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幼女に転生した腹いせに狙撃チートで戦場を荒らしてやる!  作者: オリオン
第2部、第11章、総力戦の前哨戦
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詰みの突破口

「ま、待て!」


一応あの部屋を突破したとはいえ、やはり追いかけてくるのか。

怯えて暴走して走ってきて、結局盛大に失敗したのにな。

まぁ、一応失敗した後にも何とかしようと考えるのは悪くないが。


「やはり追ってくるか」

「どうします? 迎撃を行ないますか?」

「そうだな、時間は稼ごう」


俺はすぐに後ろを振り返り、後ろを向いて走りながら

銃を構え、敵の足下を攻撃する。

一撃一撃で反動が出てくるから、バランスを崩す可能性もあるが

それでもただ走っていると追いつかれるのが関の山だしな。

俺達は子供2人の足だ、大人の駆け足に追いつかれるのは目に見えてる。


「攻撃してきやがった!」

「あまりこの状態で走りたくないから、まとめてぶっ倒れろ!」

「く、くぅ! 近寄れない! 身を隠せ!」


身を隠すのは当然の判断だな、狙おうと思えば狙えるが

俺の狙いはあくまで時間稼ぎ、無理に攻撃をする必要は無い。


「隠れたな、アルル、俺を抱き上げろ」

「え!? ど、どうしてですか!? 私としては最高に嬉しいのですが

 リオさんの方から誘ってくるとは、しかもこの状況で!」

「馬鹿な発想に至るまでの時間が早すぎるだろうが!

 簡単に言えば、お前に足になって貰おうって事だ!

 後ろ歩きで攻撃を続けるのはバランスを崩す可能性もある

 だから、お前に抱いて貰って、その間俺は後ろを狙う。

 お前は国王の部屋を目指して正面向いて走れ!」

「あ、そういう、何だ、ついに私を受入れてくれたのかと」

「黙れ、状況を考えろよアホ!」

「ですよね、では」


アルルは後ろから俺を抱き上げた後に抱き方を変え

走り始めた、しかし、抱き方がちょっとあれなんだけど。

いや、仕方ないのかも知れない、あいつの胸に体が当たるのは。

だが、あいつの胸小っちゃいのに偶然で当たるのか?

まぁ、良いか、そんなくだらない事を考えてる暇は無い。


「攻撃が止んだか? なら、うお!」


その場から出す事は許さない、絶対にそこから姿を見せるなよ?

まぁ、姿を見せようとした瞬間に弾丸を撃ち込むから出ようとしても無駄だが。

と言っても、角とかあるし、ずっとあの場所で足止めは出来ないだろうけど。


「アルル、国王の部屋に急いで行けよ? 背後は俺が守るから安心しろ」

「最初からそのつもりですよ、私はリオさんを疑うことはしませんし」

「嘘だな、たまに疑ってるだろ?」

「リオさんの無茶はしないという言葉は信用してません」

「信用しとけ」

「信用して欲しいなら無茶をしないで欲しいです」

「…無理だな」

「でしょ? だから信用できません、その言葉だけは

 どうせ何かあったらすぐ無理するんですから」

「……はぁ、そうかい」


やれやれ、本当に無茶をしないというのは約束できないよな。

だって、無茶しないといけない状況とか絶対あるからな。


「後、アルル、1つ良いか?」

「何ですか?」

「お前、わざと胸を当ててるんじゃねーの?」

「ふ、私は確かにちっぱいですが、胸はちゃんとあるという事を」

「くだらない事をするな、この馬鹿」

「こんな時くらいしか出来ないですし~」

「お前マジで状況考えろよ」

「だってリオさんが背後を守っている状況ですから、ふざけても問題無いですし」

「馬鹿か? えぇ? 馬鹿かお前、ん?」


おっと、残弾数が少ない気がするな、じゃ、今の内にリロードだな。


「っと」


俺はMP-443のを一旦下げ、ワルサーのマガジンを落とし、マガジンを入れ替えた。

マガジンの中に入っていた残弾は2発、危ないところだった。

案外使ってると残弾に気が回らなくなっちまうよな。

しかも、実際のマガジンでのリロードだから

ゲームみたく残弾が減ったり、余裕があるときにこまめにリロードは出来ない。

ゲームならそれでマガジンに残った分の弾が減ったりはしないが

リアルである状況ではこのリロード方法ではマガジン内の残弾も減る。

まぁ、INWはリロードしたら、マガジン内の弾丸も減るけどな。

だからミロルの魔法の性質から考えて、多分同じ様に減る。

もしもINWにそういうシステムがなければ、リロードしても

マガジン内の残弾分は減らず、何処かに移動するんだろうけどな。


「リオさん、右に曲がります!」

「分かった」


その報告の少し後にアルルが言った通り右に曲がった。

視界からは背後から来る敵兵の姿は見えなくなった。


「リオさん! あと少しで国王様の部屋なのです!

 ですが、正面! 近衛部隊と敵兵が衝突してます!」

「ち! アルル! お前に渡した銃を俺に渡せ!」

「は、はい!」


アルルは自分の腰に付けていたARX160を取り、俺に渡してくれた。

俺はそいつを受け取った後、体勢を変え、正面を狙えるようにした。


「そこを退きやがれ!」

「リオさん! まさか仲間がいる状況で!」

「仲間には当てないさ、信用しとけ!」


そのまま引き金を引き、指切りを使いながらフルバーストで敵兵のみを撃ち抜く。

こんな使い方をするならバーストモードかシングルでやれば良いかも知れないが

いざと言うときに対処するためにフルバーストで指切りを使って攻撃をする。

ほぼほぼあり得ないことだが、念には念をだ、危険には出来る限り対処したい。


「お、おぉ! 凄く正確! 流石リオさん!」

「良いから走れ!」

「はい!」


そのまま敵兵のみを倒しながら、何とかその場を突破。

交戦していた近衛兵達は少し動揺したが、すぐに国王の部屋に向って走り出した。


「追え! 追え!」

「背後からも来たか…厄介だな」

「何故あなた達がここにいるかは知りませんが、お願いを聞いてください」

「何だ! 出来るだけ早く言え!」

「はい、背後の敵兵は私達が押さえます、だから、皆様は国王様を!

 私達が向うよりも、あなた達が向った方が間違いない、国王様を頼みます!」

「…プライドの高い近衛兵が?」

「私達は国王様に忠誠を誓った、国王様を守る為ならプライドなどは捨てましょう

 確実に守り抜くために!」

「そうか、じゃ、国王様は絶対に守る、だからあんたらは背後を意地でも守ってくれ

 突破させるんじゃねーぞ、挟まれたら結構痛いからな」

「分かりました! 絶対にここは通させません!

 全員! この場を意地でも守り抜くぞ!」

「おー!!」


近衛兵達は剣を掲げ、背後から迫る敵軍に向って走り出した。

人数的には近衛兵達の方が不利…だが、やってくれるだろうよ。

ミストラル王国近衛兵、人数が少なかろうと少数精鋭の部隊だ。

人数差は覆すはず、俺達はただそれを信じて走るのみだ!


「アルル、俺を降ろしても良いぞ、背後は問題無くなったからな」

「はい、分かりました!」


俺達は背後を振り返ることなく、国王の部屋に向ってひたすらに走った。

だが、国王の部屋の前には沢山の近衛兵達が倒れている。

遅かったか? いや、きっとまだ大丈夫だ。

近衛兵の中にマーギルの姿は無い…それに、中からは戦闘音も聞こえる!


「クソ! 援軍はまだか! このままじゃ、国王様が!」

「援軍は足止め…敵兵との兵力差は一目で分かる状況…

 各々の兵士達は疲弊も目立ち、士気低下も著しい…このままだと」

「後ろ向きなことを言ってんじゃねーよ! 俺達は最後の砦だ!

 退くな! 全力で攻撃しろ! 押し返せ! 下がるな! 退くな!」

「食らえ!」

「あぐ!」

「マーギル総長!」

「気に留めるんじゃない! 国王様を守ることだけを考えろ!」


良かった、何とか間に合ったようだな、あと少し遅れてたら不味かったかも知れないが。


「死ねぇ!」

「く!」

「間に合ったな、流石近衛兵だな」


俺はマーギルを殺そうとしている兵士の腕を撃ち、足を撃った。

その後、背後から敵兵に向けて銃を連続で放った。


「何!? ぞ、増援だと!」

「…まさか、この攻撃は…へ、クソガキがよ」

「はは、クソガキに助けられた気分はどうですか? マーギル総長?」

「へ、最悪で最高だぜ! 敵に動揺が見えた! 一気に屠れ!」

「うおおぉおお!」


俺の攻撃で敵兵が激しく動揺したチャンスを見逃さず

近衛兵達は一気に攻撃を仕掛けた。

さっきまでの意気消沈していた近衛兵達の士気はかなり回復。

戦力差に大きな変化はないが、士気の差は大きく覆った。


「クソ! やはりあの音はリオ…クソ! こうなれば、リオを殺せ!」

「りょ、了解!」

「リオさんは殺せませんよ、だって、私が居ますからね」


アルルもARX160を使って、敵兵への攻撃を始めた。

俺はワルサーP38とMPー443の2挺拳銃で攻撃を仕掛ける。

合計で3挺の銃での総攻撃、接近武器しかない敵兵には致命的だろうよ。


「うおぉおお!」


更には背後の近衛兵がドンドンと勢いを回復させて攻撃を仕掛け続けている。

さっきまで圧倒的な力で戦っていた敵兵達は一気に挟まれ、一瞬で劣勢に陥る。

こう見ると、本当に銃火器の優位性が分かってくるな。


「あ、あと1歩だったんだ…あと1歩で俺達は勝てたのに!」

「あと1歩が届かなかったようだな、残念だったな裏切り者共!」

「まぁ、命までは取らないでおいてやる、情報を全部吐いて貰うぞ」

「まだだ! まだ終わったわけじゃない! 国王さえ、国王さえ殺せば!」

「それをさせねぇ為に俺達近衛部隊がいるんだぜ!」

「う、うおおぉおお!」


敵兵達は必死に戦意を奮い立たせようとしているが、もう遅い。

さっきまで俺達が王手、最悪詰みの状況だったが。

今度は俺達がテメェらに詰みを仕掛けてやる。

マーギルが粘ってくれたお陰で、何とかなりそうだ。

だが、油断は出来ないんだよな、相手が同時に全ての札を見せるか?

裏切り者を正確に見抜いているわけではないのに。

だから、最悪の事態を想定した切り札を用意しているはずだ。

例えば防衛部隊だけではなく、近衛兵にも裏切り者を混ぜるとかな。

そうすれば疑われることなく国王に接近することが出来る。

で、このドタバタで国王に近寄る奴、そいつはグレーだ。

例えば、あいつとかな。


「そら!」


俺は跳弾を利用して、国王に近寄ろうとしている近衛兵の足を撃ち抜いた。

これが外れなら悪い事をしたと謝るしか出来ないんだが。

この状況だ、最悪の事態を想定して動くしか無い。


「くぅ、何で!」

「おいコラ! 俺の部下に何を!」

「この状況で国王に近寄ろうとするのは怪しいからな」

「あぁ!? んな、おい! テメェ!」

「そ、総長…」

「…テメェ、何故国王に近寄ろうとしやがった!

 戦闘中、国王の近くに寄るのは危険だから止めろと言っただろうが!

 それも武器を構えた状況で近寄るだと!? ふざけてんのか!?

 そりゃあ、攻撃を食らっても文句は言えねぇっての!」

「…すみませんね!」

「な!」


やはり裏切り者か、まぁ、近衛兵として潜伏できたのは

正直言ってかなり評価するけど、最後の最後、勝負を焦ったな。


「ち! クソッタレが!」

「がぅ!」


マーギルはギリギリでその奇襲を防ぎ、制圧した。

後ちょっとで死ぬところだったが、何とかなって良かった。


「ち…まさか近衛兵の中に裏切り者が居るとは…クソ!」

「マーギル総長、嘆くのは後で、今は国王様を守ることを考えろ」

「テメェに言われなくても分かってらぁ! クソガキ! 舐めんじゃねーぞ!」


そのまま形成を逆転されることなく、何とか裏切りの部隊を排除した。

ふぅ、何とかなったな…さて、すぐにひまわりの様子を見に行かないと!

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