縁だったからこの音を至近距離で聞いたのは初めてだ。


「本当、あと1歩だったんだけどね!」

「あと1歩が遠いもんさ!」


俺は右手に持っているセキュリティシックスのシリンダーを

スイングアクションで戻し、ミロルに向けて構えてみた。


「げ!」


ミロルはその動作で俺のセキュリティシックスに弾丸が入っていたと

勘違いしたのだろう、自分の左ナイフを取りだそうと伸ばしていた手で

俺のセキュリティシックスを弾いてきた。

それにそっちに気を取られていたのか右ナイフにかかる力が弱まった。


「それはフェイクだ!」


俺は自分の左ナイフを動かし、ミロルのナイフから逃げ

右上にナイフを振り上げて、ミロルの首めがけて振り下ろした。


「うぅ!」


向こうは辛うじて後方に避ける事に成功したようだが

俺はこの攻撃でトドメをさすつもりは無かったため

隙も無く、すぐにセキュリティシックスをガンホルダーに戻し

右のナイフを取り出して両手で構える。

この距離だとナイフの方が有利だと判断したからだ。

と言うか、この距離を維持しないと不味いのは間違いない。

今の至近距離はナイフの距離だが、もう少し距離を取られると

ハンドガンの距離になる、ハンドガンでの戦闘能力はミロルの方が上だ。

だから、その距離に逃げられてしまうと、やられるのは目に見えている。

となれば、恐らく互角であるナイフの距離で戦闘するしかない!


「この!」

「そら!」


向こうは俺の手のせいでナイフを1本しか出せていないんだ。

だが、こっちは2本のナイフを構えている。

単純な攻撃回数なら俺の方が上、有利だ!


「くぅ!」

「今度は右!」


左手の攻撃を止めてきたが、今の俺には右ナイフもある!

俺はすぐに右ナイフをミロルの首めがけて振り下ろした。


「危な!」


だが、向こうは俺の攻撃を後方に下がることで回避した。


「この!」


この攻撃を回避されてしまったが、俺はすぐにナイフの軌道を変え

今度はミロルの腹をめがけて1歩踏み込み突きに行った。


「うぅ!」


ミロルのギリギリで俺のナイフを自分のナイフの腹で受け止めた。

あと少しだったんだがな、やっぱりあと1歩が遠いか。


「でも、まだだ!」


今度は左手のナイフを使い、ミロルの右手を斬り付けた。


「うぁ!」


これは防げれ無かったようで、ミロルの右手に攻撃を叩き込むことに成功した。

そんで、右手は恐らくミロルの利手、一気に有利になったはずだ!


「う…くぅ」


結構痛かったようで、右手に持っているナイフを落とした。

これで攻撃を防ぐ手段は無し、これで今度こそ決める!


「く、ぐぅう!」

「これで!」


トドメをさすために右手のナイフを順手に持ち替えた。

今度こそ、この戦いに決着を着けてやる!


「これで! 最後だ!」

「フィナーレには…まだ早いわ!」

「く!」


あと少しでナイフがあいつを貫く所で

あいつは自分の目の前にシールドを召喚した。

ナイフはそのシールドに阻まれ、刺さらない!


「そして、勝負は私が勝つ!」


その直後にミロルはシールドから外れ、M9を召喚し攻撃を仕掛けようとした。


「勝つのは俺だっての!」


俺は自分の目の前にあるシールドを蹴りシールドをミロルの方に倒した。


「く!」


ミロルが放つ1発目の弾丸は倒れてきたシールドに阻まれて俺には当たらない。

その間に俺は再び木の裏に身を隠し、さっさと弾をリロードした。


「…本当に異常なほどの判断力」

「お前も相当だろ」


……やっぱりこの戦いに勝つのは非常に困難だ。

流石はミロル、一瞬の油断で追い込まれてしまうな。

どんな時でも勝利を確信しない方が良いか。

勝利を確信すると、どうしても油断してしまうからな。

その油断はあまりにも大きい、油断大敵ってのは間違いないだろう。

さて、本当にどうやって勝つか…悩み所だな。

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