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幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第2部、最終章、長い戦いの終りへ
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読めない動き

城に向う道中に何人かの子供達と合流することが出来た。

1人は冷気を操る魔法を扱うアイという少女。

1人は熱を操るネネという少女、この2人は姉妹らしい。

容姿も瓜二つだから、双子なんだろうな。

髪型は違うけどな、アイは青と赤の髪の毛が混ざり

アイの方は髪の毛が長くなっている。

ネネの方は髪の毛の色は同じだが、髪の毛が短い。

で、ハートの髪留めを付けている。

2人の目は青と赤のオッドアイだ。

服装は言うまでも無く軍服、兵士だからな。

他の子供達だって軍服なんだし当然だが。

他にも湿気を操る魔法を扱うチャン。

容姿は黒くて長い髪の毛、瞳の色は緑だ。

空気を狭い範囲操るクル。

彼女は茶色いツインテールで水色の瞳。

こう考えてみると結構な戦力だだな。

何というか、冷気とか熱とか空気や湿気とか

子供には非常に扱いにくそうな魔法ばかりだな。

後、全員俺達よりも身長高いんだけど…何でだろうか。

まぁ、良いか、身長は大した問題じゃない。


「どうすれば良いの?」

「今は突撃するしかないな」

「うん、分かった」


俺達はそのまま城に向けて突撃した。

戦車の攻撃がないのだから、突撃しても問題は無い。


「あの、少し不思議なんですけど」

「ん?」

「なんで相手は銃を使ってこないんでしょうかね」

「あぁ、それは俺も不思議に思う」


何故最大の武器を使わない? 防衛戦となれば

最初に城壁を突破されるのは致命的である筈なのに。

普通は最大の戦力を持って防衛を行なう、もしかして第2陣で守りきるつもりか?

そっちに戦力を集中させる…街への被害を完全に無視して

勝利することだけを狙うなら、その手は確かに効果的ではある。

第2陣は城の周りを覆っている壁だ、防衛するための範囲は狭い。

…だが、第2陣では不利である要素も多いんだ。

1番不利な要素は障害物があまりにも多い事だ。

城の周りには国民達の家がある、そこに隠れたら

弾幕で相手を狙うのは困難になるのは明白だろう。

ミロルがそんな事も分からないとは思えない…何のつもりだ?

…第2陣での防衛に戦力を集めているわけではなく

市街地戦で勝負を着けるつもりなのか?

戦車の配置は難しいだろうし、障害物だらけのこの空間。

向こうも奇襲は出来るだろうが、それはこちらも同じ事。

戦車では完全に気付かれずに動くのは困難だから

こちらの奇襲でどうとでも対処できる。

市街地戦となれば不利なのは恐らく向こう側。

…だぁ! マジで分からない! 何で最善の手を打たないんだ!?


「…ち」

「リオさん、戦況はこちらに有利に働いているのに

 何故その様に不安そうな表情を?」

「理由は1つだ…ミロル、なんであいつが動かないのか…それが不安でしょうが無い」


まさか、あの話を聞いて国王に反発して処刑とかされて無いだろうな?

ち、何だか不安だ…大丈夫だと良いんだけどな。


「どうするかな」


ミロルが動かず、銃器がないと言う事は、俺が考えていた

子供達の能力を使っての戦法が扱えないと言う事になる。

湿気で銃器を使えないようにしたり

熱や冷気を操ってサーマルとかへの対策。

空気を操っての戦法は相手が銃器を持ってなかろうと使えるが

空気を操る能力の効果は危険すぎる。

周囲の味方まで巻き込むからな。

接近戦で使用することは避けたいところだな、一点だけ操れるなら別だが。

しかし、やはりどんな作戦を立てようともミロルの動きが読めない今は安心出来ない。


「とにかく今は対処方で動くしか無いか」


相手の動きも読めないこの状況では対処方を取るしか無い。

相手が動いてからこちらも対策を練る、これしかない。

危険だが動きが読めない以上は仕方がないからな。


「おらおら! どうしたよクソ雑魚共が!」

「…はぁ」


そもそも、クリークが最前線で敵を薙ぎ倒してひたすらに進んでる以上

対策は後から練るしか手立てがないんだよな。

本当無謀なんだからよ、もう少し考えて行動して欲しい。


「仕方ないか、とにかくクリークに続くぞ! アルルは周辺警戒!

 良いか!? 建物に潜んでいる可能性があるんだ、警戒は怠るな!」

「はい…所でリオさん、1つ違和感に気が付きませんか?」

「あぁ? 違和感? ミロルが動かない意外に何かあるのか?」

「なる程、ミロルさんの動きにばかり警戒しているから気が付けていないのですか」

「納得ですわ、リオさんはミロルへの対策だけで今は手一杯でしょうし」

「だからなんだよ! 回りくどい言い方は良いから言え!」

「はい、では…少々この街、静かすぎませんかね?」

「あ!」


あいつらの言うとおり、ミロルにばかり気を取られてて気が付けなかった。

今、この場所は街だ、それなのに兵士以外の人の気配がない。

どの建物にも人の姿が無い、いや、当たり前なんだ、普通なら当たり前の光景なんだ。

だが、ここはリ・アース国の本国

リ・アース国の国王が自分勝手なクソ野郎なのは分かってる。

そんな奴が国民を全部逃がすか? いや、きっと逃がさない!

じゃあ、この空の街は何で!? …奇襲でもするつもりなのか?

伏兵が何処かにいるとか…もしくは街に火でも放つか?

いや、その可能性は低いんじゃないか? 指揮官が畜生の所を考えると

国民は逃がさず、何も伝えないままその場に待機させるはずだろう。

そうすれば疑われることもない…いや、案外国王はまともなのか?

奪われた街を国民ごと爆破するような国王が? 

もしくはこの作戦をとった人物がまともな人物と?

しかしだ、火を放つというのは無茶だ、ここは奴らの最後の砦。

もしもここに火を放てば勝利しても経済は完全に固まる。

それに防護も無くなり、使える国土は城だけになる。


「…クソ、流石に分からないな」


正直未来予知の能力でも無い限り予想が出来ない状況だな。

意味も意図も分からない…狙いも不明、何をしてくるかも分からない。

目の前の兵士達は陽動か? それともただの迎撃?

敵は何処から来る? 潜伏してるのか?

ミロルはどう動く? そもそも動ける状態なのか?

ち、訳の分からない状況の連続で正直動揺が激しい。


「…ひとまず一時的に撤退を」

「おら!」

「あぁ!?」


はぁ!? クリークに攻撃を入れる兵士だと!?

んな馬鹿な…あいつの戦闘の力は相当やばいのに!


「おぉ? テメェ、他の雑魚とは格が違うみたいだな」

「貴様もな、俺の一撃を防ぐとはただ者じゃないな

 折角だ、俺とやり合おうじゃないか」

「は、面白いじゃねぇか、テメェら! 手出しすんなよ!」

「え!?」

「は!」


クリークに攻撃を仕掛けていた謎の兵士はそのままクリークを後方に飛ばした。

クリークはすぐに体勢を整え、再び構え、一気にあの兵士へ間合いを詰める。

その間合いを詰める速度は相当だ、普通の奴なら反応出来ないだろう。

だが、あの兵士はその異常な速度へ対応し、クリークの攻撃を受け止める。

同時にがら空きになった腹部への膝打ちが飛んでくるが

クリークはそいつを左手で押さえ、敵兵の腹部を強く蹴る。

兵士はその蹴りを受けるがクリークのボディに攻撃を叩き込んだ。

クリークはその一撃を右手で押さえ、ダメージは回避したが後方に吹き飛んだ。

だが、あいつは背後の壁へ足を付け、叩き付けられるのを回避する。


「…へ、良いじゃねぇかよ、面白れぇ!」

「予想以上の実力だ、楽しめそうだな」


あの兵士、クリークの蹴りを防いでいたのか、分からなかった。

…何だよ、あの色々とヤバい戦いはよ。


「最高に楽しもうや! おら!」

「ふん!」


今度は拳と拳がぶつかり合う、その時に漫画の読み過ぎなのか知らないが

こう、衝撃波の様な物が走った風に見えた。

いや、こう言うマジのバトルって言うのは少年心をくすぐるな。


「おら!」

「ふん!」


次はお互いの頬を同時にぶん殴りやがった…とんでもないバトルだ。

そして1つ疑問も増えた…何であんな奴がここにいるんだ?

あの戦闘能力から考えて、あいつは指揮官相当だ。

仮に火を放つとすればあいつがここにいるのは不自然。

じゃあ、火を放つという手段は予想通り取らないのか?

やっぱり分からない、何を考えてるのかさっぱりだ。


「へ、いいパンチだな」

「貴様もな!」


お互いがふらついた直後、敵兵はクリークへハイキックを仕掛ける。


「そらよ!」

「ぐ!」


クリークはその蹴りに対して蹴りで返し

お互い弾かれたように少し後方に下がる。

クリークは下がる際、何故かバク転しながら後方に下がり

最後に着地したタイミングで再び間合いを詰めた。

敵兵の方もすぐに体勢を整え、クリークへの一撃を仕掛けた。


「はん!」


この攻撃はあまりにも予想通り過ぎたのだろう。

クリークは一切たりとも動揺も見せず、その攻撃を流し

そのまま肘打ちを敵兵に叩き込んだ。

異常な程に嬉々とした表情で。


「かふ、は!」

「うぐ!」


敵兵はその攻撃を受けて、少しだけダメージがあった様だが

すぐに表情を戻し、こちらも嬉々とした表情でクリークの顔面を殴った。


「…へ、いいね、やっぱりサシの闘争はこうじゃねぇと」


クリークは自分の口から少しだけ出ていた血を拭い払った。

リーパーの方も同じ様に自分の口から出た血を拭い払う。


「おいお前、名を名乗りな」

「リーパーだ、さて、俺は答えたんだ、当然、貴様も答えてくれるんだろうな?」

「もちろんだ、俺はクリーク、最高に楽しもうや、リーパーよぉ」

「へばるんなよ、クリーク!」

「テメェの方こそよ! 満足する前にぶっ倒れるんじゃねーぞ!」


2人は再び嬉々として戦闘を再開した、全く理解に苦しむよ。

お互いに相当痛いだろうに、お互いに笑ってるんだからよ。

何というか、マジに楽しそうだ。


「クリークさんと互角にやり合えるとは、援護した方が」

「馬鹿言え、横槍入れたら殺されちまう、あいつらは楽しんでるんだ。

 下手な邪魔すりゃあ、俺達まとめて死ぬぜ? ここは無視するしか無い」

「でも…」

「どっちが死んでも…どっちとも文句は垂れないだろう」

「……そうですね、私も死にたくはありませんし行きましょうか」


普通なら援護する方が良いのかも知れないが、楽しみの邪魔をするわけにはいかない。


「しかし、城まで結構がら空きだな」

「本国なのに不思議な物ですね」

「やっぱり城内でけりを付けるつもりなのか?」

「……」


銃声が聞こえたと思うと、俺の足下に弾丸が当たる。

きっとわざと外した、ただの雑魚なら乱射することだろう。

だが、そうじゃなく、ただの1発…それも足下。


「……ようやく来たか、ミロル」


側面の建物の屋上、そこにミロルが立っていた。


「ミロルさん…」

「リオ…今度こそ決着を着けましょう」

「はぁ、少々遅い登場だったな、まぁ、本人登場には早い気がするが」

「リ・アース国はもう、私の銃火器に頼れない、もう手を貸さないと決めたから

 まぁ、生かしてやるからヘリとやらは置いておけと言われたけど」

「…じゃあ、テメェが俺と戦う理由なんて」

「ある! リオ……さっきも言ったでしょ? 決着を着けようと。

 私があなたの目の前に立った理由はただそれだけ」


ミロルは屋上から飛び降り、自身の足下にクッションを出して着地した。

まぁ、子供だからな、あの高さからクッション無しで飛び降りれるわけがないか。


「リオさん」

「逃げるというのは許さない、逃げるというなら、私はこれを起爆する」


ミロルが自分の手元にリモコンを見せてきた。


「…まさか」

「C4爆弾よ、この街全体に貼り付けてある」

「…なる程な、道理で誰もいないわけだ、最初から俺と戦うためにか

 わざわざその為に国民も避難させて、1個1個付けてきたのか?」

「そうよ、全てはあなたと戦うため…勝負を着けるために」

「リオさん…どうするんですか?」

「…そりゃあ、戦うしか無いよな、兵士全員を人質に取られたらよ」

「勝負は1対1、フィールドは無制限よ」

「分かったよ、お前らはさっさと城に向え」

「でも! 1人では危険で!」

「1人でやらなきゃ全滅だろ? それに、どうせやるならサシってね」


俺はウィンチェスターM70を召喚した。

狙いはまだ定めない、勝負は対等じゃ無いとな。


「……分かりました」

「アルルさん!」

「仕方のない事です、リオさんがミロルさんと戦わないと私達は壊滅です」

「賢明な判断ね」

「…行きましょう」

「…はい」


全体が移動を始めようとしたとき、アルルが俺の方に近付いてきた。


「……リオさん、ミロルさんとの因縁…決着を着けてくださいね」

「……お前、まさか」

「私は…止めませんから」


そこまでいうと、アルルはすぐにその場を後にして、全員と合流し

城へ向って移動を始めた。

はぁ、しかし、子供達の指揮とか受け持ったはずなのに結局出来なかったな。

いつかお詫びをしたいが、これが最終決戦だし出来ないか。

……ふ、最終決戦、必ず生き残るぞ。


「悪いが勝つのは俺だ、ミロル…いや、ミミ」

「今度こそ…私が勝つ、リオ…いや、コウさん」

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