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幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第2部、第11章、総力戦の前哨戦
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トロピカル地方の防衛

「おい! そっちは大丈夫か!?」

「あ、リオちゃん!」


俺が急いでひまわりに向って移動すると

そこには元気なフレイが俺に気が付き、嬉しそうに手を振ってきた。

フレイは少々傷を負ってはいるが、深い怪我などは無かった。

トラの方はほぼ無傷だ、遠距離攻撃がメインだから怪我などは無かったのか。

で、3人の中で1番怪我をしていたのはウィングだった。

同じ接近型のフレイと違ってウィングは接近戦に慣れてはいない。

トラの様に遠距離攻撃が出来るわけでは無いから

戦闘数が少なくても負傷してしまったのだろう。

だが、自分に課せられたひまわりを守るという役目はしっかりと果たしている。

殆ど慣れていない接近戦で、大人相手に…ウィングは絶対に強くなるな。


「…ありがとうな、俺がいない間、ここを守ってくれて」

「ひまわりを守りたいのはリオちゃんだけじゃ無いよ!」 

「うん、私達だってひまわりは絶対に守りたい!」

「いつもリオには助けられてばかりだけど、私達だって私達だけで戦えるんだ。

 今回、それを証明できて私は嬉しい」


最初からそんな事は分かってたんだがな、そうじゃなけりゃ

あの場をこいつらに任せて俺は国王の防衛、何て事はしてない。

信頼をしてなけりゃ、俺はこいつらに後を任せちゃいないからな。


「よし、じゃあ、今度はトロピカル地方に移動するぞ

 休む暇は無いが、今は時間が無いんだ、無理なら休んでてくれ」

「大丈夫だよ! でもリオちゃん、その前に先生に会ってきてよ」

「何でだ?」

「先生、リオちゃんの顔も見たいって」

「……べ、別に会わなくても良いだろ、時間は無いぞ」

「リオ、顔が赤いよ、恥ずかしいの?」

「違う! ちょっとあれだ、小便我慢してて」

「じゃあ、ひまわりのおトイレに行ってくれば良いよ!

 そうすれば先生にも会えるし、一石二鳥! …一石二鳥ってどういう意味だっけ?」

「お前、意味も知らないくせに使ったのか、しかも使い方合ってるし」

「おぉ! 一石二鳥! 先生とかリオちゃんが使ってるのを聞いて使ったけど

 こう言う使い方なんだね! どういう使い方か知らないけど!}

「やっぱりお前は訳が分からないな」


使い方を知らないくせに、あたかも使い方が分かったように振る舞ったのか。

意味が分からないな、相変わらずのフレイだ、全くよ。


「なにやら楽しそうだと思って出て来ましたが、リオ、お帰りなさい」

「せ、先生!?」

「おや? 顔を赤くして、恥ずかしがること無いのに」

「は、恥ずかしがってはいないって!」


べ、別に恥ずかしがってるわけじゃ無い…恥ずかしがってるわけじゃ…


「あ、リオちゃん…泣いてる?」

「な、泣いてなんかいねぇし!」

「嘘だぁ、絶対に泣いてるよ! 何で泣いてるの?」

「泣いてないっての! …ただちょっと、先生が無事で安心しただけだ」


……あぁ、しかし、本当に良かった、無事で良かった。

皆無事だ、怪我1つしてない、3人が必死に守ってくれたからだ。

本当に安心した…元気そうな姿を見ることが出来て。


「リオ…ふふ、皆さんが必死に守ってくれたお陰です、ありがとうございます」

「イエーイ!」

「皆を守ったのは3人だ、俺は大した事はしてない」

「いいえ、トラから聞きました、リオが影ながら、私達を守ってくれた事を

 だから、ありがとうございます、私達を守ってくれて」


……はは、先生には勝てないな、変な意地を張る必要は無いか。


「…どういたしまして」

「うふふ、やっと素直に受け取ってくれましたね」

「…あ、そう言えば、シルバー達は?」

「私たちならここですわ、出番はありませんでしたが」


シルバー達が奥の方からゆっくりと姿を見せた。


「お前ら、奥の方にいたんだな」

「えぇ、最悪の事態を想定していつでも動けるように」

「結局出番は無かったけどね、ウィングさんも危ない場面はあったけど

 最後まで冷静に対処してたし」

「トラさんは危機的状況には陥ること無く対処が出来て」

「フレイさんは…少し危なかったですけど、トラさんがカバーしてくれてました」

「で、ひまわりの内部に敵が入ってくることは無かったから、出番が無かったと」

「そう言う事ですわ」


なる程、ちゃんと最悪の事態を想定して動いていたのか。

ちゃんと俺が言ってるとおりに行動してくれてるのは嬉しいな。


「ん、ありがとうな、3人とも」

「いえ、私たちは何もしておりませんわ」

「いや、3人の気持ち的には大きな支えだったと思うぞ」

「ありがとうございます」

「…よし、じゃ、行くか…先生、俺達はもう行く、また帰ってくるよ」

「はい、また今度戻ってくる時はゆっくりしていってくださいね」

「待ってるよ! お姉ちゃん達!」

「うん! 待っててね!」


よし、じゃあ、さっさと移動するか。


「よし、ウィン、頼むぞ」

「うん!」


俺は1番最初にウィンに運んで貰った。

トロピカル地方も結構敵の数が多いようだったが

城の外でメル達が防衛しているのが見えた。


「あ! り、リオ!」

「姫様、こっちはまだ大丈夫そうで安心しました」

「リオ! これ、どういうことなの!? どうなってるの!?」

「今ならゆっくりお話しは出来ますね、簡単に言うと

 今は裏切り者の反乱を受けている状況です」

「う、裏切り者ですの!?」

「はい、裏切り者の正体は不明、本国でも襲撃がありました」

「な! お、お父様は! …等と言う必要はありませんわね

 リオがここに来ているという事は

 もうすでにお父様を助ける事が出来たと言う事ですわね」

「はい、国王様は近衛兵達と協力して守りきることが出来ました」

「お父様をお守りしてくれて、ありがとう、あの時の約束を

 今回も守ってくれて、嬉しいですわ」


あの時の約束? 何の事だ? 何か約束したっけ。


「約束? あなた、リオと何か約束したの?」

「はい、過去、私とリオが入れ替わったときに

 リオが私に男の様な決意で約束してくれたのです」


あ、あぁ! あの時の約束か、あの使って見たかったから使った言葉

…何となくで言ったなんて言えないな、まぁ、期待されているなら

俺は意地でもその約束を果たしてやろう。

もしも適当なことを言ったなんてバレたら、どんな目に遭うか。


「はは、意地でも守りますよ」

「約束、破らないでくださいませ、男に二言は無いのでしょう?」

「はい、もちろんです、それじゃあ、防衛に参加します」

「お願いしますわ」


俺はその事を伝えた後、急いでノエ達の戦闘を援護出来る場所に移動し

狙撃銃を構えて、援護攻撃を開始した。


「何!?」

「この攻撃…リオ?」

「どうやら向こうは何とかなった様ですね、流石です!」

「リオの援護があるなら、ここから先は何の問題も無いね!

 きっとフレイ達も来る、それまで守りきる!」

「分かった、何の問題も無い」


俺の援護攻撃があっても無くても、何の問題も無かっただろうが

一応、安定性は上がってきた感じだと思う。

そもそも接近武器しか持たない敵兵達がメルの魔道兵を制圧できるわけも無い。

室内で攻撃したら被害が拡大するから使いにくいだろうが

屋外での戦闘なら、何の問題も無く攻撃が出来る。

圧倒的と言えるほどの殲滅力と防御力を誇る魔道兵

例え単機であろうと、その能力が落ちる訳では無い。

殆どの攻撃は無意味、ただ敵兵達は逃げる事しか出来ない。

それに、例え距離を取ろうともフランの催眠術で敵を操って攻撃が出来る。

更にはマルの能力で隠れようとも位置がバレてしまう。

仮に接近が出来たとしても、突破できるのは少数

だが、少数だけではノエによって制圧されてしまう。

どう考えても敵にとってこの状況は地獄でしか無いだろう。


「クソ! 魔道兵にリオの攻撃…謎の反乱! 

 隠れようとも何故か位置はバレている!

 接近できたとしても奴に妨害されて攻撃が出来ない!」


完全に八方塞がりという状況だな、向こうは。


「やった、間に合った!」

「な!」


更にフレイ達の合流、僅か数人の部隊に追い込まれていたというのに

そこにフレイ達も合流し、小さな戦士達が全員集合する。

ただでさえ絶望的な状況なのに、更に状況が絶望的な物になる。

敵兵達の戦意はどん底、ほぼ戦う気力を失っている。

そりゃな、魔道兵だけでここまで追い込まれているのに

更にこちらの戦力は増加、ただでさえ低かった勝率は更に低下。

こうなってくると、戦う気力も無くなってしまうだろう。


「あ、あぁ…も、もう駄目だぁ…お終いだぁ、勝てるわけ無い…

 ただでさえ追い込まれていたのに…更に増援…攻撃も無意味

 …何も出来ない……」

「ぐ、うぐぐ! こ、ここまで来たんだ…もう後戻りは出来ん!」


ん? あいつ…セイルだったか、確か魔道兵との戦闘時

トラ達を見捨てようとしたクソ野郎!


「……なる程な、お前か、お前が原因だったのか」

「な!」


俺はセイルの頬をかすめるように弾丸を放った。

セイルはすぐにこちらの方を向き、俺の姿を見た。


「…クソ、リオめ…俺の道をことごとく邪魔しやがって

 子供の分際で! この俺を侮辱しやがって!」


自己中心的な奴だ、裏切り者の癖しやがって。

まぁ、ある意味納得ではあるな、あいつは野心家だ。

なら、いつか反発してくる可能性もある。

だがよ、やはり裏切るのは良くないよな。

まぁ、俺はお前に一切の信頼を置いちゃいないから

別に裏切ったところで、俺は全然痛くも無いがな。

所詮クソ野郎だ、俺の中でのあいつの評価は最悪だたったからな。

そいつが裏切ったからと言って、別に何とも感じない。

ただイラつくだけだ、クソ野郎ってな。


「全く、大人の癖に子供の見本にもならない行動を取ったあげく

 訳の分からない理不尽な言い掛かり、ふざけてやがるな

 まぁ、反面教師と言う事にしておこうか」


やれやれ、その面を見てるだけで反吐が出そうだぜ、クソ野郎。

しっかし、あんな奴なのに、なんであいつに付き従う奴がいるんだか。

本当、周囲を惹きつける才能というのはよく分からないな。


「まぁ、容赦はしない、過去に共に戦ったとしても裏切り者は排除する

 まぁ、一緒に戦ったという感覚は無いがな」

「裏切ったんなら許さないよ! 全員倒す!」

「く、クソ! 撤退を、が!」


俺は逃げだそうとしたセイルの足を撃ち抜いた。

これで逃げる事は出来なくなっただろう。


「に、逃げろ!」

「お、おいお前ら!」


で、完全に戦意を失った周りの兵士達はセイルを放置して逃げ出す。

…は、いいざまだな、あの時、自分がやったような状況に陥るか。


「俺も一緒に連れていけ!」

「は、はい、うわぁ!」


俺は奴に近付こうとする兵士に向って攻撃する。

その攻撃を何度も行ない、周囲の兵士達はあいつを救えないと理解した。


「リオ! 貴様! 貴様!!」

「逃がすわけが無い、お前はここで終わりだ、クソ野郎」

「クソ! クソ! クソ! 俺の邪魔ばかりしやがって! 畜生!」


本当に最後まで見にくい奴だな、まぁ、貴様のふざけた行動もこれで終わりだ。

お前が積み上げてきたキャリアも計画も全部お終いだ、クソ野郎。

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